はじめに
突然の相続で1億円以上の資産を手にした場合、どのように資産を管理して資産運用を行うかは、慎重に判断すべき重要な問題といえます。この記事では、相続した資産を適切に管理し、安定的な運用や資産の成長を実現するために、どのような運用方法が適切かについて解説します。さまざまな資産運用商品から適切な商品を選び、リスクとリターンのバランスを図るための具体的な方法を紹介します。1億円以上の資産を持つことで得られる投資機会と課題を把握し、資産運用の成功に向けた戦略を構築するためのヒントをお伝えします。
1億円以上の相続財産の管理と運用計画の作成
まずは、相続財産の評価から始めましょう。財産の正確な評価は、将来の運用計画や目標設定に欠かせません。資産内容ごとに、各分野の専門家と相談し、財産の価値や大まかな運用方針、将来へ向けた節税の可能性を検討しましょう。また、金融商品や不動産などの資産にはリスクが伴いますので、それぞれの仕組みや特徴、運用に関するルールなどもチェックしておきましょう。
次に、資産運用の目標設定と投資戦略の策定を行います。資産運用の目的は、安定的な収入の確保、資産の成長、事業への投資資金確保など人ぞれぞれです。。これらの目的に合わせた投資戦略を立て、リスクとリターンのバランスを考慮し、綿密な運用計画を立案することが大切です。証券会社の担当者やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などのアドバイスを受けながら、自分に合った運用方法を選びましょう。
相続財産の適切な運用方法の検討
適切な運用方法を選ぶためには、投資商品の選択とポートフォリオの構築が重要です。株式、債券、不動産など、さまざまな投資商品がありますので、自分のリスク許容度や運用期間に応じて適切な組み合わせを考えましょう。
ポートフォリオ構築にあたっては、資産クラスや投資対象国をうまく分散することが必要です。参考として、ウェルス・パートナーが提案したポートフォリオ構築例をみてみましょう。
もともと国内資産、特に日本国債の保有比率が高かったのですが、ポートフォリオを再構築することで、資産クラスや投資対象国をバランス良く分散することができました。
ただし、適切な資産配分をおこなった場合でもポートフォリオは、そのままでよいというわけではありません。
価格変動によって、時間の経過とともに資産配分が崩れてくるからです。
このような場合は、資産の再配分(リバランス)によって、再び資産配分を最適化する必要があります。
また、資産成長を促進するためには、長期的な運用戦略が重要です。目先の投資成果にとらわれることなく、成長性のある資産への投資も検討しましょう。
成長資産への投資は、長期的にみてインフレリスクへの対策になります。
専門家へ相談することの重要性
資産運用の経験がない方、あまり知識がない方はIFAなど、資産運用の専門家へ相談することが重要です。
金額が大きいだけに、誤った資産運用によって損失が大きく膨らむ可能性があり、また税務面など周辺知識も必要になってくるからです。
このため、相続資産の運用を行う場合は、信頼のおける専門家を選ぶことが急務となるでしょう。
この点、IFAであれば運用商品の選定やポートフォリオ構築、運用成果管理のほか、長期的に資産運用のアドバイス提供も受けられます。
また、IFAは税理士や弁護士などと提携している場合も多いので、資産運用で生ずるあらゆる問題をワンストップで任せることができます。
相続財産の運用を成功させる戦略とヒント
最後に、相続財産の運用を成功させる戦略とヒントをご紹介します。
まず考えたいのは、将来の資産承継や相続税への対策です。相続税対策としては、生前贈与や生命保険の活用が一般的ですが、不動産を活用する方法や資産管理会社を活用する方法など、いくつも選択肢があります。
また、一定の資産を持つ方には、資産承継時の「相続争い」を避けるために、遺言信託の活用も検討するとよいでしょう。
遺言信託とは、遺言書の作成から遺言の執行までを専門家に依頼する制度のことです。
ウェルス・パートナーでは、このような資産承継へ向けた対策の相談も承っておりますので、ぜひ気軽にご用命ください。
まとめ
突然の相続で1億円以上の財産を手にした場合、どのように資産を管理して資産運用を行うかは、重要な問題です。適切な管理と運用計画の策定、投資戦略やポートフォリオの構築、専門家への相談、将来へ向けた資産継承対策など、さまざまな要素を考慮しながら運用計画を実行する必要があります。最終的な決定は自分自身の意思で行うことが重要ですが、専門家のアドバイスを活用することで、より安定的で効果的な資産運用を実現することができるでしょう。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中