2020
02/04
最終更新日:2022/07/06
経済・マーケット

はじめに

家電を購入するとき、あらゆるメーカーの製品をカカクコム(価格.com)で比較して検討したことはありませんか?

家電は種類がかなり多く、また値段だけでなく年式や保証、機能など様々な観点で評価するので、店頭やオンラインストアで簡単に比較できるものではありません。

そこで、カカクコムは顧客が多様な家電に囲まれて迷わないために、家電のあらゆる要素(価格、機能など)を瞬時に比較できるようにしました。

また、カカクコムは家電メーカー側にも影響を与えました。

それは、家電メーカーがサービス内容にも注力するようにしたことです。

というのは、カカクコムで価格だけでなく年式や機能などあらゆる要素が瞬時に比較できるため、消費者は“ただ安いだけ”で購入しなくなったのです。

そこで家電メーカーは今までよりも価格だけでなく機能や保証など顧客の立場に立った製品・サービスの設計を行うようになったのです。

カカクコムのような比較サイトは宿泊ホテルの予約でもサービスが出ていますが、2019年12月10日に金融庁は「金融版のカカクコム」を作るという素案を示しました。

これも、家電比較やホテル比較同様に金融商品・サービスの比較が瞬時に行えるもので、特に複雑な金融仕組みの証券や保険であればニーズはかなり高くなるでしょう。

最近では、証券会社の手数料無料化の動きが激しくなり今後3年以内にネット証券での証券売買に手数料がかからなくなるでしょう。

しかし、手数料ゼロという“ただ安いだけ”の理由で証券を購入しても良いのでしょうか?

そこで金融庁は金融版カカクコムを立案し、顧客、金融業界に変化をもたらそうとしています。

今回は大きな変化が起きている証券会社のみに絞って「手数料ゼロの動き」と「日本証券業界の問題点」、「新サービスを使うべき理由」について解説します。

手数料ゼロの動き

2019年10月1日に証券業界で激震が起こりました。

それは、米国の大手ネット証券チャールズ・シュワブ社が株取引に係る手数料を無料にしたからです。

通常、どこの証券会社を利用しても、株を売ったり買ったりする際は価格とは別に手数料を支払わないといけません。

利用者は証券会社を選ぶとき「手数料」を基準に選択することがほとんどになっているのです。

つまり、手数料が安いほど顧客は利用しやすいのです。

手数料はほとんどの場合(対面証券会社だと)何千円もかかることが多いのですが、最近ではネット証券が100円や95円という破格の手数料でサービスを提供していました。

しかし、手数料ゼロの証券会社が出てきたらどうでしょう?

当然、顧客は手数料ゼロの会社を選ぶため、他社は顧客が来なくなります。そこで、日本でも10月以降SBI証券が「今後3年以内に手数料完全無料化」を目標にして以来、今日まで楽天証券、マネックス証券など大手ネット証券が投資信託(単純な株取引ではありません)の手数料を無料化し始めているのです。

日本企業の問題点

では、安ければ良いのでしょうか?

証券売買にも、手数料だけでなく個々の証券会社にあった特徴があります。

例えば、銀行口座との連携やアナリストレポート、金融商品の品ぞろえ、株の詳細を知るための便利なツール、IFA(アドバイザー)など私たちに顧客にとって必要な情報がたくさんあります。

“ただ安いだけ”という理由だけで証券会社を選ぶのは、年式の古い保証のついていない冷蔵庫を買うようなものかもしれません。
つまり、日本の証券業界における問題点は手数料以外での競争(もっと顧客のためのサービスを作ろうなどという動き)が乏しく、顧客の利益を会社側が最大限に考えられていないという問題があります。

もちろん、本当に顧客のことを考えている会社もありますが、1つの会社が手数料をゼロにしてしまえば、(収益源はほぼ手数料しかないので)他社もそれに追随するしかなく、顧客のためのサービスは後回しになってしまうという構造的な問題を持っているのです。

また、家電やホテルとは違い金融商品は、複雑で理解しにくいものも多く、一般の顧客にとっては敷居が高くなっています。そこで、手数料がゼロになったからといって今まで取引したことなかった人が、サービスが劣後した証券会社で売買するとどうなるか結果は見えています。

これは、銀行でも保険でも同様のことが言えて、もっと顧客本位のサービス拡充が進むべきなのです。

新サービスを使うべき理由

とはいえ、金融商品は理解した上で利用すると節税や資産運用の面で利便性があります。

金融商品の問題点は「価格変動のリスク」ではなく、「価格変動のリスクを分かりやすく教えてくれるサービスが乏しいこと」なのです。

今回、金融庁が素案を出している金融機関や商品の比較サービスは、今後、証券会社(銀行、保険も含む)が手数料以外で顧客の寄り添ったサービスの拡充を促すことになるでしょう。

また、金融商品は非課税枠などもあり利用すべきシーンはみなさんにも必ずありますのでぜひ、金融庁のサービスがリリースされたら利用してみて下さい。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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