目次
はじめに
外国債券投資は、高い金利と為替差益を狙えることから、投資家にとって魅力的な運用手段となっています。しかし、外国債券には特有のリスクも存在するため、リターンとリスクのバランスを十分に理解することが重要です。本記事では、IFA(資産運用アドバイザー)による解説を通じて、外国債券投資の基礎知識とポイントについて詳しく紹介します。外国債券の定義やメリット、主なリスクに加えて、投資を始めるための手順についても解説します。外国債券投資を検討している方や初心者の方にとって、参考になれば幸いです。
外国債券投資の定義と基本的な仕組み
外国債券投資とは、発行体、発行市場、通貨のいずれかが外国の債券に投資することを指します。これにより、投資家は外国債券の利回りや為替差益を得ることができます。外国債券には、国債、企業債、地方債など様々な種類があります。取引方法としては、外国債券へ直接投資するだけでなく、ETF(上場投資信託)を通じて間接的に投資する方法もあります。
外国債券投資のポイントと注意点
外国債券投資には為替変動リスクや金利リスクなどのリスクがあります。このため、リスクとリターンのバランスを考慮しながら投資を行う必要があります。ここでは、外国債券投資におけるリスクとリターン、外国債券の選び方や評価基準についてポイントを解説します。
外国債券投資のリスクとリターンのバランス
外国債券投資は、比較的低リスク・低リターンの運用方法といえます。
債券の銘柄や投資対象国によっては、高いリターンを狙うことも可能ですが、デフォルトリスクが増大するため注意する必要があります。
為替リスクと金利リスク
外国債券投資には、大きく分けて為替リスクと金利リスクがあります。
為替リスクとは、為替相場の変動によるリスクのことです。為替相場で円高が進むと資産価値が低下、円安が進むと資産価値が上昇します。
金利リスクとは、金利の変化によって債券の価格が変動するリスクのことです。金利が上昇すると債券の価格は下がり、金利が下落すると債券の価格が上がります。
このため、外国債券投資にあたっては、為替相場と金利について動向をみながら、必要に応じてアドバイザーのアドバイスを受けるとよいでしょう。
外国債券選びのポイントと評価基準
外国債券を選ぶ際のポイントと評価基準は次の通りです。
収益性
発行体の信用力
運用期間
外国債券の収益性は、金利と為替によるトータルリターンで決まります。このため投資銘柄を選ぶにあたっては、金利に加えて長期的な為替の見通しを考慮する必要があります。
また、債券は発行体の信用力も重要な評価基準となります。デフォルトリスクを避けるため、格付け機関による信用格付などを参考にして投資銘柄を選ぶ必要があります。
加えて運用期間も外国債券選びの重要なポイントです。債券は満期まで保有すれば原則的に額面額で償還されますが、中途で手放す場合は時価での売却となるため、元本割れの可能性があります。このため、満期まで保有することを前提に銘柄を選ぶ必要があります。
投資を始めるための手続きと戦略
外国債券投資を始めるためには、口座開設手続きが必要です。また、投資金額やリスク許容度を考えることも重要です。ポートフォリオのバランスや運用戦略についても解説します。
外国債券投資のための口座開設手続き
外国債券投資を始めるには、まず証券会社で証券総合口座を開設します。ほとんどの証券会社では、証券総合口座の開設と同時に外国証券取引口座も開設され、入金後すぐに外国債券投資が可能となります。
口座開設自体は決して難しくないですが、購入方法や取扱銘柄は証券会社によって異なるため、不安であればIFAに相談するのがよいでしょう。
投資金額とリスク許容度の考え方
投資金額は、ポートフォリオに外国債券をどの程度組み入れるか、外国債券からどれくらいのリターンを得たいかによって変わってきます。
このため、投資金額を決めるにあたっては、まずポートフォリオを見直す必要があります。
外国債券はリスクを抑えつつ、インカムゲイン中心の安定した運用を好む方に適した運用手段といえるでしょう。
ポートフォリオのバランスと運用戦略
資産運用では、金融商品の組み合わせと資産配分を最適化して、バランスのとれたポートフォリオを構築することが重要です。
ただし、リスクとリターンの考え方は人により異なるほか、今後のライフイベントもポートフォリオ構築に大きく関係してきます。
このため、ベストなポートフォリオを構築するためには、アドバイザーと共に運用戦略を考えていくことが大切です。
外国債券投資の将来展望とアドバイス
外国債券市場の動向や予測について解説します。
外国債券市場の動向と予測
本稿執筆段階(2023年8月3日)における外国債券市場の動向と予測を、米国と欧州に分けて解説します。
米国では、6月のFOMC(米国連邦公開市場委員会)において年内2回の利上げ見通しが示されたことにより、金利が上昇傾向にあります。また、大手格付け機関フィッチ・レーティングスが米国債の格付を引き下げたことから、長期債利回りが上昇しています。債券市場において米国債格下げの影響は限定的と考えられますが、しばらくの間は動向を注視していく必要があります。
また、欧州においても、長引くインフレへの対策としてECB(欧州中央銀行)による追加利上げの可能性が高まっており、引き続き金利動向には注目して行く必要があります。
最後に
外国債券投資は、リスクとリターンのバランスを理解した上で行うことが重要です。IFAによる解説を通じて、外国債券投資の基礎知識やポイントを学び、自身の投資戦略に活かしてみてください。
外国債券投資は、魅力的な投資手段の一つであり、十分な情報と知識を持って取り組むことで、良いパフォーマンスを得ることができるでしょう。投資家として自己成長を目指す方にとって、外国債券投資は魅力的な選択肢となることでしょう。
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