目次
はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社ウェルスパートナー代表の世古口です。
本日のテーマは、「観たら絶対に米ドル債券に投資したくなる!資産運用のプロも米ドル債券に投資する理由」です。今回はタイトルの通り、米ドル債券を褒めちぎる内容になっています。米ドル債券のデメリットだけの内容であったり、今度は褒めちぎる内容であったり、「どういうこと?」と思われるかもしれませんが、実際に、私自身の金融資産のポートフォリオの大部分が、この米ドル債券に投資しています。
20年弱この仕事を続け、富裕層の皆様の資産運用をお手伝いさせていただき、いろいろな方々のポートフォリオを見てきた私が、この米ドル債券に金融の大部分を運用していると聞けば、お分かりいただけるかもしれません。結局、米ドル債券に行き着く可能性は、多くの富裕層の方にとっては、答えになり得るのではないでしょうか。このような経験を持つ私だからこそ分かる米ドル債券の魅力や、私が米ドル債券に投資している理由についてもお伝えする内容にできればと思います。
今回は米ドル債券の魅力、メリットについて主にお話しするので、これだけを見た方は良い面だけを見ることになるので、これを見て米ドル債券に投資するのはやめていただきたいからです。米ドル債券には負の面やデメリット、投資リスクもあります。投資リスクやデメリットだけの内容のものも他に出していますので、悪い面も見ていただいた上で、どちらも理解していただき、米ドル債券投資を検討していただければと思います。今回は主にメリット、魅力についてお話しします。
米ドル債券4つの魅力
米ドル債券を褒め称える内容ですので、まずは米ドル債券の魅力についてお伝えします。基本的な内容になりますが、おさらいも兼ねて是非ご覧ください。富裕層の方にとっての米ドル債券の魅力は、主に4つありますので、次のイラストにまとめてみました。
左上が「インカムゲイン」です。定期収入、安定的な収入がほしい方。次に「外貨への分散」、資産を外貨に分散させ、円に偏重した資産配分を見直したい方にとっては、米ドル建ては外貨建てなのでよいわけです。右上は「価格の安定」、次に「手間いらず」です。投資や管理にほとんど時間が必要ありません。これが米ドル債券の魅力です。これは一つ一つ非常に大事ですので、少しずつ深堀していきましょう。
①インカムゲイン
簡単なイラストだけですが、定期収入という「インカムゲイン」です。米ドル債券と私が言っているのは、債券を、個別の債券、米国債〇〇などいろいろな債券を組み合わせてご自身でポートフォリオを作る米ドル債券の投資のことを指していますので、ファンドなどではない点をご留意ください。
米ドル債券でポートフォリオを組んで投資をすると、いつ、いくら米ドル建てで利金が入ってくるというのが、投資した時点でほぼ確定します。ですから、定期収入が安定収入として、ほぼドルベースでいくら返ってくると、投資した時点で確定させることができるわけです。
仕事は、ご自身が会社に行って働き、実績を出して給料が支払われると思いますが、働けなくなったり会社を辞めたりした場合は入ってきません。しかし、この債券に関しては、売却せずに持っていれば、ずっと入ってくるわけです。10万ドルであれば、ずっと10万ドルが入ってきます。これは本当に安定収入と言っても過言ではないと思います。このような安定的なインカムゲイン(定期収入)を得ることができるというのは、間違いなく米ドル債券のメリットではないかと思います。
外貨建てで入ってくるので、海外で生活する場合や旅行に行く場合、今のようにドル高・円安では非常に行きづらいですし、移住もできません。外貨ベースで定期収入が入ってくれば、それを使えばいいので、海外で何かする方にとっては非常に良い収入であるといえます。
②外貨への分散
次は「外貨への分散」です。先ほどは、外貨で収入が入ってくるインカムゲインの話でしたが、こちらは、今持っている資産を外貨に分散できるという意味の分散です。
多くの日本人が、お金持ちの方であっても、大半の資産が日本円です。これは日本円だけのリスクを取っていることになりますので、日本の財政が危機的な状況になったり、急激な円安になったり、インフレのときは、実質的に資産の価値が大幅に減ってしまいます。ですから、本来は外貨にも資産を分散した方がいいという理屈があります。
外貨に分散するときに、どのような外貨に分散した方がいいかというと、世の中で取引されている外貨の中で取引量が多い、扱われている金額が多い、時価総額が多い通貨に特に分散した方がいいです。それはやはり、世界の基軸通貨で取引量が多いのは間違いなく米ドルなわけですから、大半の外貨を米ドルにする必要があります。
イラストのように、日本円の割合を過半数の40~50%程度にして、同じくらいの量の米ドルを持ち、その他の外貨にも少し分散した方がいいといえます。このように資産を日本円だけではなく、外貨を同じ程度持つことによって、円高でも円安でもどちらに転んでもよくなります。どちらにいってもいい状態というのは、日本円が半分、外貨が半分という状態です。ですから、米ドル債券に投資することによって、自然に行うことができるわけです。
③価格の安定
次は「価格の安定」です。金融資産は大きく分けると、株式と債券がありますが、株と比較すると、債券の価格は非常に安定した値動きをします。こちらのイラストをご覧ください。縦軸が価格で右軸が時間です。
株式は時間と共に成長していく可能性は高いのですが、そこに至るまでは、値動きが非常に激しいです。ですから、例えば虎の子の資産である場合は、「3億円がこれ以上増える可能性が少ない」「2億円に減ってしまった」「今日は4億円になった」など、ジェットコースターのような値動きに翻弄されてしまうわけです。引退された方にそのようなケースが多いと思いますが、そのような方は株を持っていると不安になってしまいます。
一方で債券は、かなり均されるので値動きが安定しています。これが価格の安定性という点です。現役でお若い30代~40代の方はあまり必要ではないかもしれませんが、会社売却後、虎の子の資産になっている方やご年配の方にとっては、価格が安定しているというのは非常に大事な要素になります。富裕層の方はそのような方が多いので、債券は精神の安定につながるということで、求める方が非常に多いわけです。これが債券の魅力の大きな一つではないかと思います。
④手間いらず
米ドル債券の魅力の最後の一つは「手間いらず」です。これも大きいと思います。
富裕層の方はお忙しい方が多く、投資の管理や、投資自体に手間をかけたくない方も結構いらっしゃいます。よく対比される資産として国内不動産がありますが、賃貸物件に投資して部屋を貸して賃料を得るという投資の方法です。私自身も投資不動産を持っていますが、やはり米ドル債券と比較すると面倒です。
まずは物件を探すところから始まりますが、投資するときに物件を見に行ったり、いろいろなことを調べたり、購入するときも、いろいろな契約書を書き、実際に銀行へ行って借入の手続きをしたりします。銀行借入は本当に大変です。やっと決済が終わったと思ったら、管理会社から連絡がきていろいろなことを言われたり、空室になった場合は、それを埋めるために何かしなければいけなかったりします。また、エアコンが壊れた、トイレ壊れたときなどは、適当にやっておいてほしいと思いますが、本当に手間がかかります。
実物とよく比較される資産の国内不動産でそれほど手間がかかるので、海外の不動産、アメリカの不動産はもっと大変です。私も持っていますが、英語でやり取りしています。
そのような国内外の不動産と比べると、米ドル債券は、購入するときに少し手続きは必要ですが、基本的にはインターネット証券の口座の中で全部やり取りできます。投資の手続きや商品のリスク説明などを我々のようなアドバイザーが説明して、その後、入金して受発注をしますが、その後は基本的にほとんどやることはありません。
ですから、このイラストにあるように、煩雑な手続きや面倒な管理、基本的に満期まで保有するのが債券投資ですので、途中で売却する必要もありません。全て不要ですので、この手間いらずというのは、富裕層の方にとっては、米ドル債券に投資する大きな魅力の一つではないかと思います。
以上のように、「インカムゲイン」「外貨への分散」「価格の安定性」「手間いらず」のところなど、富裕層の方にとっては魅力的な要素がたくさんありますので、米ドル債券に投資される方が非常に多いのではないでしょうか。
世古口が米ドル債券に投資する理由
ここまでお伝えしたのは一般論ですが、最後に私自身の話をします。20年弱この仕事に関わってきて、富裕層のいろいろな方のポートフォリオを作ってきた私が米ドル債券に投資する理由をお伝えしましょう。先ほどのメリットと被っているところもありますが、私自身が率直に思っている、投資している理由を4つ挙げてお話しします。
理由1)資産と収入を外貨に分散できるから
資産と収入を同時に外貨に分散できるのが結構大きいです。同時に分散できることは、実はあまりありません。資産だけをドルにするのは、ドル預金しておけばよいのですが、それではあまりインカムゲインが入ってきません。それと収入です。収入を外貨にするのは、海外で仕事したり、海外で仕事をもらったりすれば、外貨の収入が入ると思いますが、結構面倒です。資産と収入を同時に簡単に外貨にできるのは、米ドル債券なのです。
インターネット証券の口座の中で円を持っていたら、それを米ドル債券に投資すれば、資産のその部分が米ドル建て(外貨)になり、収入も定期的に外貨で入ってきます。資産と収入を同時に簡単に外貨に分散できるというのが、私自身が米ドル債券に投資している理由です。それ以外の通貨も持っていますが、私の外貨の大半はやはり米ドルになっていますし、収入も外貨は米ドルが基本的に多いと思います。
理由2)自分に万が一があったときの家族の安定収入
私も会社を経営していますが、私の会社は私の能力で成り立っているところがあるので、私自身が亡くなったときや働けなくなった場合、家族(家庭)の収入が途絶えてしまう可能性があります。そのようなときに、米ドル債券をまとめて持っていると、安定的にインカムゲインが発生しますので、1,000万円だった場合、毎年1,000万円がほぼ確定で入ってきます。それがあれば、家族は生活できるわけです。
私には妻と小さい子供が2人います。金融商品にはどうなるか分からないところもありますが、その家族を養えるほどの米ドル債券があるので、仮に自分が亡くなったとしても、最悪何とかなる、おそらく大丈夫であるという安心感が持てます。
ですから、私のような会社オーナーや、自分が亡くなったら収入がなくなるような可能性がある方にとっては、米ドル債券を保有することで自分に万が一のことがあったときの、家族の収入が確保されるという保険になっていると言えると思います。独身の方や、株で資産を増やしている方は多いと思いますが、ご家族がいて、自分に万が一のことがあったときに家族の収入が心配な方は、年齢が比較的若い方でも、私は40歳ですが、40歳の方であっても、このような債券をたくさん保有しようという気持ちになるわけです。
理由3)格付け高めの債券に分散投資すれば大抵負けはない
私の20年弱の経験上、米ドル債券は、金融商品なので当然投資のリスクはありますが、格付けがそれなりに高めの債券、BBB以上の債券に分散して投資すれば、大抵は負けないというのが経験則になっています。しかし、ここに格付けがBやBBの債券が入ってくると話は違ってきます。尚且つ、投資する債券が集中しすぎると投資リスクが増してしまうので、そのようなことは避けて、それなりの格付けの債券に分散して投資するということが前提です。
ですから、1債券の債券ポートフォリオや純資産に占める割合を数%~5%に抑えることができれば、基本的には負け筋はないと思っています。2023年に格付けがBBBのアメリカの地銀が倒産しましたが、過去の経験則上そうですし、BBB以上の債券が倒産するのはそんなにはないことです。ここ20年弱は、それほど次々に倒産することはあまり聞きません。私が現役のときはなかったですし、リーマンショックのときでさえ、それほど倒産していません。ですから、基本的に負け筋はないと思いますので、手堅い運用ができる可能性が高いというのも、金融を米ドル債券投資中心にしている理由の一つであると思います。
理由4)投資の再現性が高く、不確実性は低い
投資の再現性が高いことと、不確実性が低いことも大事です。ベンチャー企業やスタートアップへの投資、不動産投資などの場合は、「この物件は二度とない」「この物件と同じ物件に投資したいけれど、同じ条件の物件はない」というように、これらは再現性がさほど高くないと思います。また、株の短期売買、トレーディング、FXなども再現性が低いです。
しかし、米ドル債券は条件があまり変わらないので、ほぼ同じ投資ができる数少ない金融資産だと思います。例えば債券Aがあり、利回りが4%のときに金融のプロが投資し、投資素人の方が同じ利回り4%で投資したとしても、途中で売却する必要もなく、満期まで持ち切れば同じ結果になります。ですから、先人たちと同じことをやれば、成功する確率が高く、投資の再現性が高いわけです。これが米ドル債券の良いところです。
また、不確実性が低いということもあります。不確実性とは、予定外のことが起こる可能性です。会社が非上場化することや、株がどうなるか分からないこと、会社が倒産することは、確率としてはそれほど起こらないです。不動産のように「空室になった」「それが半年続いた」ということもありませんし、利金を払わなければ、その会社は倒産するだけです。「投資の再現性が高くて不確実性が低い」は、つまり「投資が成功する確率が高くて、予定外のことも起こりづらい」ということです。このようなところが、米ドル債券に投資する理由の一つではないかと思います。
以上が、私、世古口が米ドル債券に投資する4つの理由になります。今回は、米ドル債券投資の魅力、メリットについて集中的にお話しさせていただきました。これを見ただけで米ドル債券に投資しようと決めずに、他の記事や動画などでデメリットや投資リスクについても詳しくお伝えしていますので、そちらをご覧になってください。良い面と悪い面、清濁併せ呑むというのが投資ではないでしょうか。是非、デメリットの方も見ていただいた上で、投資判断していただければと思います。
本日は「観たら絶対に米ドル債券に投資したくなる!資産運用のプロも米ドル債券に投資する理由】」という内容でお届けさせて頂きました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中