目次
はじめに
皆さんこんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回のテーマは「富裕層の資産運用に役立つプライベートバンクトップ4を解説」です。
プライベートバンク(PB)とは
皆さんは、プライベートバンクというと、どういうイメージをお持ちでしょうか?
おそらく、富裕層だけが受けられる特別なサービスと考えている方が多いと思います。おっしゃる通り、各金融機関にて最低の預入金額、保有している資産の最低金額とか、いろいろな基準があって、プライベートバンクというのは、お客様を選別していて、たくさん資産を持ってる人ほど優遇する、そういう考えを持ってるのがプライベートバンクと考えて間違いありません。
私は、日本、アメリカ、スイス系のプライベートバンクで合計11年間働いていましたが、その経験から、どのようなプライベートバンクが皆さんのお役に立てるのか、そのTOP4を紹介していきたいと思います。
富裕層の資産運用に役立つPB 第4位「日本の大手証券会社のプライベートバンク部門」
まず第4位は、日本の大手証券会社のプライベートバンク部門です。
これは、私が新卒で入った証券会社も、大手の証券会社もそうなのですが、大手町支店や銀座支店など、このような支店とは違って、プライベートバンクという部署が大手の証券会社に存在します。
このプライベートバンク部門の中には、相続に詳しい税理士や公認会計士、また不動産に詳しい人など、そのような人たちとプライベートバンクがセットになってることが多いです。
したがって、プライベートバンク部門のお客さんになるということは、相続対策や税金に詳しい方の提案を受けられるということになるので、この点は明確にメリットだと思います。
大手の証券会社PB部門は、いろいろな支店の中から、かなり優秀な人だけが集まってくるので、よい提案をしているなと感じました。
それから、証券会社のプライベートバンク部門ということで、「強い取引」というのがあります
上場会社のオーナーの方などは、たくさんの株をお持ちなので、株をまとめて売却するなど、そのような取引などは強いと思います。
富裕層の資産運用に役立つPB 第3位「日本の大手銀行のプライベートバンク部門」
次に第3位は、日本の大手銀行のプライベートバンク部門です。証券会社と同じように、銀行の中にも支店とプライベートバンクというのがあるのですが、比較的資産をたくさんお持ちの方、資産額が数億円以上の方などは、銀行のプライベートバンク部門で取引をすることがあります。
大手銀行のプライベートバンク部門には、明確に有利な点というのがあります。
それは、不動産担保ローンです。富裕層の方で不動産投資を行う方が多いのですが、このような方に、不動産ローンに関してかなり良いレートでお金を貸してくれるのです。
それから、相続対策のために融資を使ったりできるのも有利な点です。銀行ならではの融資機能がありますので、これがすごく優れていて、他の銀行やプライベートバンク部門にはなかなかできないことなので、これは明らかに有利な点だと思います。
富裕層の資産運用に役立つPB 第2位「外資系プライベートバンクの日本拠点」
次に第2位は、外資系プライベートバンクの日本拠点です。
私は前職がクレディ・スイスというスイスのプライベートバンクの日本拠点でした。この点について、日本拠点であっても海外拠点であっても、同じなのではないかと思われるかもしれませんが、これは全く違います。
日本の拠点にあるということで、日本の金融庁の規制ルールのもとに事業を行っているのと、海外に拠点があるのでは全く異なります。
したがって第2位は、この外資系PBの日本拠点ということでご理解してください。
ここのメリットは、証券担保ローンです。
これは、例えば株を買う、債券を買う、ファンドを買う、それだけではなく、その買ったファンドを担保にお金を貸りることができます。その借りたお金をどうするかはお客様次第なのですが、多くの場合はは、この借りたお金で株や債券を買って、2階建てで運用するなど、そのようなことが、私がいたクレディ・スイスなど外資系のプライベートバンク日本拠点では行うことができます。
それが他のPBにはできないところが多いので、大きなメリットだと思います。
富裕層の資産運用に役立つPB 第1位「外資系プライベートバンクのシンガポール拠点」
そして第1位は、外資系プライベートバンクのシンガポール拠点です。
これはクレディ・スイスも、スイス・シンガポール・香港に拠点がありますが、なぜシンガポールかというと、これは「ご時世」です。香港というのは、昨今の問題(新型感染症)でなかなか訪問するのがむずかしい状況です。また、スイスは距離的に遠いので、消去法でシンガポールを選ばれる方が多くなっているっていう理由からです。
海外のプライベートバンクで、海外拠点と日本拠点、何が大きく違うかというと2つあります。
1つが、第2位でもお話した証券担保ローンを使い、レバレッジをかけた資産運用、これができるというのは同じなんですが、このレバレッジの考え方で、大きくレバレッジをかけられるのが特徴です。
例えば日本のクレディ・スイスで運用できるのが、5億円の株や債券を担保に、3億円借りて1.6や1.77倍くらいにして運用できるのが限界だと思います。
これが、海外の拠点のプライベートバンクであれば、5億円で株や債券を買って、それを担保に株や債券を5億円買い、それを担保にしてさらに買って3倍にする。5億円をもとに15億円分の運用ができる。
もちろんリスクが高まるのですが、機能としてできる海外拠点が多いので、ここは明確なメリットだと思います。
もう1つは、金融商品のユニバースがすごく広くなるということです。ユニバースというのは投資対象という意味なのですが、日本では、日本拠点の海外プライベートバンクであっても、日本のルールに則った商品しか扱えません。日本の当局で承認を得た商品しか提案できないということです。
ただ一方で、海外拠点であれば、このような規制とは関係がなくなりますので、圧倒的に幅広い投資対象に投資することができる。レバレッジをたくさんかけられること、投資対象が圧倒的に広くなる。これが外資系のPBのシンガポール拠点を1位にした大きな理由です。
まとめ
もう一度まとめると、第4位が日本の大手証券会社のプライベートバンク部門、第3位が日本の大手銀行のプライベートバンク部門、第2位が外資系プライベートバンクの日本拠点、第1位が外資系プライベートバンクのシンガポール拠点というところです。
今回は「富裕層の資産運用に役立つプライベートバンクトップ4を解説」というテーマでお届けしました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中