相続富裕層が資産運用に失敗しないコツとは?

はじめに

皆さんこんにちは。株式会社 ウェルス・パートナー 代表の世古口です。

今回は、「相続富裕層が資産運用に失敗しないコツ」というテーマをお届けしたいと思います。

当社は、富裕層の方の資産運用をお手伝いしているのですが、ご相談いただく方のイメージとして非常に多いのは、お父様かお母様のご相続によって、財産を承継して富裕層になられた、いわゆる「相続富裕層」の方が実は非常に多いです。

高齢社会というのもあると思うのですが、ご相談いただく方に占める割合として、最近だと2割から3割くらいの方が、相続によって富裕層になられた方だと思います。
それくらいの割合で、相続富裕層の方からの相談が増えているという状況です。

このような背景があり、私たちは多くの相続富裕層の方の資産運用をお手伝いしてきましたし、成功・失敗した事例も多くみてきましたので、相続によって富裕層になった方が資産運用に失敗しないコツをわかりやすくお伝えできればと思います。

4つの心得

それでは早速、「相続富裕層が資産運用に失敗しないコツ」を紹介していきたいと思います。ポイントは4つあります。

資産額とリテラシーのギャップを少しでも埋める

1つ目のポイントは、資産額と投資のリテラシーを少しでも埋めることです。これが第1ステップになるかと思います。

通常、資産額と投資のリテラシーは大体比例しているものです。資産額が少ない方はリテラシーもそこまでないですし、資産が増えていくとリテラシーも増えていくものです。

お仕事で得た収入を貯蓄したりとか、会社を経営されている場合は資産が蓄積されていく中で、少しずつ投資をされたりして、資産額とリテラシーは比例していくものだと思います。

しかし、相続富裕層の方は、今まで投資の経験がほとんどない中で急に資産がたくさんできるということになるので、ここのギャップが非常に激しくなります。
つまり、もう手に余る資産を持っていて、ご自身の手には負えないという状況になっていることが非常に多いわけです。

したがって、やはり失敗してしまうケースが多くなるわけです。ご自身が管理できない大きすぎる資産を運用することになるので、なかなかコントロールできなくなるのです。

このため、少しでも資産額とリテラシーの差を埋めるために、今だと資産運用ですね、勉強会であったり、YouTubeもありますし、本を読んだりして少しでもギャップを埋める必要が出てきます。

「ちょっと勉強したくらいでは分からない」と思われるかもしれないですが、何をしないよりは正直はるかにいいわけです。

少し本を読んだり、YouTubeなどで勉強したりして、ここのギャップを少しだけ埋めるだけでも全然違ってきます。

何も勉強せずに知識がないという中で、例えば証券会社から営業を受けたり、不動産会社から営業を受けたりするのは、猛獣がいるジャングルの中に裸でいるようなものです。

そういう中で少しでも本読んだり、動画で勉強したりとか、それだけでも服を着たり剣や盾を持ったりとかいう状況になる可能性もあるので、やはり対抗する術ができてくるわけです。

したがって、この資産額とリテラシーのギャップを少しでも埋めるということを強く意識して過ごされるのがいいのかなと思います。

被相続人ではなく自分にあった資産運用を追求する

2つ目は被相続人、つまりお亡くなりになった方、もともと資産を持っていたお父様やお母様に合った資産運用ではなく、自分に合った資産運用を追求することが大事だと思います。

これはどういうことかというと、相続によって富裕層になった方のうち、多くの方がお亡くなりになった被相続人の方の意思や感情を引き継いで資産運用をしてしまっているというケースが多いのです。

例えば、相続した資産に感情が入っているというケースはかなりあります。

特に、お父様が会社オーナーだった場合、引き継いだ事業会社の株式とか、あとは不動産など、そういうものに非常に強い思い入れがあったり、資産に感情が入っているケースとは、こういうケースのことです。

あとは、親御様の資産運用ポリシーをそのまま引き継いでいるというケースもあります。

「絶対に現預金だけで資産を管理していくべきだ」というような方針だったとしたら、それをそのまま引き継いでいったり、「何かやるとしても保険だけ」だとか、あるいは「不動産以外は資産運用ではない」という考えを持っていたとしたら、そのまま相続人の方、富裕層になった方が、その考えや方針を引き継いで資産運用してしまっているというケースがあります。ただ、それは明確に間違いなのだと思ってます。

なぜかというと、被相続人の方の資産は、その時の状況で、そのような資産運用をしていただけの話なのです。

一方、相続した方は年齢も違いますし、その資産を形成した経緯も違いますし、リスクを受け入れる許容度も違うわけです。

客観的状況が違いますし、考え方や運用方針も全く違うわけです。したがって、被相続人の方の意思や感情も大事かもしれないのですが、そういったものではなく、やはりご自身にとってどういう資産運用が最適かということを考えて、追求していくとことが大事なのだと思います。

やはり、資産というものは、亡くなった方ではなく、生きている方(相続人)のためのものであると思いますので、相続で得た資産ではあるのですが、自分の資産であるという意識を強く持って、最適な運用を追求してくということが大事だと思います。

できるだけシンプルな資産運用を心がける

3つ目は、できるだけシンプルな資産運用を心がけるよう考えた方がよいということです。

相続富裕層の方であっても、できるだけシンプルな資産運用を考えた方がよいと思います。
というのも、一番最初に紹介したように、そもそも資産額とリテラシーのギャップがあると思います。

このため、複雑なことはすごくよく見えるのですが、自分の身の丈を超えた資産運用しているとか、リスクを把握しきれずに複雑な運用をしてしまっているというケースが結構あるわけです。

得てして、そういう複雑な資産というのは売却ができない、つまり流動性がないとか、損失が出てしまった場合に大きなダメージになるという類のものが非常に多いわけです。

したがって、できるだけシンプルで、セオリー通りの資産運用をするというのが非常に大事なのかなと思います。

では、具体的にどう運用したらよいのかというと、よく紹介させていただいてるような、資産配分の中心になるようなコア資産を中心に運用していくというのが一番大事だと考えています。

金融資産でいったら、現預金は当たり前ですが、株式や債券です。金融資産はこういった二大資産とか、あとはプラスアルファで国内不動産です。

株・債券・不動産、この3本柱をコアの資産として、運用するというのが大事になります。

資産全体で考えた場合、7割とか8割とかを、そういうコア資産で運用すれば、よいのだろうと思います。

余裕がある場合、ご自身でコア資産の運用に慣れて、少し余力が出てきた場合は、サテライトの資産として、海外の不動産であったり、あとは太陽光発電みたいなものや金、ヘッジファンドみたいな資産など、いわゆるサテライト資産、周辺の資産に投資していくということは考えられます。

しかし、あくまでも中心は、コア資産の株・債券・不動産のようなシンプルな運用で行っていくのがよいと思います。

間違っても、仕組債のようなものや、仕組みが複雑で、いざというときに売却できないような、中身がよくわからないもの、ご自身でも把握できないようなものには絶対に投資しない方がよいと思います。

偶然ではなく必然でアドバイザーを選ぶ

最後の4つ目が、偶然ではなく、必然でアドバイザーを選ぶということが大事だと思います。

当たり前だと思うかもしれないのですが、意外と皆さん偶然でアドバイザーを選んでしまっていることが多いようです。

偶然とは何かというと、例えば相続が起こって、被相続人(お父様やお母様)の担当をしていた証券会社や不動産会社の営業マンの方が、そのまま相続をして相続富裕層になった方の資産運用をお手伝いしているというケースがあると思うのですが、これは偶然で選んでいるということです。

ご自身にとって合うとか、ご自身の立場に寄り添ってもらっているとか、そういうのは置いておいて、かなり偶然に選んでるということです。

あとは、たまたまその場にいたとか、元々知り合いだった方とかで、選んでいるというケースもありますし、相続が起こって精神的にも肉体的にも結構大変なときに、偶然近づいてきたアドバイザーの方に頼ってしまいがちということは、よくあります。

私が、そういう方の資産運用を見ていて思っているのは、そのアドバイザーがご自身の相続資産の資産運用に最適な人なのかどうかを、ちゃんと判断されてないということが多いのではないかということです。

やはり、相続で資産を自由にできる権利を引き続いてると思うのですが、それとともにしっかり管理していかなくてはいけないという義務も同時に承継しているという思います。

したがって、アドバイザーをたまたま近くにいた人とか、お父様からの流れで引き継いでいるとか、そういう選び方をするのではなく、しっかりとご自身の目でたくさんのアドバイザーの方に会って、自分の資産運用に合った方を選ぶというのが大事であり、惜しんではいけないことなのだと思います。

本日は、「相続富裕層が資産運用に失敗しないコツ」という内容をお届けしました。

今回の内容については「世古口俊介の資産運用アカデミー」でも視聴できます。

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