目次
はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社 ウェルス・パートナー 代表の世古口です。
今回は、「2024年最新米ドル債券投資戦略」というテーマをお届けいたします。
米ドル債券の利回りが復活して、投資のチャンスが継続しているという状況になってまいりました。そこで、2024年ゴールデンウィーク以降の米ドル債券投資戦略について、お話させていただければと思います。
▼今回の内容はYouTubeでも視聴いただけます。
2024年GW以降の米ドル債券投資戦略のポイント
早速、投資戦略についてお話しして行きたいのですが、ポイントは以下のとおり4つあります。
利上げ開始の確率が高い2024年後半までに投資
1つ目です。まずはタイミングです。「利回りが高い状態で投資するには、いつまでに投資すればいいか」というお話からできればと思います。
利下げ開始の確率として高いのがやはり今年の後半、9月くらいから利下げがスタートしそうだということです。利下げが始まると、「今後利下げが進んでいくのではないか」という思惑なども強くなるので、皆さんが投資している債券の利回りの元となる10年国債利回りも下がる影響が出てくると思います。したがって、利下げ開始の可能性が高い2024年後半までに投資していくというのが良いと思います。
格付け間の利回り差なく高格付け債がオススメ
2つ目からは、「どのような債券に投資するのがよいか」という話になります。2024年4月時点でいうと、実は格付け間の利回りの差がかなり少なくなっています。アメリカ国債AA+の債券とA-の債券、BBBの債券であまり利回りの差がない状態です。
昨年や一昨年であれば、もう少し格付け間の利回り差がありました。利回りの差がある場合だと、「格付けの低い債券に投資して高い利回りを得よう」という話になるのですが、利回りの差があまりない状態で、なおかつ格付けの高い米国債などもそれなりに利回りが高い状況になっています。
したがって、利回りの差がない場合は、高格付け債に投資するほど有利といえますので、そのような理由から基本的には米ドル建て債券の中でも高格付け債券、優良企業や収益の高い会社が発行している債券がお勧めだと思います。具体的に債券の格付けでいうと、BBB+以上とかA-以上など、一度は聞いたことがあるような優良企業の社債などが良いと思います。もしくは、米国債とか超高格付けと言われるようなGAFAMが発行している、格付けがAA-以上などの社債もよいと思います。
平均残存期間を長くして高利回りを長期間固定
3つ目です。期間に関してなのですが、金利が高いのはインフレやイスラエルの紛争による原油高、このような一時的な要因によって押し上げられている利回りと考えている方がやはり多いです。私も同じように考えているのですが、基本的にアメリカの経済の実力とか、そのようなことを考えると米国10年国債利回り水準というのは、ニュートラルに考えれば、たぶん2%から3%くらいの可能性が高いと思います。
それが現在4.5%くらいまで高まっているわけなので、このような一時的に高まっている状態は非常にチャンスだと考えられます。普通に考えたら利回り4.5%というのは、通常のアメリカ経済の実力を考えると、今後は2%から3%くらいに下がっていく可能性が高いわけです。
したがって、この4.5%で一時的に高まっている利回りの状態で期間が長い債券に投資することによって、高金利を長期間享受するというのが3つ目の考え方です。通常、債券ポートフォリオで投資することが多いと思うのですが、その平均残存期間をできるだけ長くして、高利回りで長期間固定するという考えになるわけです。
具体的には、債券ポートフォリオの平均残存期間で大体15年前後くらいを目指していくというのが良いと思います。債券ポートフォリオも、何も考えずに組むとだいたい平均期間は10年前後くらいになる場合が多いのですが、そこは意識的に長い債券を組み込むのが良いと思います。
ただし、「もう、この高金利は二度とない」とか「16年ぶりの高金利だ。では次はいつ来るか?」と思われる方は、平均残存期間を20年にしたり、25年にしたりということも考えられますので、そのような強い相場観を持っている方は、さらに長いポートフォリオを組むというのもよいかなと考えています。
金利低下時は劣後債、低格付け債で利回り底上げ
4つ目です。今の状況であれば、とりわけ格付けの低い債券やリスクが高い劣後債などを入れなくても、債券ポートフォリオの平均利回りで5%くらい取れるわけです。一般的には、「5%の利回りを得たい」「それくらいの利回りでよい」と考えている方がやはり多いので、今の段階であればとりわけ劣後債を多めにしたり、低格付け債券を多くポートフォリオに入れると必要性はないと思います。
しかし、「利下げ開始は2024年後半の可能性が高い」といわれているので、今後の話として、これを織り込み始めたり、実際に利下げが始まって、現在4.5%の米10年国債の利回りが4%前後になったり、4%を切ってきたような場合は、債券ポートフォリオを組んだときも平均利回りが下がります。そのような金利低下時は当初の想定よりも、やはり劣後債や低格付債などを多めに組み込むことによって利回りを底上げして、目標利回り達成するような想定をしておくというのが戦略として良いと思います。
つまり、金利が下がったときの目標利回りを達成するための戦略ということです。今後は、劣後債や低格付け債をポートフォリオに入れて行くということが必要だと思います。
このようなところが、2024年ゴールデンウィーク以降の米ドル債券投資戦略の概略です。
米ドル債券ポートフォリオ4タイプの最新設計例
ここからは、米ドル債券ポートフォリオ4タイプの最新設計例をお伝えさせていただきます。今回は設計例に力を入れており、4タイプをお伝えさせていただくので混乱しないように違いを見ていただければと思います。
1つ目は、安定性重視型です。米国債と超高格付け社債だけで固めた安心して持てるようなポートフォリオです。
・ミドルリターン・リスク型 (普通社債+期限付劣後債)
2つ目は、安定性重視型より少しリスクを取って、高いリターンや高い利回りを目指しに行くような設計例で、普通社債といわれる比較的格付けが高めの社債と期限付劣後債、劣後債の中ではリスクが低めの債券を組み合わせて作るミドルリスク・ミドルリターン型のポートフォリオです。
・高利回り追求型(普通社債+劣後債全種)
3つ目は、さらにリスクとリターンを高めて、高利回りを追求して行く高利回り追求型です。これは先ほどの普通社債に期限付劣後債だけでなく、CoCo債や永久劣後債とか、もう少しリスクが高い債券も加えて高利回りを追求して行くポートフォリオです。
・超ロング型(残存期間20年以上)・
4つ目は、超ロング型です。これは、残存期間を平均で20年台にしてく、残存期間20年以上だけの債券でポートフォリオを組んでいくという設計例です。
それでは、1つずつどのようなイメージなのか、実際の債券ポートフォリオのイメージを見ていただければと思います。
安定重視型(米国債+超高格付け社債)
まず、「安定重視型」ということで、米国債と超高格付け社債だけで固めたポートフォリオです。
10債券に2,000万円ずつ分散投資していて、全体で2億円のポートフォリオとなっています。
発行体の業種・国が一番左側です(①)。10債券中、6債券が米国債で、4債券が超高格付けの社債という配分になっています。
債券種類(②)でいうと、国債と普通社債です。アメリカのIT企業というのは、GAFAMみたいな会社で、非常に格付けが高く、米国債と同等くらいの格付けで非常に安定性が高く、安心して持っていられる社債ということです。米国債だけにリスクが偏るよりは、同等の格付けの超高格付けのIT会社にも配分した方がバランスがよいということで、このような配分になっています。
残存期間(③)は、上から3年〜5年、7年などバランスよく配分されていて、平均で16.1年となっています。
債券格付け(④)は、米国債だとAA+で、一番低いIT会社の社債でもAA、一番格付けの高いIT会社だとNo.10のAAAとなっています。そして債券の平均格付けはAA+で、発行体格付け(⑤)も同様にAA+です。
そして、この債券のポートフォリオ全体の利回り(⑥)が4.3%となっています。これが米国債と超高格付け社債だけで固めた「安定重視型」のポートフォリオとなっています。
設計ポイント(安定重視型)
では、「安定重視型」ポートフォリオの設計ポイントについてお伝えして行きます。
米国債と超高格付け社債だけでガッチリ運用
1つ目です。米国債と超高格付け社債だけで作ったガッチリ運用というイメージです。リスクをとって高い利回りを取りに行くというものではなく、本当に安定性を重視した債券運用設計となっています。
平均格付けAA+で保守的な富裕層にはオススメ
2つ目です。そのようなガッチリ運用なので、平均格付けAA+のポートフォリオとなっており、保守的な富裕層の方とか、ご高齢の富裕層の方の債券運用にオススメだと思います。
平均利回り4.3%と格付けの割に高水準
3つ目です。非常に高格付けではあるのですが、現在だと平均の年利回りで4.3%以上は望める可能性が高いので、非常に高い格付けの割には高水準の利回りを得られるということで、保守的な富裕層の方に人気にとなっているといえます。多くの富裕層の方が債券運用に求める利回りは、だいたい5%くらいというのが多いのですが、保守的な富裕層の方が求める利回りは3%から4%くらいが多いです。
そのような中で、今回のようなポートフォリオを組んでも4.3%の利回りが得られるということなので、充分に目標を達成できており、安定重視のポートフォリオで運用される方が増えているのだと思います。
残存期間は16.1年と長めに設計
4つ目です。残存期間は投資戦略のところでお伝えしたように長めに設計しており、16.1年ということですので、充分に現在の高金利を長期間固定できるような期間設計のポートフォリオになっていると思います。
これらが、「安定性重視型」ポートフォリオの設計ポイントです。
ミドルリターン・リスク型 (普通社債+期限付劣後債)
続いて2つ目のポートフォリオ、ミドルリターン・リスク型です。これは、普通社債に期限付き劣後債を加えたポートフォリオとなっています。
まず発行体(⑦)から見て行きたいと思います。かなり劣後債が入っているので、金融機関の割合が多くなっているのですが、保険会社や銀行など、日本やアメリカの金融機関が入っていたり、後はアメリカのIT企業や飲食系の会社など多種多様な業種の債券に分散投資しています。
債券の種類(⑧)は、普通社債と期限付き劣後債をミックスしたものになっていて、15債券中9債券が普通社債で、6債券が期限付劣後債という割合になっています。
投資金額(⑨)は、2,000万円ずつ15債券に分散投資しているので、合計で3億円のポートフォリオとなっています。
残存期間(⑩)は、平均で15.5年。期間の短いものだと3.9年から一番長いものだと26.7年という形でバランスよく分散しております。
債券格付け(⑪)は、平均でBBB+です。個別の債券で見ても一番低いものでBBB-なので、低格付債に分類される債券はなく、すべて投資適格債という格付けになっています。
一方、発行体格付(⑫)は、劣後債が多いので一段階高くて平均でA-です。
最後に利回り(⑬)ですが、平均で5%となっています。個別で見ても大体5%前後の利回りの債券が多いので、平均でも5%ということです。
設計ポイント(ミドルリスク・ミドルリターン型)
では、「ミドルリスク・ミドルリターン型」ポートフォリオの設計ポイントについてお伝えして行きます。
普通社債と期限付劣後債で程よいバランス
1つ目です。普通社債と期限付劣後債を程よいバランスで組んでいるポートフォリオだということです。
割合で言うと、普通社債が6で期限付き劣後債が4、6対4のバランスになっています。これによってミドルリスク・ミドルリターンというバランスを実現しています。
もっとも多くの富裕層が求めるリスク・リターン
2つ目です。これくらいのリスクとリターンというのは、最も多くの富裕層の方が求めているリスク・リターンだと思います。
これくらいのリスクであれば受け入れられるし、求める利回り収益性も、これくらいであるというのがドル建て債券に投資される方だと多いのだと思います。
したがって、最もニーズがある債券ポートフォリオだといえるでしょう。
平均債券格付けBBB+で利回り5%を目指す
3つ目です。平均債券格付けでBBB+、利回りで5%という水準になっています。先ほどお伝えした通り、5%の利回りというのは、多くの富裕層の方が米ドル債券に投資に求めている、それなりに高い利回り目標です。
それをBBB+の債券のリスクで得られるということなので、このようなポートフォリオを組まれる方は多いのだと思います。
残存期間は15.5年と長めに設計
4つ目です。先ほどもお伝えしたように、残存期間を15.5年と長めに設計して、高金利で長く固定できるというのがポイントです。
高利回り追求型(普通社債+劣後債全種)
次は、さらにリスクとリターンを高めた高利回り追求型ポートフォリオです。
これは普通社債に、いろいろな種類の劣後債を加えて作った債券ポートフォリオです。
まず発行体(⑭)から見て行きたいと思います。いろいろな種類の会社に投資しているのですが、上から言うと日本の投資会社や日本の自動車会社、フランスの銀行、やはり劣後債が多いので金融機関の割合が高くなっています。
期間の長い20年くらいのものであると、アメリカの保険会社や飲食の会社、運送会社、そういった会社の普通社債系の割合が多いと思います。
投資金額(⑮)は、1債券あたり3,000万円で20債券に分散投資しているので、総額6億円のポートフォリオになっています。
CoCo債の投資金額が最低20万ドルという場合が多いので、最低3,000万円でポートフォリオを組んでいます。
リスクの高い債券も一部含まれているのですが、20債券くらいに分散して投資できると、債券ポートフォリオに占める1債券の割合は5%にとどまりますので、万が一その会社が倒産して元本が一円も回収できなかったとしても、損失は5%となり、1年の利回りで取り返せる範囲の損失になるわけです。
次は残存期間(⑯)です。見ていただくと分かるように、永久劣後債やCoCo債などリスクの高い債券は期間を短めに設定しています。上から債券格付けをみると、Bのもので3.2年、BB+の低格付け債になるものも3.2年と短めに設定しています。
その他のCoCo債が4種類あるのですが、基本的に期間は3年や4年、5年とか6年程度で返ってくるような債券になっています。
7年以降の債券に関してはすべて投資適格債、格付けがBB-以上の債券になるようにしていて、基本的に格付けはBBBやBBB+とかA-などの債券になっています。しかし、平均で言うと14.2年ということなので、格付けが低い債券などは短めに設計して、高めのものは期間を長くし、普通に組むよりは長めの期間設計になっています。
債券格付け(⑰)は、お伝えしたとおり低格付け債も一部含まれています。20債券中で低格付け債に分類されるのは上の3つの債券だけです。そして、平均の債券格付けでBBBとなっており、先ほどのミドルリスク・ミドルリターン型よりも、格付けは一段階下がっていることになります。
そして発行体格付(⑱)は平均でBBB+になっています。
利回り(⑲)は平均で5.7%です。普通社債だと5%前後ぐらいが多いのですが、CoCo債や永久劣後債が6%から7%台の利回りが多いので、このような債券をポートフォリオに組むことで、平均利回りを底上げしてミドルリスク・ミドルリターン型より0.7%高い利回りを実現しています。
したがって、ミドルリスク・ミドルリターンが利回りで5%、平均格付けがBBB+だったので、そこから一段階格付けを下げBBBにして、利回りを5.7%に高めているというイメージになっています。
設計ポイント(高利回り追求型)
それでは、高利回り追求型の設計ポイントについてお伝えできればと思います。
CoCo債や低格付け社債で平均利回りを底上げ
1つ目です。お伝えしたように、CoCo債や低格付け社債、利回りが5%以上で、6%、7%のものも結構ありますので、そのような債券をポートフォリオに一部組み込むことによって、平均利回りを底上げしているのが高利回り追求型の特徴だと思います。
目標利回り高い富裕層が希望する設計パターン
2つ目です。このようなポートフォリオに関しては、やはり目標利回りが高い富裕層の方が希望するパターンだと思います。
目標利回りで5%以上とか、6%前後を目指されている方だと、このような設計になる可能性が高いと思います。
平均債券格付けBBBで利回り5.7%を目指す
3つ目です。平均格付けでBBB、利回り5.7%という設計になっているので、このようなポートフォリオであれば、アメリカの金利が下がり、10年国債利回りが4%を切ったとしても、おそらく平均利回りで5%を維持するようなポートフォリオを作ることも可能だと思います。このため、高利回り追求型はアメリカの金利が下がった時の副案として考えておくのも良いかと思います。
低格付け債券ほど残存期間は短めに設計
4つ目です。リスクを最小化する工夫ということなのですが、格付けの低い債券ほど残存期間を短めに設計するという工夫はした方が良いと思います。低格付債券は、先ほどのポートフォリオのとおり残存期間4年以内ですし、CoCo債も7年以内のものだけにしています。7年以上の債券に関しては、すべて投資適格債だけですし、劣後債の債券種類は期限付劣後債までとなっております。
これが高利回り追求型の設計ポイントとなっています。
超ロング型(残存期間20年以上)
最後4つ目のタイプということで超ロング型、残存期間が20年以上の債券だけを組み合わせるポートフォリオがこちらです。
このような超ロングのポートフォリオを作る人が「本当にいるのか?」と思われるかもしれませんが、本当にいらっしゃいます。これは、現在の高金利が非常にレアな状態だと考えたり、「もう、こんな高利回りの状況はないだろう」と考えたり、あまり債券が頻繁に返ってくると再投資しなければいけないので、「放っておけるポートフォリオを持ちたい」とか、期間が長い債券ほど金利が下がった時に値上がりするので、「キャピタルゲインを狙いたい」というような考えを持っている方が多いのだと思います。
したがって、そのような強い相場観や信念を持っている方だと、「超ロング型のポートフォリオを組みたい」ということは実際にあるわけです。
まず、発行体(⑳)を見て行きましょう。期間の長い債券であると、アメリカの企業が発行している債券だけになったり、米国債だけになってきます。したがって、見て行くとわかるように、国債は米国債だけです。社債だとアメリカの企業が発行している債券だけになっています。業種は保険や飲食、運送、ITなどさまざまな企業となっています。
債券種類(㉑)は普通社債と国債だけです。
投資金額(㉒)は、1債券2,000万円で15債券に投資しているので、合計で3億円のポートフォリオです。
残存期間(㉓)は、一番短いもので20.7年、一番長い債券だと35年という債券になります。平均残存年数で26.6年と、今までお伝えした債券ポートフォリオの残存期間の平均が15年とか16年なので、それより10年長い平均残存期間のポートフォリオとなります。
債券と発行体の格付け(㉔)は、どちらもA+なので非常に高格付けの債券ポートフォリオといえます。
そして利回り(㉕)で見ると、平均で4.7%となっています。
こちらを見ると分かる通り、これくらい期間が長い債券でポートフォリオを組んでも、平均利回りで4.7%得られています。それを平均残存期間26.6年で、少なくとも一番短い債券が戻ってくるのが20年後とかなので、20年間A+の格付けで運用できるということです。
現在の特徴としては、期間10年よりも20年とか30年とか期間が長めの債券の利回りが特に高まっている状況なので、相場的には期間が20年以上とかの債券で組むポートフォリオは、一時的に魅力が高まっているといえると思います。
設計ポイント(超ロング型)
それでは、超ロング型の設計ポイントについてお伝えできればと思います。
残存期間20年以上の債券だけで超長期運用
1つ目です。残存期間20年以上の債券だけで超長期運用を目指したポートフォリオとなっています。
高利回りの長期間固定ニーズが高い富裕層の希望が多い
2つ目です。どのような方にニーズがあるかと言うと、今の高利回りを長期間固定したいという富裕層の方からのご希望が非常に多いと思います。
平均利回り4.7%で少なくとも20年ほったらかせる
3つ目です。表の方でお伝えしたとおり平均利回りが4.7%、期間の短い債券でも20.7年なので、少なくとも20年は4.7%の利回りを得ながら、放っておくことができる。実際には放っておくことはないと思うのですが、やはり「運用にできるだけ工数を割きたくない」とか、忙しい会社経営者の方とかだと放置できる、安心して持っていられるポートフォリオを求めている方が多いので、そのような方のニーズが高いのが特徴だと思います。
残存期間長いので平均格付けは高めのA+に設定
4つ目です。残存期間が長ければ長いほど、債券の格付けは高くなければいけないと思います。
長い間、その発行体の倒産リスクを取るということなので、超ロング型ポートフォリオの平均格付けは非常に高めになっています。平均でA+の倒産確率が非常に低いという安心して持てるポートフォリオだと思います。
まとめ
以上が米ドル債券ポートフォリオの4タイプの最新設計例です。
見ていただいてわかるように、米ドル債券ポートフォリオと一言に言っても、その型が取れるリスクとか、目指している利回りとか、金利に対する考え方などによって組み方はさまざまです。
個別の債券で作るこのようなポートフォリオは、決まりきったパッケージの投資信託とか、ファンドみたいなものではありません。
その方のご希望とか、求めるものによって、私たちのような運用アドバイザーがオリジナルで組むのが特徴だと思います。ぜひ、ご自分のアドバイザーの方にご要望を伝えていただいて、オリジナルのポートフォリオを組んで頂くというのが良いと思います。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中