2020
08/27

「マーケットはリスクオンになった」「リスクオフが鮮明」といわれることがよくありますが、実際はどのような意味なのでしょうか。この記事では、リスクオンとリスクオフの違いと、リスクについて解説します。

リスクとは

そもそもリスクとはどういう意味でしょうか。金融商品のリスクとは、「リターン」の振れ幅のことです。リターンとは、投資を行うことで得られる成果のことで、損失になることもあれば、収益になることもあります。

通常リスクとは「避けるべきこと」、「危険なこと」という意味で使われていますが、投資の世界でのリスクとは、リターンの振れ幅(不可実性の度合い)を表しています。以下の図をご覧ください。

有価証券Aと有価証券Bのリスクを比較したものです。有価証券Aより有価証券Bの価格の変動幅が大きくなっています。この場合、有価証券 A より有価証券 B の方が「リスクは高い」と判断できるのです。

リスクとリターンは表裏一体

リスクとリターンには、深い関係があります。リスクが小さいほどリターンも小さくなり(ローリスク・ローリターン)、リスクが大きいほどリターンも大きくなる(ハイリスク・ハイリターン)傾向にあるからです。

つまり、高いリターン(収益)を求めるとリスクが大きくなり、大きな損失が出る可能性も増すのです。リスクが低く、リターンが高い金融商品は存在しません。どの程度のリスクとリターンを取るかを考えて投資するようにしましょう。

たとえば預貯金は最も安全な金融商品ですが、リターンも低くなります。そして、株式はリスクとリターンがともに高くなるのです。ただし、株主優待や配当金などのインカムゲインが目的だとある程度リスクは抑えられます。「預貯金・債券・投資信託・株式」の4つをリスク・リターン順に並べると、以下の通りです。

金融商品のリスク

金融商品のリスクには、主に次の4つがあります。

デフォルト(信用)リスク

債券などを発行する企業や国が、経営不振や財政難などの理由により、償還金や利息をあらかじめ決められた条件で支払えなくなるリスクです。

価格変動リスク

債券や株式の価格が変動する可能性のことです。価格が動く代表的な金融商品は株式ですが、途中で売却する場合は、債券も市場価格により価格が変動します。

価格が変動する要因は需給ですが、一般的に海外や国内の経済情勢、政治、企業の業績などの影響を受けます。

為替変動リスク

外貨建ての金融商品は、為替レートにより価格が変動します。一般的に、円安ならプラス、円高ならマイナスの影響があるのです。外貨建て金融商品を購入した時より円高になると円での手取りが減り、為替差損を被ります。一方、円安になると円での手取りが増え、為替差益を得られるのです。

金利変動リスク

金利が動く可能性のことです。一般的に、金利が下がると債券価格は上昇し、金利が下がると債券価格は下落します。また、満期までの期間が長くなるほど、金利変動リスクは高くなります。

リスクオンとは

リスクオンとリスクオフは、投資家の運用姿勢を示しています。リスクオンとは、株式など価格変動の大きい金融商品への投資を積極化する運用姿勢のことです。2008年のリーマンショック以降、金融用語として広がりました。

欧米などの主要先進国の景気が良く、金融緩和が行われている場合、株式などに投資家の資金が向かいやすくなります。また比較的リスクが高い新興国の株式や債券などにも、資金が向かう傾向にあるのです。

外国の株式や債券は、為替相場によって配当収入や売却益(損)が変わるので、為替変動リスクが加わります。価格変動の大きさをどこまで許容できるかで、投資判断が変わってくるのです。景気が上向くと、株価が一時的に下がってもいずれ上がるだろうと楽観的になり、リスクに耐えられるようになります。このような状態を、「リスク許容度が高まる」というのです。

高いリターンを得るためには、リスクの高い株式などを増やす必要があります。これを「運用リスクを取る」、「リスク選好を強める」といい、そういう資金を「リスクマネー」と呼んでいるのです。

リスクオフとは

リスクオフとは、投資家がリスクを避けるようになり、より低リスクの資産に資金が向かいやすい相場状況を表した金融用語。「リスクマネーがしぼむ」、「リスク資産を減らす」ともいいます。

株式やハイイールド債、コモディティなどリスクの高い資産を避け、短期金融商品や国債など、どちらかというと安全と考えられる資産にお金を移すことを意味します。

通常、経済指標の悪化や景気の減速、金融不安や地政学リスクなどへの不安が高まると、投資家心理は大きく冷え込み、積極的にリスクを取ることは難しくなります。そしてより安全な対応としてリスクを避ける(リスクオフ)行動をするようになるのです。

リスクオフを行った投資家の収益(リターン)は小さくなりますが、損失も小さく抑えられます。ただお金の流れは大きく変わるので、コモディティや株式などは大きく下落します。そして、株式から安全度が高い資産である日本国債(日本円)や米国債(米ドル)などに、資金が向かいやすくなるのです。

株から債券、債券から預貯金など、お金が逃げるように移っていくことを「フライト・トゥ・クォリティ(質への逃避)」ともいいます。大震災や戦争など突発的な出来事が起こったり、金融危機のような混乱が起きたりすると「フライト・トゥ・クォリティ」が起こるのです。

まとめ

金融商品のリスクとは、収益(リターン)の振れ幅のことです。そして、積極的にリスクを取っていくことを「リスクオン」、リスクを避けることを「リスクオフ」といいます。通常、リスクオンでは株式が買われ、リスクオフでは債券が買われます。

現在のマーケット環境がリスクオンとリスクオフのどちらなのかを考え、どの金融商品を選べばいいのかを考えるようにしましょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者20万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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