目次
はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
本日のテーマは、「医師に人気の米ドル債券発行体TOP5【2024年最新版】」です。米ドル債券に投資するときの最大のリスクは、その米ドル債券を発行している会社が倒産し、お金が返ってこないことです。ですから、医師の先生方にとっては、どのような発行体の米ドル債券を選ぶかはとても重要です。今回は、医師の先生が実際に投資している債券のなかから、私の経験則のなかで、特に人気が高い発行体TOP5をお伝えしますので、皆さんの投資の参考にしていただければと思います。
▼今回の内容はYouTubeでご覧いただけます
人気の米ドル債券発行体TOP5
医師に人気の米ドル債券発行体TOP5を5位から発表していきます。
5位:HSBCホールディングス
ご存知の方がいらっしゃるかわかりませんが、かなり世界で有名な海外の銀行です。イギリスで一番大きな銀行グループで、おそらくヨーロッパでも一番大きいのがこのHSBCホールディングスです。世界でも、預かり残高や売上などいろいろな基準がありますが、そのなかでもTOP5やTOP10の規模に入っている、巨大な大手銀行グループのようなイメージです。
この銀行は世界でもメジャーなのでかなり安心感があります。また、そもそも米ドル債券に投資される方のなかには、海外に資産を分散させたい方が多いです。日本の金融機関より海外の大手銀行の方が安心できるという方も結構いらっしゃるので、そのような方に人気です。
発行体の格付けはA−です。日本のメガバンクと大体同じような発行体の信用力になっています。株式の時価総額は25兆円ですので、かなり巨大な企業であることがわかるでしょう。外資銀行のHSBCホールディングスがTOP5の5位です。
4位:日本生命保険相互会社
日本生命が4位です。日本生命を知らない方は日本人にはいらっしゃらないと思います。やはり日本の金融機関のなかでも大手ということで安心感があります。日本の生命保険会社のなかで一番規模が大きい、トップオブトップが日本生命ですので、かなり安心感があるので投資されている方が多いのではないでしょうか。
発行体の格付けはA+、大手のメガバンクよりも格付けが二段階高いので、相当信用力があります。保守的な運用を希望される医師の先生方に結構人気がある発行体が、この日本生命です。
3位:三菱UFJフィナンシャルグループ
この三菱UFJフィナンシャルグループを知らない方はいないと思います。日本で一番大きな銀行です。メガバンクのなかでも頂点なのが、この三菱UFJフィナンシャルグループです。格付けはシングルA−で、HSBCホールディングスと同じです。
時価総額は20兆円程度なので、5位のHSBCホールディングスと格付けや時価総額の規模感は同程度になります。ただやはり、日本の銀行という安心感があります。知らない方はいませんし、預金をたくさん預けている方もいらっしゃるので、そのような三菱UFJフィナンシャルグループが発行している米ドル債券だったら大丈夫ではないか、という絶対的な安心感で人気が高いのかと思います。
2位:マイクロソフト
マイクロソフトを聞いたことがない方もいらっしゃらないと思います。GAFAMと聞いたことはあるでしょうか。アメリカの5大IT企業の頭文字を取った呼び名がGAFAMで、その最後のMがこのマイクロソフトです。マイクロソフトがどれぐらい凄いかは、格付けや時価総額を見ればおわかりいただけると思います。
S&Pの発行体格付けはAAAです。つまり、格付けのなかで最高格付けになっているのです。アメリカ国債の格付けがAA+なので、アメリカという米ドル債券を発行するボスのような国よりも格付けが高いのが、マイクロソフトの評価になっているわけです。3位以下の銀行や保険会社と比べても、格段に高い信用力といえます。
時価総額は488兆円ですので、かなり膨大な時価総額になっています。おそらく、日本のトップ10までの会社の時価総額を足しても、マイクロソフト 1社の時価総額にかなわないほどの規模ですから、相当信用力が高い規模の大きな会社です。
GAFAMにはGoogleやAmazonなどがありますが、そのなかでも特に格付けが高く、今時価総額が大きいので、絶対の信用力があるのが格付けにも表れており、米ドル債券のなかでも人気になっていると思います。
1位:アメリカ(米国債)
TOP5の1位はやはりアメリカ(米国債)です。米ドル債券の王といえるのがアメリカ(米国債)になるわけです。格付けはAA+ですので、ほぼ最高格付けです。何より、米国がダメになる場合、米ドル債券全体がダメになってしまいます(米ドルが下落してダメになる可能性が高いため)。
格付けはマイクロソフトの方がAAAフラットなので高いですが、格付けはアメリカの方が少し低いです。1企業の倒産リスクとアメリカという国自体の倒産リスクを考えたときに、格付けは確かに低いものの、アメリカの方が安全性は高いと考え、アメリカ(米国債)に投資する方が多いのかと思います。
医師の先生方の場合、できるだけ海外に分散して安全に運用したいという思いが強いので、米国債やマイクロソフトのような超高格付けな社債に投資される方が、最近は非常に多いです。
最後にTOP5をおさらいします。5位がHSBCホールディングス、外資銀行です。4位が日本生命保険相互会社、日系の保険会社です。3位が三菱UFJフィナンシャルグループ、日系銀行です。2位がマイクロソフト、アメリカの巨大IT企業、GAFAMの一角です。1位がアメリカ(米国債)でした。
まとめ
今回のテーマである「医師に人気の米ドル債券発行体TOP5【2024年最新版】」をまとめます。ポイントは4つです。
ポイント1)米国>GAFAM>日系銀行>日系保険>外資銀行
この順に信用力が高かったという私の感覚です。やはり米国の信用力が高く、その次にGAFAM、アメリカの超巨大な企業で超高格付けの債券、その次が日系銀行、次が日系保険、最後が外資銀行というイメージになっています。
元々は日系の銀行や保険会社の方が安全性が高いと思われていた可能性が高いのですが、ここ最近、2022年や2023年以降はアメリカの国債に投資する方や、GAFAMのような超巨大IT企業の方が格付けが高く、信用力が高いと思われる方が多くなってきました。ですから、そのような債券の発行体の順位が結構上がっているのではないでしょうか。
ポイント2)医師と米国債、超高格付け社債は相思相愛
今回、1位が米国債で2位がマイクロソフトでした。ですから、やはり医師の先生と米国債・超高格付け社債は相思相愛の関係にあると思います。医師の先生方ほど、「安全に保守的に安定的に運用したい」「その会社が倒産してしまうリスクをできるだけ取りたくない」との思いが強いです。米国債や超高格付け社債のようにAA以上の格付けの債券に投資するニーズが非常に強いので、相思相愛の関係にあるのではないでしょうか。今回のTOP5の順位にも表れていると思います。
ポイント3)日系銀行、保険会社も根強い人気
とはいえ、日系銀行と保険会社の人気もやはり根強いです。アメリカ(米国債)やGAFAMがいいから、そればかりに投資するかというと、そのようなこともないわけです。そのような債券に優先的に投資しますが、日系銀行や保険会社もポートフォリオに組み込んで、バランスよく運用することが基本的には多いと思います。
ポイント4)外資銀行はCSの件で若干下火
これも2023年以降の傾向で、今回5位のHSBCホールディングスのような外資銀行に関しては、2023年にクレディ・スイス(CS)が経営不振になりましたので、あのような件で若干下火の傾向があると思います。2022年までよりは若干人気は下がっている印象です。そのような外資銀行よりも、日本の金融機関の方が安全性が高いということが、2023年のCSの件でわかりました。今のところそのような傾向があります。
本日は「医師に人気の米ドル債券発行体TOP5【2024年最新版】」という内容でお届けさせていただきました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中