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最終更新日:2026/03/04
医師 3億円ポートフォリオ 医師 医療法人 債券投資 米国債 医師の資産運用

はじめに

皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
本日のテーマは、「医療法人の3億円で作る米国債に高格付け社債を加えた米ドル債券ポートフォリオ」です。今回は、医療法人の余剰資金の資産運用に関する内容です。医療法人はルールによって資産運用の規制が厳しいので、リスクを取った投資はあまりできません。米ドル債券に関しても、相当格付けが高い債券で運用する方が非常に多いです。

投資対象を米国債だけに限定する保守的な医療法人も多いですが、米国債だけでは、アメリカという国の破綻リスクだけに集中してしまいます。ですから、発行体リスクを分散するという意味や、もう少し高い利回りを得るという目的で、今回のテーマである高格付けの社債を米国債と共に投資して、米国債と社債のバランスのよい米ドル債券ポートフォリオを作る医療法人も多くいらっしゃいます。今回は、医療法人の余剰資金3億円で作る米国債と高格付け社債を組み合わせた米ドル債券ポートフォリオの事例についてお伝えします。

米ドル債券ポートフォリオ設計例

こちらの米ドル債券ポートフォリオの設計例を見ていきましょう。

1債券3,000万円で10債券に投資しており、合計で3億円のポートフォリオです。発行体は10債券中5債券が米国債で、残り5債券は今回のテーマである高格付け社債になっています。No.3の債券はアメリカの飲料メーカー、No.5, No.7, No.9は、アメリカのIT会社、No.10はアメリカの小売会社です。債券種類は、米国債は国債ですが、社債に関しては社債の中で一番リスクが低い普通社債です。

医療法人の場合、債券格付が重要になってきます。米国債はご存知の通りAA+です。No.3のアメリカの飲料メーカーの社債はA+、アメリカのIT会社は基本的にAA+で、No.9は一番高いAAAという米国債よりも高い格付けの社債、No.10のアメリカの小売会社はAAです。この債券の中で一番格付けが低い債券でもA+になっています。

格付けがいくら以上であればよいかは正直わからないですし、医療法人ごとの考え方にもよると思いますが、個人的には、日本の国債の格付けはA+なので、基準としては、社債に関しても日本国債と同等以上の格付けの債券だけにするべきと考えています。No.3のアメリカの飲料メーカーは、そのギリギリの格付けA+です。平均格付けはAA+なので、この債券ポートフォリオ全体で見ると、米国債同等の格付けということになっています。

残存期間は、期間が短いものから長いものまで数年に一回償還してくるラダー型になっています。一番短いもので4.8年、一番長いものは28年、平均の残存期間は16.6年なので、普通よりも長めの債券ポートフォリオになっています。年利回りに関しては、米国債は3%台のものもありますが、残存期間が10年以上の社債に関しては、4%前半の利回りになっており、平均の年利回りは4.2%です。

このように発行体に関しては、米国債だけでなく社債を加えることで、発行体リスクを分散する効果もありますし、利回りも米国債より格付けが高い社債の方が0.数%ほど利回りが高いので、平均利回りを底上げする効果があります。

また残存期間については、米国債だけの場合、少しバランスが悪くなることもあると思いますが、元本が数年に一回返ってくるようにする設計を考えると、社債も組み合わせた方がバランスがよくなる、という残存期間に関する効果があります。

格付けに関しては、米国債よりも格付けが低い債券も入れますが、平均でAA+という格付けを保持することが可能なので、米国債に高格付け社債を加えることによって、バランスのいい米ドル債券ポートフォリオができます。このように運用されている医療法人も結構いらっしゃいます。

まとめ

今回のテーマである「医療法人の3億円で作る米国債に高格付け社債を加えた米ドル債券ポートフォリオ」を最後にまとめます。ポイントは4つです。

ポイント1)社債を加えることで発行体リスクの分散に寄与

米国債に社債を加えることによって、発行体リスクの分散に寄与します。医療法人で米国債だけに投資している方も結構多いですが、米国が破綻するというリスクに発行体リスクが集中することになってしまいます。その状態よりは、社債を加えて、例えば米国債1社債1の割合にした方が、発行体リスクの集中を避けることができます。そのような効果はあると考えています。

ポイント2)社債は日本国債の格付けA+以上の債券に限定

社債に関しては、日本の国債の格付けがA+なので、社債の投資先もA+以上の日本国債同等の安定性の債券に限定するべきかと思います。これは医療法人や監督官庁の考え方にもよりますが、個人的な感覚としてはそのように思います。

ポイント3)社債の米国債上乗せ利回りは+0.2~0.4%

今現在の相場観では、社債は米国債に対する上乗せの利回りがあります。米国債より高格付け社債でも、+0.2%~0.4%くらいは上乗せ利回りがあるので、このように米国債よりも利回りが高い社債をポートフォリオに加えることによって、平均利回りを底上げする効果があると思います。

ポイント4)社債を加えることで残存期間の穴埋めに有効

社債を加えるもう一つのメリットとしては、残存期間の穴埋めに有効である点です。米国債だけでポートフォリオを作ることもできますが、米国債は無数にあるわけではないので、米国債だけでポートフォリオを作る場合、残存期間に穴ができることがあります。

例えば9年の残存期間の債券があり、次が15年や16年の場合、やはりその間の12年や13年があった方がよいわけです。そう考えると、米国債にはありませんが、社債には12年や13年のものがあるので、その期間に関しては社債に担ってもらいます。このように、残存期間の穴埋めをするために社債を加えることによって、残存期間のラインナップがかなり増えます。米国債だけでなく社債を加えることで満遍なく残存期間を設定できて、数年に一回債券が償還するような、完成度の高いラダー型の債券ポートフォリオを作ることに関しては有効であると考えます。

本日は「医療法人の3億円で作る米国債に高格付け社債を加えた米ドル債券ポートフォリオ」という内容でお届けさせていただきました。

当社ウェルス・パートナーではお医者様の資産運用の無料個別相談も承っております。ぜひお気軽にお申し込みください。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者20万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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