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はじめに
投資の世界において1億円という金額は、一つの大きな節目の金額です。この重要な節目で、あなたの資産運用の舵取りを誰に託すかは非常に重大な決断となります。そこで注目されるのがIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)です。IFAならではの客観的かつ専門的なアドバイスが、1億円の資産を賢く増やす秘訣となるでしょう。本記事では、資産運用におけるIFAの利点と、適切なIFAの選び方に焦点を当てていきます。
1億円を賢く運用するための第一歩:適切な相談先選び
1億円以上の資産を手にした富裕層の資産運用の第一歩は、相談先選びと言っても過言ではありません。1億円もの莫大な資産を適切に管理するには、資産運用そのものへの深い知見はもちろんのこと、税務面、法務面での正確な知識が必要になることがあるからです。
相談先の候補には銀行や証券会社などが挙げられると思いますが、近年ではIFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)の利用が注目を集めています。
IFAは独立系ファイナンシャル・アドバイザーとも呼ばれる、資産運用の専門家です。一般的には、特定の金融機関に所属せず独立して活動しています。他の相談先とは異なる特徴やメリットを持つため、相談先の選択肢の幅を広げられることになるでしょう。
資産運用のプロ、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の特徴
資産運用の専門家であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、特定の金融機関に依存せず、広範囲の投資商品を取り扱うことができる資産運用のプロフェッショナルです。相談者の財務状況や運用目標を詳細に分析し、一人ひとりに合ったオーダーメイドの資産運用計画を策定します。
またIFAはその独立性から、一般的な銀行や証券会社のアドバイザーとは異なり、特定の商品への偏りなく中立的な立場でアドバイスを提供することができます。
IFAと他の相談先のとの違い
IFAと銀行や証券会社との違いは、主に以下の2点だと考えられます。
・利益相反が起こりにくい
・長期で信頼関係を築くことができる
特定の金融機関に所属していないIFAは自社の方針にしたがって特定の商品を推奨販売する必要がありません。相談者の状況や希望に合わせた提案がしやすくなるため、利益相反が起きにくくなります。
また、独立して活動するIFAには基本的に異動や転勤がないため、長期間継続して相談できる可能性が高いです。これは2〜3年に一度の異動や転勤を繰り返すことになる銀行や証券会社のアドバイザーにはないメリットでしょう。
失敗しないIFA選びのポイント
一口にIFAと言っても、IFAによりその特徴や相談の質が異なるのが実情です。信頼性が高く知識・経験が豊富なIFAを探すには、以下の3つのポイントを意識してください。
・実績・口コミの内容はどうか
・得意分野は相談内容に合っているか
・報酬体系は明確か
実績・口コミの内容はどうか
公式サイトなどに掲載されているこれまでの相談件数や、相談事例を確認し、十分な知識と経験を持つIFAかどうかを見極めてください。口コミは、良い口コミの多さよりも、悪い口コミの少なさのほうが重要です。
クレームのような内容はないか、不適切な行動について言及しているものがないか、複数の口コミを確認してください。
得意分野は相談内容に合っているか
幅広い金融の知識を持つIFAですが、「相続対策が得意」「事業継承が得意」など、その得意分野はIFAにより異なります。自分の相談内容を得意分野にするIFAに相談したほうが、話がスムーズに進むことは明白です。
多くのIFAが公式サイトなどで得意分野を公表しているので、ぜひ確認してから相談するようにしましょう。
報酬体系は明確か
IFAへの相談は基本的には無料です。IFAは提携する金融機関の商品を販売し、手数料を得ることで生計を立てています。したがって、相談者から直接報酬を得る必要はないからです。
ただし、IFAによっては相談対応にも料金を設定している場合があります。必ず相談前に説明してもらいましょう。
1億円の運用方法のポイント
1億円という大きな資産を運用するにあたり、リスク管理とリターン最適化は非常に重要なポイントです。資産運用の世界では高いリターンを望むほど、リスクも増大する傾向にあります。1億円もの莫大な資産を運用するにはIFAのような専門家への相談が有効であるのはもちろんのこと、それ以外にも何点か指揮したいポイントがあります。
・分散投資をする
・長期投資で複利効果を活用する
・定期的なリバランスを行う
分散投資をする
リスクを管理する上で考慮すべきポイントとしては、分散投資が有効です。1億円全額を一つの投資先に集中させるのではなく、株式、債券、不動産、外貨預金など異なる資産クラスに分散させることで、一部の資産が価値を失っても全体の損失を抑えることができます。
長期投資で複利効果を活用する
投資期間も重要な要素です。長期的な視点で運用することで、市場の変動によるリスクをある程度吸収しやすくなります。
また、長期投資には複利効果が得られる利点もあります。複利効果とは、運用によって増えた利益も元本としてさらに運用を続けることで、元本の増加により、利益がさらに利益を生んで資産が増えやすくなる効果のことです。
定期的なリバランスを行う
リターン最適化には、運用成果を定期的に分析し、ポートフォリオのリバランスを行うことも欠かせません。リバランスとは、運用によって片会が生じた各資産の配分を、運用開始当初の状態に戻すことです。市場の変動や経済情勢の変化に応じて、定期的に見直しを行いましょう。
1億円の運用で考慮すべき税金と法的側面
1億円もの資産運用を検討する際、税金の最適化と法的リスクの回避は不可欠です。自身に税金・法律関係の知識や経験がないという場合は、迷わずIFAなどの専門家に相談することをおすすめします。
資産運用における税制戦略
投資から得られる利益には、配当所得や譲渡所得などに応じた税率が適用され、それぞれの所得税と住民税が課税されます。例えば、株式等の売却益には20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税率が適用されます。
また、投資信託や不動産投資の場合も、それぞれの所得に応じた税率で課税されます。税金支払いの際には、確定申告が必要な場合と源泉徴収による場合があるため、各投資商品の税務処理の違いを理解し、税務申告ミスを避ける必要があります。資産運用における税制の基礎を把握し、適切な申告と税金支払いを心がけることが資産を守り、増やすための鍵となるでしょう。
法的なリスクを避けるためのポイント
運用戦略を立てるにあたり、法律に抵触しないための措置を講じる必要があります。まず、運用に関連する税制を十分理解し、所得税や贈与税などの適切な申告を行うことが不可欠です。さらに、投資先の選択に際しては、企業の合法性や純資産の確認を怠らないようにしましょう。
また、オフショア投資などの複雑な資産運用をする場合は、専門のIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談して、最新の法律や規制に適合したアドバイスを受けることが理想です。資産運用に際しては、法的な安全性を確保することが、リスクを最小限に抑えながら利益を最大化する鍵となります。
まとめ:1億円運用のための心得
1億円という資産規模の新しいステージに立った投資家には、資産運用そのものの知識だけでなく税務面・法律面の知識まで求められることがあります。つまり、自身の知識や経験だけでは対応できないフェーズに至ったということにもなります。
1億円もの資産規模になれば万が一運用に失敗した際の被害も甚大です。自分の力を過信せず、本記事でご紹介したIFAなどの専門家の助けを借りることが賢明でしょう。
ウェルス・パートナーには、資産運用に関わる税務・法務に関して深い知見を持つアドバイザーが在籍しています。無料相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
株式会社ウェルス・パートナー
ポートフォリオマネージャー
早稲田大学商学部卒業後、SMBC日興証券株式会社へ入社。富裕層、会社経営者向け資産運用コンサルティング業務に従事。証券会社では顧客に寄り添った提案ができないと思っていたときに代表の世古口と出会いウェルスパートナーの創業に参画。資産1億円以上の富裕層向けに資産保全・管理、相続・事業承継対策等のアドバイスを行っている。富裕層や資産形成層向けのセミナー講師としても活動中。