はじめに
2020年1月に新型コロナウイルス感染症が日本国内でも発見されて以降、驚くスピードで感染が拡大し、同年4月には緊急事態宣言が発出されました。
その後、感染拡大が落ち着くどころか拡大の一途をたどり、2021年1月8日より1都3県で2回目の緊急事態宣言が発出されました。
現時点で緊急事態宣言が発出された地域は11都府県となり、状況次第では、他の道府県でも発出される可能性はあるでしょう。そこで今回は、1回目の経済損失や効果、2回目に行われたときの経済損失等についてお伝えします。
1度目の経済損失と感染拡大への効果
1回目の緊急事態宣言で感染拡大を防止できたとの見方が強いです。具体的に、緊急事態宣言によって防ぐことのできた感染者数などは明らかになっていませんが、新型コロナウイルスでの死亡者や感染者数を減らせたのは事実でしょう。
一方で、1回目の緊急事態宣言は国民へ与えたインパクトはとても大きく、経済へ与えた損失も計り知れないものでした。春休みやゴールデンウィークが重なったこともあり、その経済損失は45兆円以上になったとまで言われています。
その他、国民への現金給付や休業支援としての現金給付、新型コロナ関連対策費を含めれば、軽く100兆円近くもの経済的損失を受けています。一刻も早い収束を祈るばかりですが、感染者数が増える一方で収束の兆しが見えず、不安を抱えている方も多いでしょう。
2度目の緊急事態宣言の効果と損失
今回、11都府県に対して発出された緊急事態宣言ですが、1回目の緊急事態宣言と比べインパクトはとても薄いです。さらに、制限についても1回目に比べればゆるく限定的で、経済的な損失は1回目ほどではないでしょう。
ただ今後、全国的に緊急事態宣言が発出され、1回目以上のインパクトを与えるために、厳しい制限を設けるのであれば、1回目程度の損失はあるでしょう。
もしも、1回目と同等もしくは1回目以上の厳しい制限を受けてしまったのであれば、新型コロナではなく、経済による死亡者数が増えることでしょう。いかにして、経済と感染予防を両立させるのか。今求められていることはそのことだけではないでしょうか。
まとめ
今回、緊急事態宣言の2回目についてお伝えしました。
1回目の緊急事態宣言は、新型コロナが蔓延しはじめて間もない頃で、国民が“恐怖感”を持っていました。そのため、緊急事態宣言の効果は抜群で、感染拡大に大きく寄与しました。
ところが、新型コロナが発見されてから1年超が経過し、経済との両立を謳ったこともあって“慣れ”が出始めています。そのような中で、2回目の緊急事態宣言を発令していますが、効果は限定的でしょう。
少なくとも「出さないよりはマシ」「医療崩壊を防ぐために発出する」と考えるべきでしょう。緊急事態宣言の有無に限らず、国民それぞれが感染予防策を徹底し、経済との両立を目指していくと良いでしょう。