目次
はじめに
米ドル債券の購入を検討しているものの、手数料や購入方法が気になっている方も多いのではないでしょうか。特に初めての方にとって、手数料はどのくらいかかるのか、初心者におすすめの銘柄はどれかなど、具体的に知りたいこともあるはずです。この記事では、米ドル債券を購入する際に注意すべきポイントや、手数料が必要かどうか、初心者におすすめの米ドル債券について詳しく解説します。米ドル債券投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
米ドル債券とは?
米ドル債券とは、米ドル建てで発行される債券のことで、米国政府や企業などが資金調達を目的として発行するものです。おもな発行体は米国財務省や米国大手企業などです。これらの債券は、安定運用や高いリターンを追求する投資家にとって魅力的です。
米ドル債券の利点としては、信頼性の高い発行体による信用リスクの低さ、安定したドルベースの収益確保が挙げられます。一方で、為替リスクや金利変動リスクも存在します。このうち為替リスクは、異なる通貨間での為替レートが変動するため投資収益に影響を及ぼす可能性があります。
一方、金利変動リスクとは、金利上昇によって債券の価格が下落するリスクです。
米国債の魅力とリスクについては、後ほど詳しく紹介します。
米ドル債券の種類
米ドル債券の種類には、大きく分けて国債、企業債、地方債の3つがあります。まず、国債とは米国政府が発行する債券で、安全性が高いことから多くの投資家に人気があります。一方、企業債は米国企業が資金調達のために発行する債券です。企業の信用度や債券の種類によって利回りが異なるため、銘柄選定が重要です。最後に地方債ですが、米国の地方自治体が発行する債券を指します。地方債は地域ごとの経済状況や財政健全性に影響を受けるため、適切な情報収集が求められます。米ドル債券の種類や特徴を理解することで、自分の投資目的やリスク許容度に合った債券を選ぶことが可能となります。
米ドル債券の魅力とリスク
米ドル債券の魅力としてまず挙げられるのは、高い信用力と安定性です。アメリカは世界最大の経済大国であり、国債や大手企業の発行する債券は信用力が非常に高い点が特徴です。
また、米ドル債券は国内債券に比べて高い利回りも魅力です。記事執筆段階(2024年7月23日)で米国債10年の利回りは約4.2%、日本国債10年の利回りは約1.0%と3%強の差があります。
参考 : ロイター 金利・国債
さらに、米ドルは世界の基軸通貨とされているため、世界的に流動性も高く米ドル債券は換金も容易です。
一方で、米ドル債券にはリスクも存在します。最も注意すべきなのは価格変動リスクです。
債券は、購入時よりも金利が上昇すると価格が低下します。これは、高い金利で発行される新しい債券が有利になるためです。
米ドル債券を満期まで保有する場合は額面金額で償還されるため問題となりませんが、中途で解約する場合は時価売却となるため、価格変動リスクには注意が必要です。
また、米ドル債券には為替リスクもあり、債券購入時より為替が円高に振れた場合は、円ベースでの償還金や利息が減少します。
ただし、債券は一定期間保有することで利息が為替のマイナス分を吸収できるため、為替リスクを避けることができます。詳しくは次の動画をご覧ください。
米ドル債券投資では、これらのリスクを理解し、適切に運用戦略を立てることが重要です。
米ドル債券の購入方法
続いて米ドル債券の購入方法について紹介します。
ここでは、手軽に購入できるネット証券とIFAでの購入方法を紹介します。
ネット証券での購入方法
ネット証券で米ドル債券を購入する方法は次のとおりです。
2.証券総合口座への入金
3.債券の注文
1.ネット証券で証券総合口座を開設します。本人確認書類などを郵送する場合は、一週間程度時間がかかります。
※最近ではスマートフォンやWebで必要書類を提出できる証券会社もあります
2.証券総合口座の開設が完了したら、債券購入資金を入金します。入金方法は銀行からの振り込みや、一部証券会社では銀行口座からの振替入金なども利用できます。
3.Webからログインし、銘柄を選択して債券の注文を行います。注文にあたっては、債券の発行条件を確認するとともに、交付書面の確認と同意が必要です。
ネット証券で米ドル債券を購入するメリットは手軽であることです。
一方、ネット証券では「購入のアドバイスを受けられない」「購入できる債券の種類が限定される」などのデメリットもあります。
IFAでの購入方法
IFA(資産運用アドバイザー)で米ドル債券を購入するには、まず適切なIFAを選ぶことが重要です。
WebサイトでIFAの経歴や実績が公開されている場合は、まず確認するとよいでしょう。
ウェルス・パートナー所属IFAの経歴や実績は⇨こちら
IFAで米ドル債券を購入する方法はネット証券と大きな違いはありませんので、今回は省略します。
ここでは、IFAで米ドル債券を購入するメリットを紹介します。
IFAで米ドル債券を購入するもっとも大きなメリットは「IFA経由でしか購入できない債券がある」ことです。
ネット証券であれば、米国債や普通社債など比較的リスクの低い債券が中心ですが、IFA経由であれば劣後債や永久劣後債、CoCo債などの債券も購入可能です。
アメリカでは9月のFOMCで利下げが開始される可能性が高く、年内2回の利下げが見込まれています。
現在と同等の金利を得たいのであれば、ポートフォリオへ劣後債などの組み入れを行う必要が出てくるでしょう。
「幅広い米ドル債券を購入できる」という点で、IFA経由の米ドル債券投資は大きなメリットがあるといえます。
また、「ポートフォリオ構築のアドバイスがもらえる」という点も、IFAで米ドル債券を購入するメリットの一つです。
ポートフォリオ構築は、単に銘柄を分散させればよいというわけではありません。
償還までの期間や債券・発行体の格付け、社債であれば業種や債券種類など、さまざまな観点からポートフォリオを設計する必要があります。
「資産を守る」「効率的に運用する」どちらの点を考えても、IFAからポートフォリオ構築のアドバイスがもらえるというのは大きなメリットといえるでしょう。
初心者におすすめの米ドル債券
続いて、ウェルス・パートナー 代表の世古口が実際に投資している債券ポートフォリオを参考に、初心者におすすめの米ドル債券を紹介します。
下の表は、ウェルス・パートナー 代表の世古口が保有する債券の発行体と格付けです。
一番上のマイクロソフトは、ご存じのとおりアメリカの超優良IT企業です。格付けはAAAと米国債のAA+よりも高く、業績や財務状況が非常に安定している会社といえます。
その下のアップルは米国債と同じ格付けのAA+、さらに一段下のメタプラットフォームズ(Facebook)、アマゾン、オーストラリア4大銀行の1つウエストパック銀行はAA-といずれも非常に高い格付けとなっています。
次がクレディアグリコルというフランスの銀行で格付はA+、続いてプルデンシャルファイナンシャルというアメリカの大手保険会社で格付はAとなっています。
このように、経営基盤が強固な金融機関の普通社債を中心に、ITや小売り、飲食や石油会社など、業種も分散しています。
ここで挙げた債券は発行体格付けが高く、業績も安定しているため、初心者の方におすすめの米ドル債券といえます。
また、このポートフォリオで注目したい点は、発行体を26に分散し、格付け平均もA-程度と高格付けである点です。
ただし、初心者の方が自分でこのようなポートフォリオを組むのは難しいはずです。
可能であれば、債券投資に詳しいIFAにポートフォリオ構築のアドバイスを受けた方がよいでしょう。
なお、この債券ポートフォリオの詳細は次の動画で解説しています。ぜひ、参考にしてください。
米ドル債券の税制と手数料
米ドル債券投資を検討するうえで確認しておきたいのは、税制と手数料です。
まず手数料ですが、原則としてかかりません。購入時には、購入対価(取引価格×数量)のみを支払います。
一方、税制については利息と償還差益・売却益によって、次のように課されます。
利息 : 源泉徴収または申告分離課税20.315%
償還差益・売却益 : 申告分離課税20.315※
※「源泉徴収ありの特定口座」の場合は源泉徴収されるため申告不要
利息は円換算金額に対して20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税率で源泉徴収されます(申告分離課税も選択可能)。
償還差益・売却益も20.315%の税率で税金が課されますが、「源泉徴収ありの特定口座」の場合を除き確定申告が必要となります。
まとめ
米ドル債券を購入する際に注意すべきポイントや、手数料が必要かどうか、初心者におすすめの米ドル債券について解説してきました。
本文中で触れたとおり、アメリカの利下げ開始が目前に迫っているため、現在は米ドル債券投資をはじめる絶好のタイミングといえるでしょう。
無料相談は対面だけで無く、オンラインミーティングツールZoomで承ることも可能です。
また、土日の相談も承っておりますので、ぜひ気軽にご相談ください。
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株式会社ウェルス・パートナー
ポートフォリオマネージャー
成蹊大学法学部卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ入社。富裕層と会社経営者を中心とした資産運用のコンサルティング業務に従事。 証券会社では金融資産に対しての提案しかできないことに違和感を感じ、金融資産だけでなく実物資産や相続対策を含めた資産全体の最適化提案がしたいと思い株式会社ウェルスパートナーに入社。富裕層、会社経営者の資産配分最適化。 具体的な金融資産の投資実行サポート。 資産管理会社設立から相続対策など税務最適化。 超富裕層のインターネット企業創業メンバーに特化した新規顧客開拓。