はじめに
税金の手続きの中で特に有名なのは「確定申告」ではないでしょうか。
確定申告は前年の収支と税金の額を申告する手続きです。たとえば2021年の収支と税金を申告する場合は、12月31日までが2021年なので、その年の末日までの分を計算し、翌年である2022年に申告するのが確定申告です。
個人事業主などで仕事をしている方にとってはお馴染みの手続きではないでしょうか。
税金の申告手続きは確定申告だけではありません。
他に訂正申告や修正申告、更生の請求などの手続きがあります。
確定申告に関係のある他申告手続きについて分かりやすく説明します。
訂正申告とは?
訂正申告とは、確定申告の訂正方法のひとつです。
確定申告をした後に金額や費用、控除などのミスに気づくことがあります。
確定申告の計算や記載でミスすると、その年の税金額まで変わってくる可能性があります。
そのため、確定申告でミスした場合は訂正をすることが可能です。
訂正申告は「確定申告でミスした場合」でかつ、「確定申告の期限内」に訂正する方法になります。
1年間の収支と所得税を申告する期限は2月16日から3月15日までです。
この期間内に確定申告を修正する手続きを訂正申告といいます。
訂正申告の方法はいたってシンプル。
確定申告には「期間中に2枚以上の申告書が提出された場合は最後に提出した分を正式な確定申告として扱う」というルールがあるので、訂正したい場合は確定申告書をもう1度提出すれば問題ありません。
たとえば、2月17日に確定申告をしたことに3月1日に気づき、3月2日に確定申告を訂正しました。
このようなケースは期間内の訂正ですから、訂正申告になります。
修正申告とは?
修正申告も確定申告のミスを修正する方法のひとつです。
訂正申告との違いは、修正申告の場合は「確定申告の期間外の修正である」という点になります。
たとえば、2月17日に確定申告をしたところ、ミスに気づいたのは5月に入ってからでした。
修正したのが5月の半ばです。
このようなケースでは確定申告期間外の修正になるため、訂正申告ではなく修正申告の手続きをすることになります。
なお、修正申告と更生の請求は間違えやすい手続きです。
修正申告は確定申告の期間外で、かつ、税金を少なく申告してしまった場合や、還付してもらう税金を多く申告してしまった場合に使う手続きになります。
更生の請求とは?
更生の請求も確定申告の内容を修正する手続きのひとつです。
訂正申告との違いは、更生の請求は「確定申告の期間外におこなう手続きであること」です。
確定申告の期間外におこなう手続きとしては修正申告があります。
修正申告と更生の請求は似ているため混同されがちですが、更生の請求は税金を多く申告してしまった場合や、還付してもらう税金を少なく申告してしまった場合に使う手続きです。
修正申告と比較して、申告する側の還付が多くなる、あるいは納税額が少なくなるなど、得をする場合に使う手続きが更生の請求になります。
たとえば、ある人が確定申告を済ませていたにも関わらずミスしていたことに気づきました。
気づいたのはちょうど確定申告の期限が終わった直後です。
あらためて計算してみると、税金を多く申告していたようでした。
還付金も増えるようです。
税務署に連絡するとまだ還付の手続きが完了していないということだったので、急いで確定申告の内容を訂正しました。
このようなケースは基本的に更生の請求を使います。
まとめ
確定申告の修正手続きについてお話ししました。
確定申告を修正するときは、申告の期限内か期限後か、税額がどうなるのかなどによって手続きが変わってきます。
2022年の確定申告(2021年分)については、システムトラブルや新型コロナの影響から、手続きの個別延長などがおこなわれています。
修正などの手続きをする際は、念のために専門家や税務署に手続きについて問い合わせた方が安心です。