はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
本日のテーマは、「米ドル債券利息収入のリアルな使い道TOP5」です。これまでは、米ドル債券に投資するときや、どのようなポートフォリオを組めばよいのかという話が多かったのですが、今回は、投資した後に投資した債券から毎月入ってくる利息収入を、富裕層の方々がどのようなものに使っているのか、リアルな使い道をお伝えします。
「入ってきた利息収入を実際何に使っているのか?」というご質問をいただく機会が増えています。世の中の富裕層の皆さんがどのようなものに利息収入を使っているのかという関心をお持ちの方が多いので、あくまで私の経験上のTOP5をお伝えさせていただきます。皆さんが利息収入を使うときの参考にしていただければと思います。
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TOP5発表
米ドル債券利息収入のリアルな使い道TOP5を、5位から順に発表していきましょう。
5位:ローン返済
最初からリアルなものがきました。これは、日本人の方々の真面目な国民性を表している使い道ではないかと思います。私を含め海外の人たちは、借りたものは借りたままの方がよいという考えを持っている人が多いかもしれませんが、日本人は真面目な方が多いので、入ってきた利息を、今ある借入の返済に充てる方が割と多くいらっしゃいます。
借入が全くない方はいないでしょう。住宅ローンや不動産投資ローン、別荘購入のローン、自動車ローン、または金融商品、今回の米ドル債券を担保にした証券担保ローンなどいろいろなローンがあると思います。それらの借入をそのままにしておくのではなく、利息が入ってきたなかからローン返済していくことによって、自分の負債を減らし、純資産を厚くしていくという使い道の方もいらっしゃるのです。
ローンに関しては、確かに金利が発生します。住宅ローンは金利が低いですが、投資不動産ローンや別荘ローン、自動車ローンなどは金利が結構高いです。1%や2%の利息を払い続けるのであれば、借入を利息収入で支払っていくことによって金利コストを減らしていくという考え方はあると思います。
4位:子供の教育費
続いてまたリアルなものがきました。やはり子供の教育費は結構かかります。特に富裕層の方の場合、お子様に高度な教育を受けさせたいという思いが強いのではないでしょうか。インターナショナルスクールや私立、医学部に進学するとなると、お子さんの教育費はかなりかかります。そのような教育費に利息収入を使う方が結構いらっしゃいます。
特に、海外の留学費用や海外のボーディングスクールに行くことになると、滞在費なども含めて年間で1,000万円以上かかるケースが多いです。ドルや外貨で入ってきた利息収入を、そのまま海外の留学費用などに支払う方が多いと思います。
このように、利息収入が外貨で入ってくることによって、今後、1ドル300円や400円の円安になったとしても、1ドル150円のときに入ってくる利息が確定していたら、そのときの為替レートで利息も入ってくることになりますので、コストが上がらないというメリットがあります。
海外は物価も上がり、今後、円安になっていく可能性があるので、個人の日本での収入からでは費用負担が大きくなってしまいます。債券の利息収入を海外の費用などに充てていくことによって、為替リスクをヘッジすることができるので、お子様の教育費、とりわけ、海外の教育費用などに充てる方が結構多いのではないでしょうか。
3位:旅行など遊興費
3位は娯楽や趣味などです。とりわけ海外旅行や、海外で外車を買う、ワインなどの海外高級品、海外にまつわる娯楽費用、支出などをドル建ての債券の利金で払う方は結構多いと思います。
発想としては、4位の子供の海外の教育費用と同じです。今後、300円~400円の円安になったとしても、150円で買ったドル建ての債券の利息収入であれば、費用負担が変わらないことになります。ですから、個人の円の収入から出していくよりは、費用負担があまりないということで、抵抗なく使いやすいところが、利息収入を海外旅行などの遊興費に使うメリットではないかと思います。
2位:日々の生活費
一番リアルなものが2位に入ってきました。やはり日々の生活費に使われる方がかなり多いです。米ドル債券というと、富裕層の方が投資して持っているという印象があります。もちろん富裕層の方が投資するのが基本ですが、富裕層の方でもいろいろな方がいらっしゃいます。
現役の会社経営者で会社にも個人にも収入がある方、会社を売却して役員報酬などもなく、手元の金融資産しかない方、ご自身は働いておらず、相続でまとまった資金があり、個人の収入はない方などさまざまです。そのような富裕層の方々の場合は、債券に投資して入ってくる利息収入を日々のリアルな生活費に使っていくことが、優先順位が一番高くなります。
このように日々の支出に充てるために、この債券に投資される富裕層の方は一定数いらっしゃいます。入ってきた利息を、日々の家賃や食費、光熱費などの支出に充てるイメージで債券を持っている方もかなり多いです。
1位:株式などへの投資
使い道と言いながら、また投資するのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、これも立派な使い道といえるでしょう。2位でお話しした内容と逆になりますが、富裕層の方ですから、現役の経営者の方が多いです。会社からの収入だけでなく、不動産収入などがある方もいらっしゃいます。
債券を持ち利息収入が毎年入ってきますが、その収入を使うほど困っていない方も結構いらっしゃいます。ですから、そのような利息収入をそのまま置いておくのはもったいないので投資するわけです。
入ってきた債券の利息収入を貯めて、同じような債券に投資する保守的な方も確かにいらっしゃいます。しかし、入ってきた利息は、元々なかったものが債券から生み出されてきたものなので、この利息の部分についてはリスクを取って投資して、資産の成長やキャピタルゲインを目指すため、株式に投資する方が多いです。
具体的には、利息で入ってきた米ドルを、証券会社を通して、米ドル建ての海外のETFなどに投資する方が多いです。株式に投資しているETFにそのままドルで投資できるため効率がよいので、米ドル建てのETFに投資することが多いのかと思います。
そのように入ってきた利息を株などに投資することによって、資産の成長を大きくすることができて、なおかつ複利運用になっていきます。利息をそのまま置いておいたら単利運用ですが、再投資することで複利運用になります。しかもそれは株式ですから、資産の増え方が飛躍的に上昇していく可能性が高いという効果を期待して、利息を株に投資している方が一番多いのではないでしょうか。以上がTOP5でした。
おさらいしますと、「米ドル債券利息収入のリアルな使い道TOP5」の5位はローン返済、4位は子供の教育費、3位は旅行などの遊興費、2位は日々の生活費、そして1位は株式などへの投資でした。
本日は「米ドル債券利息収入のリアルな使い道TOP5」という内容でお届けさせていただきました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中