2019
08/27

はじめに

債券はあらかじめ条件が決められているため、安定した収益が見込める金融商品です。資産運用を行うポートフォリオに債券を取り込むと、バランスの取れた安定した運用が可能になります。そこで、今回は債券の仕組みと魅力を分かりやすく解説いたします。

債券の仕組みと特徴

(1)債券とは

債券とは簡単に言うと、国や地方自治体、民間企業等が資金を集めるために発行     
する借用証書のようなもので、お金を借りる側が貸し手に対して発行するのが「債券」です。

(2)仕組み

最初に、投資家は債券の購入を通じてお金を国や地方自治体、民間企業等(発行 
体)に貸します。

その間は利子を受け取ることができ、満期が来ると額面金額(相場の変動により債券の価格は変動しますが、最初に設定した債券の価格)が戻ってくるという金融商品です。また、途中で売却もできます。

(3)特徴

ア 債券の価格と金利の関係
債券の価格は、市場金利との関連で日々変動しています。その価格変動により、債券の投資収益(利回り)も変化します。
債券の特徴として、金利が上昇しているときは債券の価格は下がり、逆に金利が低下しているときは債券の価格は上がります。

イ 利率と利回りについて
「利率」と「利回り」については、使い分けがされているので、ご紹介します。

(ア)利率(年利)
額面金額に対し毎年受け取る利子の割合のことです。表面利率ともいいます。
債券の利率は、発行するときの金利水準や発行体の信用度に応じて決まります。発行体の信用度が低いと債券の価格は低くなりますが金利は高くなります。

(イ)利回り(年利回り)
投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことで、売買益     
なども考慮したものです。

(ウ)利率と利回りの違い
例えば、投資金額を100万円、債券の利率を4%とした場合、4年後に104万円で売却できた場合は、4年間の利子16万円 (100万円×4%×4年)、さらに、売却益4万円 (104万円-100万円)なので、4年間の収益は20万円 (1年あたり5万円)となり、年利回り5%となり、債券の利率より大きくなります。

一方、同じ債券を4年後に96万円で売却した場合はでは、4年間の利子は16万円 (100万円×4%×4年)で変わりませんが、4万円 (96万円-100万円)の売却損が出てしまい、4年間の収益は12万円 (1年あたり3万円)で、年利回り3%と債券の利率より低くなります。

ウ 新発債と既発債
発行体から新規に発行される債券を「新発債」といい、募集期間が決められており、その間に応募して購入することになります。一方、「既発債」は既に発行されて市場に出回っている債券をいいます。

「新発債」は、額面金額での募集となりますが、「既発債」は市場のバランスで価格が決められて売買されます。
                           

債券の魅力と注意事項

(1)債券の魅力 

 
債券の魅力としては、一般的に他の金融商品に比べて安全性が高く、定期的に利子収入あることです。さらに、相場の変動により債券の価格が上昇した際に売却すれば、利益が得られますし、満期には額面金額が戻ってくるなど多くの魅力があります。

ア 定期的に利子が受け取れる 
債券は保有している間、決まった時期に決まった利子を受け取ることができ、定期的な収入を得ることができます。

イ 満期時に額面金額が戻ってくる
債券は、途中で債券の価格が変動しても、満期(償還日)を迎えると額面金額で償還することが約束されており、一般に債券の新規発行時に購入した場合は、購入金額が戻ってきます。

ウ 途中で売却することができる
債券は、中途売却ができるので、価格が上昇した際は売却することで、利益を得ることができます。

(2)債券の取引での注意事項

債券は比較的安定性の高い金融商品ですが、いくつかのリスクがありますので、ご紹介します。

その一つが信用リスクで、債券を発行した国や地方自治体、民間企業等が、経済破綻や経営破綻したりするなどして信用状況が悪化した場合には、利子が支払われなかったり、償還されなかったり、換金できなくなることがあるので注意が必要です。

2つ目は価格変動リスクで、債券の価格が値下がりした際に、売却すると損失を被る可能性があります。3つ目は為替リスクで、外国債券を購入した場合には、為替レートの変動による損失を被ることがあります。                                 
 

まとめ

債券は安定した収益が見込める金融商品で、ポートフォリオに債券を取り込むと、バランスの取れた安定した運用が可能になります。

債券は一般に他の金融商品に比べて安全性が高く、定期的に利子収入もあり、また、相場の変動による利益が得られる場合もあるなど、魅力のある金融商品です。

しかし、債券の仕組みなどは、初めての方には少し難しい部分もあります。また、債券の運用にあたっては信用情報が重要なポイントとなります。

ポートフォリオに外国債券や劣後債など利回りの高い債券を組み込むことで、リターンを追求した運用も可能となりますが、初めて運用される方には、為替リスクや仕組みなどで難しい面もあります。そのような時には信頼できる投資のプロのアドバイスをもらうと良いでしょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者20万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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