【投資初心者向け】 米ドル債券の基礎知識とは?

はじめに

投資に初めて取り組む方にとって、米ドル債券は身近で魅力的な投資先となることでしょう。しかし、その特徴やリスクを正しく理解することが重要です。本記事では、初心者の方に向けて、米ドル債券の基礎知識をわかりやすく解説します。米ドル債券の種類やリスクとリターンのバランスなど、投資の入門知識を網羅的にご紹介します。さらに、具体的な投資方法やポイントについても解説しますので、安定した収益を目指すためのスタート地点としてぜひご活用ください。

米ドル債券の種類

米ドル債の種類には、主に普通債、劣後債、優先株預託証券の3種類があります。
それぞれの特徴について、詳しく解説します。

出典:JTG証券

普通債

米ドル債券には様々な種類がありますが、普通債はもっとも一般的な債券です。普通債は米国政府や州・自治体、企業などの発行体が一定期間の満期日までに定められた利息を支払ってくれるものです。利付債(クーポン債)とも呼ばれ、定期的な利息収入が得られるため、比較的安定した収益を期待できます。

ただし、普通債の価格は市場金利の動向や発行体の信用力の変化などによって変動します。そのため、途中で売却する場合は、購入時の価格と比較して価格が下落している可能性があります。また、外貨建ての債券であるため、為替レートの変動により円換算の価格が変動するリスクも存在します。

劣後債(ハイブリッド債)

劣後債は、普通債よりも優先度が低く、利息支払いや元本返済が優先される普通債に比べてリスクが高いです。

劣後債は普通債に比べてリスクが高くなる分、利回りは高く設定されています。また、劣後債は、企業からの法的弁済順位が「普通社債よりは低く、普通株式よりは高い」という中間の性質を持っていることから、『ハイブリッド証券』と呼ばれることもあります。

劣後債のリスクとしては、発行元の企業が破綻してしまった場合、残余財産が少ない場合すべての債券の返済ができない可能性があります。その際に、最も返済の順番が遅いのが劣後債なのです。劣後債は高い利回りが期待できるものの、リスクも高くなることから、IFAなど金融の専門家に相談することをおすすめします。

優先株預託証券(米ドル建の金融商品)

優先株預託証券は、米ドルで発行される特殊な金融商品です。優先株預託証券は、各期の業績によって配当率が変動せず、一定期間後に発行体の任意で償還することが可能な条件(発行体コール条項)が付いているのが一般的です。そのため、償還日があらかじめ設定されていない点が特徴的です。

また、優先株預託証券は、普通株にのみ上位の弁済順位を持つため、発行体が破綻した場合でも、普通株主より先に資産の分配を受けることができます。ただし、債権者や一般的な社債投資家よりは後になります。

優先株預託証券の配当は、固定配当率期間経過後は、あらかじめ決められた配当率に変動金利を上乗せした配当が支払われます。そのため、金利環境の変化により配当金額が変動する可能性があります。

米ドル債券のリスク

米ドル債券にはいくつかのリスクが存在します。

価格変動リスク

米ドル債券の価格は、市場の金利動向や経済情勢の影響を受けるため、変動することがあります。金利上昇に伴い、債券価格は下がります。そのため、売却時に元本割れを起こす可能性もあります。保有期間を考慮し、市場の動向に注意しながら投資することが重要です。

為替変動リスク

米ドル債券はドル建てですが、投資家が日本円を使って債券を購入する場合、為替相場の変動によって投資価値が変動します。為替リスクが加わるため、円高・円安の影響も受けることを念頭に置いて投資する必要があります。

信用リスク

債券発行体の信用力や債券の格付けによって、債券の信用リスクが変わります。
具体的には、信用リスクとは、国は企業など有価証券の発行体が財政難や経営不振などの理由により、債務不履行が起こる可能性を指します。そのため、投資先の国や企業の財務や経営内容、格付などをチェックする必要があります。

流動性リスク

売買時に購入価格や売却価格に差が生じる場合があります。市場における債券の流動性が低い場合、売買が難しくなる可能性があります。必要な資金や時間枠、売買のタイミングなどを考慮し、十分な流動性がある債券を選ぶことが重要です。

カントリーリスク

投資先国の政治情勢や経済状況が、債券に影響を与える可能性があります。特に新興国などの政情不安がある場合は、リスクが高まることを念頭において適切な投資先を選ぶことが求められます。

米ドル債券の魅力

高いリターンを得られる可能性がある

米国経済は好調なので、金利が上昇しています。金利は経済が加熱し、物価が上がりすぎないように抑制するための手段として利用されているからです。また、アメリカの金利は比較的高水準で推移しており、投資家にとって魅力的なリターンを期待できる可能性があります。

基準となる米国10年国債利回りが高水準で推移

米10年債利回りは3%~5%で推移しており、高い利息が狙えます。一方、日本の10年債利回りはせいぜい0.5%~1.0%程度となっており、米国の高金利を享受できる投資商品として米ドル債券が注目されています。

分散投資に活用できる

ポートフォリオの分散投資を行う際にも、米ドル債券は有効な選択肢となります。米国経済は世界最大の規模を誇り、為替リスクにもある程度強い面があります。そのため、米ドル債券に投資することで、リスク分散を図ることができます。

米ドル債券への投資方法とポイント

入門知識としての投資方法

米ドル債券への投資方法は、主に以下の2つが一般的です。

直接米ドル債を購入する

米ドル建ての債券を個別に購入する方法です。証券会社や銀行を通じて購入することができます。

投資信託を購入する

米ドル債券に特化した投資信託を購入する方法です。ファンドを通じて複数の債券に分散投資することができます。

投資を考慮すべきポイント

リスクとリターンのバランスを考慮する

米ドル債券には各種のリスクが存在します。信用リスクや金利リスク、為替リスクを理解し、自身の投資目標やリスク許容度に合った投資を行いましょう。

投資期間を考える

債券は一定期間で満期を迎えます。満期とは、債券の発行体が元本を全額返済する日のことです。自身の投資目的や資金の使い道に合わせて、適切な投資期間を選ぶことが重要です。

情報収集を行う

投資は自己責任で行うものですが、情報収集は重要な要素となります。経済情勢や金利動向などの情報を把握し、投資判断に役立てましょう。

まとめ

投資初心者の方にとって米ドル債券は魅力的な投資先となりますが、その特徴やリスクを理解しておくことが重要です。本記事では、米ドル債券の種類やリスク、魅力、投資方法とポイントについて解説しました。投資を始める前にしっかりと知識を身につけてリスクを最小限に抑え、安定した収益を得るためのスタート地点としてぜひご活用ください。

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