低格付け債券の基礎知識と投資のポイント

低格付け債券の基礎知識と投資のポイント

米国の金利低下が予想される中、高い利回りを得る手段として注目を集めるのが低格付け債です。低格付け債券は、債券投資家にとって重要な投資対象の一つであり、うまく活用することで、債券ポートフォリオの平均利回りを高めることが可能です。ただし、低格付け債は格付けが低い企業によって発行されるため、そのリスクや収益性を理解し、適切な投資判断を行うことが不可欠です。本記事では、低格付け債券の特性、メリットとリスク、投資戦略について詳しく説明します。

低格付け債券の特性

低格付け債券とは、S&PでBB+以下、Moody’sでBa以下の債券を指します。ハイ・イールド債、ジャンク債とも呼ばれ、投資リスクが高い分、利回りも高いという特徴があります。

低格付け債には次の2つのパターンがあります。

・発行体格付けが低格付けの場合(普通社債)
・発行体格付けが投資適格でも債券格付けで低格付け債となる場合(劣後債・永久劣後債・CoCo債)

続いて、上記パターンについて詳しくみてみましょう。

発行体格付けが低格付けの場合(普通社債)

発行体格付けが低い場合は信用リスクが高いため、債務不履行や倒産が起こることも十分に考えられます。

したがって、低格付け債へ投資するのであれば、社債の中でもっともリスクの低い普通社債へ投資するのがよいでしょう。

発行体格付けが投資適格でも債券格付けで低格付け債となる場合

債券には、次のとおりさまざまな種類があります。債券種類ごとに、発行体格付け・債券格付けをまとめたのが次の表です。

劣後債、永久劣後債、CoCo債は、それぞれ債券種類ごとの特有なリスクが上乗せされているため、発行体格付けが普通社債と同じA-でも、債券格付けは低くなっています。

低格付け債券のメリットとデメリット・リスク

低格付け債のメリット

低格付け債券は高い利回りが特徴です。これにより、ポートフォリオ全体の収益性を向上させることができますが、相応のリスクもあるので投資する際には注意が必要です。

低格付け債のデメリット・リスク

対格付け債は、デフォルト率の高さがデメリットです。

次の表は、Moody’sのデータをもとに1990年〜2020年までの格付けごとのデフォルト率推移をまとめたものです。


参考 : Moody’s

Baa(BBB)の5年間の累積デフォルト率が1.23%なのに対してBa(BB)は5.65%、10年間の累積デフォルト率は、3.09%と12.22%とかなりの高さであることが分かります。

低格付け債券の投資ポイント

リスク管理の重要性

低格付け債は、債券の中でもデフォルトリスクが高いため、リスク管理が特に重要となります。

分散投資

リスクを管理する基本的な方法の一つは、ポートフォリオ全体でリスクを分散させることです。これにより、ある一つの債券が損失を出しても、他の投資による利益でカバーすることが可能になります。特に、低格付け債券はポートフォリオの一部として限定的に組み入れ、目安として全体の25%以内に留めるのが賢明とされます。

格付けの留意点

格付けは債券の信用リスクを評価する重要な指標です。同じ債券でも、格付け会社によっては投資適格と見なされる場合もあれば、他の格付け会社では低格付けとされる場合があります。債券投資にあたって評価主体による格付けの違いに注意し、投資判断を行う必要があります。

投資戦略とデフォルトリスク

低格付け債券をポートフォリオに組み入れる際は、以下の点を考慮する必要があります。

最低投資単位に注意する

低格付け債券の中でも永久劣後債やCoCo債は最低投資金額が20万ドル以上のものが多くあります。。普通社債には2,000ドルから投資できる債券も多いため、永久劣後債やCoCo債は最低投資金額の大きさが大きなデメリットといえるでしょう。
また、永久劣後債やCoCo債は最低投資金額が大きいために、分散投資が難しい点もデメリットとなります。

細かく分散出来ない場合は、普通社債や投資信託、ETFを活用するのもよいでしょう。

投資期間は短く

低格付け債券は信用リスクが高いため、残存年数が長くなると信用リスクを負う期間も長くなります。。また、一般的に残存期間が長いほどデフォルトする確率が高くなります。そのため、低格付け債券に投資する場合は、可能な限り短期間のものを選択することがリスクを低減する有効な手段となります。

まとめ

低格付け債券への投資は相応のリスクを伴いますが、その利回りの高さから魅力的な投資対象といえるでしょう。特に、債券の利回り低下局面においては、うまく活用することでポートフォリオ全体の利回り向上策として有効です。。投資を検討する際には、リスクとリターンのバランスを考慮し、適切な投資戦略を練ることが成功への鍵となります。

なお、ウェルス・パートナーでは多くの富裕層の方々へ、低格付け債を含めた債券投資のアドバイスを行って参りました。

相談は無料となっていますので、債券投資を検討されている方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。

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