目次
はじめに
債券の運用において、分散投資はリスクを抑える上でとても重要な要素です。しかし、具体的にどのような点を考慮して分散させたら良いのか、分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、債券運用における分散投資の重要性と具体的なポイントについて解説していきます。債券投資においてリスクを適切に管理し、安定的な収益を追求するためには、分散投資の理解が欠かせません。
債券投資の基本とは?
債券投資の概要
債券とは、国や企業が一般投資家から資金を借りるために発行する有価証券、つまり借用証書のようなものです。
画像引用元 : https://www.smbcnikko.co.jp/first/bond/kiso01/
投資家は債券を購入することで発行体から定期的に利息を受け取り、償還(満期)時に元本の返済を受け取ることができます。債券は利回りが安定しており、主に安定的な収入を求める投資家に人気のある投資商品です。
また、債券によっては償還時にキャピタルゲインを得られる場合もあります。
債券投資の特徴とリスク管理
債券の特徴は、安定したインカムゲインが得られることです。ただし、償還前に手放す場合は時価での売却となるため、元本割れする可能性もあります。
また、債券には発行体の信用リスクや金利変動リスクなどがあります。
発行体の信用リスクとは、債券発行体の財務状況によって利息や償還金の一部が支払い不能(デフォルト)になるリスクです。
一方、金利変動リスクとは、市場金利の状況によって債券価格が変動するリスクのことです。
債券投資にあたっては、これらのリスクを適切に管理することが重要であり、リスク管理の手法としてもっとも効果的なのが分散投資といわれています。
分散投資の重要性
分散投資の目的
分散投資とは、投資資金を異なる資産に分散させることでリスクを分散し、安定的な収益を追求する投資手法です。債券投資においても、分散投資はリスク管理のために重要な要素です。
分散投資には、資産を分散させるだけでなく、さまざまな手法があるので、後ほど詳しく紹介しましょう。
分散投資のメリット
分散投資のメリットは、一つの資産や銘柄に依存せずに投資を行うことで、リスクを均等に分散させることができる点です。利回りの高い債券に投資することで高い収益を期待できますが、利回りの高い債券はリスクも高まる傾向があります。債券投資を行う場合でも、さまざまな銘柄に分散投資を行うことで、リスクを抑えながら安定した収益を追求することができます。
債券の分散投資の具体的なポイント
債券の種類を分散させる
債券は国債、地方債、社債など様々な種類があります。異なる種類の債券に分散投資を行うことで、一つの債券に依存するリスクを避けることができます。
特に、利回りの高さで人気の社債は、業種を分散させることが大切です。社債といえば銀行など金融機関発行の債券が多いですが、米国地銀の破綻などもあり、やはり分散投資は必須といえるでしょう。
可能であれば同じ業種ではなく、さまざまな業種の社債に分散投資することをおすすめします。
投資対象の債券の地域を分散させる
国内だけでなく、海外の債券にも投資することで地域リスクを分散することができます。ただし、海外債券には為替リスクもあるため、注意が必要です。
為替リスクを避けるためには、複数の国や地域の債券に投資を行い、通貨を分散させることが大切です。
債券の発行体を分散させる
債券投資において最も大きなリスクは、発行体の破綻によって元本が毀損することです。
異なる発行体からの債券に投資することで、発行体の信用リスクを分散させることができます。
例えば、1億円を債券に投資した場合を考えてみましょう。
・5千万円を2銘柄に投資
・千万円を10銘柄に投資
同じ投資先の1つが破綻した場合、1は元本が50%毀損しますが、2は10%の毀損に留めることが可能です。
しかし、投資銘柄を分散しすぎると管理の手間が増えるため、むやみに銘柄数を増やせばよいわけではありません。
債券格付け BBB-以上を中心に分散で信用リスク管理する
債券ポートフォリオの平均格付けはBBB-以上が理想です。ただし、投資先を分散させることで、平均格付けBBB-以上を維持しながら、低格付け債を一部組み入れ、リスクを管理しながら利回りの向上を図ることも可能です。
低格付け債をポートフォリオに組み入れる場合は、銘柄を吟味するとともに、しっかりと銘柄を分散させ、リスク管理を行うことが重要です。
債券の残存を分散させ金利変動リスクをヘッジする
米国債券の金利が高い現在は、債券投資には絶好のタイミングといえそうです。
しかし、投資した債券が償還を迎える頃に、金利状況がどうなっているかは分かりません。
例えば、金利が低い状況の時に償還を迎えた場合は、現在のような高金利の債券へ再投資できないことも考えられます。
このようなリスクを避けるためには、債券の残存期間を分散させ、償還のタイミングをずらすことが有効です。
こうすることで、償還を迎えるのは一部の債券だけとなり、ポートフォリオ全体の平均利回りを高いまま維持することが可能となります。
債券運用における分散投資の効果と実践方法
分散投資の効果とリターンの安定性
分散投資を行うことで、リスクを分散させ、投資ポートフォリオ全体のリターンを安定させることができます。市場金利の変動によるリスクを軽減し、安定的な収益を追求することが可能です。ただし、分散投資により全てのリスクを回避することはできませんので、注意が必要です。
債券投資における分散投資の実践方法
具体的には、先ほど述べた債券の種類、地域、発行体、残存期間を考慮しながら、投資対象の債券を選定し、分散投資を行うことが重要です。投資家のリスク許容度や収益目標に応じて、バランスの取れたポートフォリオを組み立てることがポイントです。
また、債券ポートフォリオの平均格付けはBBB-以上を維持することも大切です。
分散投資の注意点と成功のポイント
分散投資を行う際には、投資家自身のリスク許容度や目標に合わせて適切なポートフォリオを構築することが重要です。また、投資先の情報収集や市場の状況を的確に分析することも成功のポイントです。
債券投資においては、分散投資を行うことでリスク管理を行い、安定的な収益を追求することが重要です。債券の種類、地域、発行体、残存期間などを考慮しながら、自身に合った分散投資のポートフォリオを構築しましょう。
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