はじめに
2020年11月1日に大阪で行われた大阪都構想の住民投票。2015年に次いで今回、2度目の否決という結果になりましたが、そもそも大阪都構想とはなんですか?と思っている方も少なくはないでしょう。
自身が大阪府民でなければとくに気にする話題ではないのかもしれません。しかし、同じ日本で行われている大きな改革について知っておいても良いのではないでしょうか。今回は、大阪都構想とは?について詳しくわかりやすくお伝えします。
大阪都構想とは
大阪都構想とはなにか?について簡単にまとめると「大阪市の24区がなくなり4つの特別区に合区される」「大阪府と権限や予算一体化する」というものです。
大阪都構想は2020年の住民投票によって改めて否決されましたが、じつは今回が2回目の否決となり注目を集めました。そもそも大阪都構想を行おうとした大きな要因ひとつは「二重行政の解消」です。
大阪は大阪府と大阪市の二重行政が大阪府民へ多大な不利益を与えるとのことから、ひとつにまとめてしまおうというのが都構想の起源であると言われています。二重行政を語る上でよく出される例がビルの高さ問題。
大阪市が建設したワールドトレードセンタービル(WTC)と大阪府が建設したりんくうゲートタワービル(GTB)。どちらも多額の税金を投入したのですが、問題なのは「当初の計画から高さがましていった」事実です。
大阪市が建設したWTCの高さは256メートル、一方で大阪府が建設したGTBは256.1メートルでした。どうでも良いような競い合いによって多額の税金が投入されたことが問題視されました。これらの二重行政によって不利益を被っている事実から大阪都構想が始まりました。
なぜ否決されたのか
2020年に行われた大阪都構想では2度目の否決となりました。非常に僅差ではあったのですが、否決された事実を変えられることはありません。
もっとも、今回2度目の否決がされた理由としては“市府が一体となって二重行政の改革”を行った結果と言えるでしょう。そのため、2020年の住民投票を行う意味すらありませんでした。
ではなぜ、もっとも問題視されていた二重行政が解消されたにもかかわらず、大阪都構想にこだわったのか。それは公明党の方向転換が理由でありました。公明党が方向転換を行った理由は“政治的思惑”です。
結果として、否決されるべくして否決されたと言っても良いでしょう。ただ結果は僅差、実際に大阪都構想の現実を望んだ住民も相当数いたのでしょう。
他地域へ与える影響
大阪都構想はあくまでも大阪の話であって、他県・他地域への影響はないという見方がほとんどです。あくまでもローカル問題であるとの見方が強いため、とくに心配するようなことはありません。
ただ、今回の都構想までの工程や結果すべてのデータを残したことは結果として良かったでしょう。現在はとくに影響がなくても今後、影響を及ぼす可能性は無きにしもあらずです。
まとめ
今回は、大阪で行われていた大阪都構想についてお伝えしました。
大阪都構想は2015年に1回目の住民投票が行われ、2020年で2回目の住民投票となりました。しかしいずれも結果は否決。1回目の大阪都構想の住民投票時に比べれば、二重行政の解消はもちろんのこと、住みやすくなったと感じる府民がほとんどです。
その結果、わざわざ多額の税金を投入してまで24区を分解し、4区に合区する必要はないとの見方が強まったのでしょう。2015年に行われた住民投票時には、当時の大阪市長であった橋下氏が政界を引退。今回も否決によって松井氏が任期満了を持って政界を引退する意向を示しました。
2回連続で市長が引退することとなり、これまた大阪市民に衝撃を与えたことでしょう。しかしながら、政治家としてきっちりけじめをつける形での引退です。次の市長に期待をしておきたい限りです。