はじめに
岸田総理が「金融所得課税を見直ししたい」と発言し注目を集めています。
岸田総理の発言は投資に力を注いでいる層の反発を招き、株式市場にも動揺が走りました。
岸田総理の金融所得課税関係の発言による株式市場の動揺は「岸田ショック」とも呼ばれます。
総理大臣に就任して最初に取り上げられた大きなニュースだったのではないでしょうか。
そもそも、金融所得課税とは何なのでしょう。
株式市場はなぜ総理の発言を受けて動揺したのか、2022年のニュースを理解するための基本的なポイントを解説します。
金融所得課税とは何?
金融所得課税とは株式など金融商品に対する課税のことです。
たとえば、株式が安いときに買って、価格が上がったときに譲渡するとします。
株式の売却により利益が出ると、税金がかかるわけです。
また、株式を所有していると、配当などのリターンもあります。
株式などの金融商品の譲渡は配当にかかる税金は、2021年12月23日時点で一律20%(復興特別所得税を除く)になっています。
金融商品の譲渡や配当などで利益を出すと、一律20%の税金がかかるということです。
岸田総理の発言主旨は「税金の見直し」である
岸田総理の発言の趣旨は「現在は一律20%になっている金融商品の税率を上げよう。見直ししよう」というものです。
だからこそ株式市場が不安定になりました。
株式などの金融商品に投資しており、現状一律20%の税金を納めている人が総理の発言を聞いたらどう感じるでしょう。
「見直しが早急に行われたら税金の負担が増えるかもしれない」「金融商品を中心にポートフォリオを組み立てたのに、税金の見直しのせいでポートフォリオを見直さなければいけない」「税金のせいで今後は投資しにくくなるのではないか」と思うのではないでしょうか。
総理の言葉を聞いた投資をしている人は、投資に力を入れていればいるほど、多くの金融商品を持っていればいるほど、不安になったと予想されます。
税金の見直しは富裕層にも影響がある
岸田総理の言う金融所得課税の見直しは、投資を盛んにおこなっている層だけへの影響に留まりません。
富裕層にも大きな影響をもたらすことが考えられます。
たとえば、富裕層の場合、株式などの金融商品を資産に組み込んでいるケースが少なくないはずです。
金融所得や給与所得の税率をそれぞれ比較して、税金負担が軽くなるよう調整している富裕層も少なくありません。
金融所得課税の税率が見直しされ一律20%から変わってしまうと、富裕層の所有財産だけでなく、所得のバランスについても考え直さなければいけないのです。
金融所得課税の見直しは富裕層など、仕事による所得と金融所得の税率を比較してバランスを取っている層にも影響が大きいと考えられます。
金融所得課税の見直しは何が狙いなのか
そもそも総理はなぜ金融所得課税の見直しについて言及したのでしょうか。
総理が金融所得課税について言及した重要な理由は「所得税と金融所得課税のアンバランスさ」にあります。
所得税は所得が増えると税率が増えますが、金融所得課税だと一律です。
そのため、仕事をして稼ぐより投資によって稼ぐ方が、税金負担が軽くなるというアンバランスな状態になっています。
同じ収入でも、一定の金額(1億円)を境に、投資をたくさんしていた方が税金負担は軽くなるのです。
富裕層にとって節税は重要な問題になります。
だからこそ、総理が金融所得課税の見直しは富裕層にとっても今後の資産形成や節税に関わるポイントになります。
まとめ
金融所得課税とは何かについて説明しました。
金融所得課税は株式など投資の譲渡益や配当に対して課税される税金です。
金融所得課税は一律20%(復興特別所得税を除く)になっています。岸田総理は税率の見直しという主旨の発言をして話題になりました。
2022年も金融所得課税の話題が取り上げられることでしょう。
ニュースを理解するためにも、基本的なポイントはおさえておきましょう。