目次
はじめに
外国債券の購入後、為替変動リスクや利子受け取りに関する手続きについて不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、外国債券の仕組みや特徴といった基本的な知識から外国債券購入後にすべきことまで、富裕層の資産運用の専門家であるIFAが解説します。
この記事を最後まで読むことで、外国債券の保有期間中に必要な知識を得ることができ、不安を解消して投資を続けられるようになるでしょう。
外国債券とは?仕組みや特徴など基本知識
外国債券とは、「異なる国(外国)で発行される債券」のことです。
海外の債券である外国債券に対し、日本の会社や国などが発行する債券を国内債と言います。
外国債券は資産運用で投資できる金融商品のひとつです。
外国債券の購入後にすべきことを理解するためにも、まずは基本である外国債券の仕組みや特徴について簡単に説明します。
外国債券の仕組み
外国債券は発行国の政府や企業、金融機関によって発行されます。主な発行の目的は資金調達です。
外国債券の仕組みは極めてシンプルです。
資金調達などの目的で会社や企業などは債券を発行し、その外国債券を投資家が購入する(投資する)という仕組みです。外国債券や国内債券に投資した投資家は投資した金額(債券に貸し付けた金額)に応じて、あらかじめ定められた利金を受け取れます。
加えて外国債券や日本債券は市場で売却することも可能です。
- 購入というかたちで外国債券に投資する
- 外国債券の購入後に利金を受け取る
- 償還日に投資分を返済してもらう
以上が基本的な外国債券の仕組みになっています。
外国債券の特徴
外国債券には4つの特徴があります。
- 債券は安全性が比較的高い
- 国内債券より利率が比較的高い
- 外貨建ての外国債券は為替差益を受け取れる可能性がある
- 信用リスクやカントリーリスク、為替変動リスクがある
外国債券や国内債券などの債券は、償還日になると投資したお金が返還されます。そのため、比較的安全性の高い金融商品です。
債券は国や企業など、発行先によって利率が異なります。基本的には日本の債券よりアメリカなど外国債券の方が高利率という特徴があります。たとえばアメリカやニュージーランド、オーストラリアなどは、債券利率が4%以上に設定されていることも少なくありません。
外貨建ての外国債券の場合、購入した時点よりも円安になれば為替相場により為替差益を受け取れる点も特徴です。
ただ、外国債券の場合、注意すべき特徴もあります。
投資家が外国債券の購入後に注意すべきは、次のようなリスクです。
- 信用リスク / 外国債券の購入後に金利や元金が支払われないリスクがある
- カントリーリスク / 内政が不安定など、海外の国それぞれのリスクがある
- 為替変動リスク / 為替の変動で利益を得る場合もあれば、損失を被るリスクもある
- 流動性リスク / 海外債券によっては市場での売却が難しい可能性がある
- 価格変動リスク / 外国債券購入後に途中換金した場合、市場の価格変動によって当初の投資額を下回るリスクがある
外国債券購入の流れと利金や償還金の受け取り
外国債券購入の流れと、手続き後の利金や償還金の受け取りについて説明します。
外国債券購入の流れ
外国債券を購入する際は、まずは証券会社の口座を開設します。
それから投資したい外国債券を選び、発注します。
外国債券の購入後は利金を受け取るという流れです。償還日になったら投資したお金が返還されるという流れになっています。
なお、証券会社の口座を持っていない投資家が外国債券に投資する場合にどのくらい時間がかかるかが問題です。
証券口座開設から外国債券への投資までにかかる最短の時間については、ウェルス・パートナーの代表が解説動画を公開しています。ぜひ参考にしていただければと思います。
外国債券の利金と償還金の受け取り方法
外国債券を購入した後に受け取る利金の受取方法は、主に振込によって行われます。
金融機関への振込の場合、指定した口座に直接入金されるため、利便性が高く人気があります。
外国債券の償還金の受け取りスケジュール
償還金の受取スケジュールについては、通常、発行体があらかじめ定めた期限に基づいて行われます。
通常、償還金は債券の満期日に支払われ投資家は資金計画を立てやすくなります。
外国債券購入時に提供される償還スケジュールを確認し、受け取りのタイミングを把握しておくことが重要です。償還金の受取予定日は証券会社や金融機関の提供するオンラインサービスや、定期的に送付される取引残高報告書で確認することができます。
外国債券の利金の入金タイミング
外国債券を購入した場合、利金の支払い頻度は多様で、年1回や半年ごと、四半期ごとなどがあります。この頻度は、各国や発行体によって異なるため、購入時にしっかりと確認することが重要です。
また、利金入金時に留意すべき点として、為替変動リスクがあります。
外国債券はその名の通り外国で発行されたものであり、利金の入金はその国の通貨で行われることが一般的です。これにより、購入後の為替相場の変動によって受け取る金額が変わることがあるため、為替変動リスクの影響を考慮することが求められます。
外国債券購入後にすべきこととは?
外国債券の購入後には基本的に「償還日を待つこと」「利金を受け取ること」がすべきことです。ただ、この他にもいくつか外国債券購入後にしておきたいことがありますので、順番に説明します。
- 外国債券の発行体のニュースをチェックする
- 外国債券購入後は決算のチェックも必要
- 外国債券購入後に受け取る利金の使い道を考える
- 外国債券の購入後は定期的にポートフォリオの見直しをする
- 外国債券購入後のサポート先や問い合わせ先も確認しておく
- 外国債券の購入後は税金や手数料に関する知識を深める
外国債券の発行体のニュースをチェックする
外国債券の購入後に怖いのは、発行体の破綻です。
発行体が破綻すると償還金や利金が支払われません。投資したときはリスクの低い発行先でも、時間の経過や市場の変化と共に発行体の状況が変化すればリスクが高くなってしまう可能性があります。
外国債券の購入後は、発行体に関するニュースを定期的にチェックしておくべきです。
外国債券購入後は決算のチェックも必要
外国債券の購入後は発行先に関するニュースだけでなく、決算もチェックしておくことをおすすめします。決算をチェックすれば、その外国債券の発行体の状況が分かるからです。
決算の内容がどんどん悪くなっている。格付けが知らないうちに下がっている。このようなケースもありますので、外国債券の発行体の決算などもチェックしておくべきです。
外国債券購入後に受け取る利金の使い道を考える
外国債券に投資していると、定期的に利金が入ります。
ただ、「利金をどうするか」考えておかないと、利金を放置しているに等しいためもったいないです。利金を再投資する。生活費にする。このように、外国債券の購入後には利金の使い道を考えておくべきです。
お金(利金)を無駄にしないこと、放置しないことが大切です。
外国債券購入後は発行先の国の情報もチェックする
投資先の国の経済状況や政治リスクにも注意が必要です。
経済が不安定であったり、政治的な混乱が続いていたりする国では、債券のリスクが高まります。これらの要因が債券価格や利回りに与える影響を理解し、状況に応じて投資の見直しを行うことが重要です。
外国債券の購入後は定期的にポートフォリオの見直しをする
外国債券の購入後にも定期的にポートフォリオの見直しをすることが重要です。
富裕層の方や経営者の方、投資家の方は、投資後に生活環境や収入状況が変化することも珍しくありません。生活や収入が変わると、当然ながらリスク許容度や向くポートフォリオの構成、資産運用の方針なども変わってきますので、定期的にIFAに相談し、資産配分やポートフォリオを現状に合わせて見直すことが大切になります。
外国債券購入後のサポート先や問い合わせ先も確認しておく
外国債券を購入した後のサポート体制は富裕層の方や資産家の方にとって重要な要素です。IFAに迅速にサポートしてもらえる体制を整えておくと、投資後の疑問や問題に迅速に対応できます。サポート体制を確認しておくことで、購入後に安心でき、投資を円滑に進めることができます。
外国債券の購入後は税金に関する知識を深める
外国債券の利金や売却益には税金がかかります。「どのような税金がかかるのか」「税率は」といった知識を深めることで、今後の投資に知識を役立てることが可能です。
各国の税制の違いは外国債券の税金に大きく影響します。
ある国では利金に対して高い税率が設定されている一方で、別の国では優遇税制が適用される場合があります。したがって、外国債券の購入後には、対象国の税制についても十分な調査が必要です。今後投資する可能性のある国の税制についても、可能な限り調べておくことをおすすめします。
また、日本での税務申告が適切に行えるようにしておくことも重要です。
外国債券購入後の注意点とは?
外国債券購入後に注意したいポイントは次の通りです。
外国債券取引のルールに注意する
外国債券を取引する際には、まず法的規制やコンプライアンスに注意を払う必要があります。
国によっては特定の法規制が課され、これを無視すると罰則の対象になることもあります。外国債券など、海外の国ごとの取引ルールや法的規制などに注意が必要です。
外国債券の取引時間と手続きにも注意する
外国債券の取引時間は市場ごとに異なり、主要な外国市場、例えばニューヨークやロンドンの市場ではそれぞれ異なるタイムゾーンで取引が行われているため、注意が必要です。
ニューヨーク市場は日本時間の夜間に取引が活発化し、ロンドン市場は日本の夕方から夜間にかけてオープンします。このため、日本国内の取引とのタイミングの違いを理解し、それに応じたスケジュール管理が重要となります。
IFAに取引時間やスケジュールについても相談しておくことが注意点です。
外国債券の手数料についても注意する
外国債券取引に伴う手数料についての理解も不可欠です。
外国債券の場合、その国特有のルールが適用されるため、予期しない負担が生じる可能性があります。投資前に取引条件をよく確認し、総コストを把握することが大切です。
外国債券の信用リスクに注意する
外国債券購入後は信用リスクについても慎重な確認が求められます。
債券発行体の格付けを調査し、債務不履行のリスクを評価することで、より安全な投資を実現できます。信頼性の高い情報源からの格付け情報を利用し、複数の視点から判断することが推奨されます。
これらの注意点を押さえることで、外国債券取引による不測の損失を防ぎやすくなるのです。
外国債券の購入後の為替変動リスクにも要注意
外国債券の購入後には為替変動リスクがあります。
為替レートの変動により投資価値が大きく影響を受けるため、保有する通貨の動向を適切に管理する必要があります。円高や円安の予測を基に、ヘッジ手法を検討したり、通貨分散を行ったりすることで、リスクを軽減することが可能です。
投資先の国の為替相場にも注意を払い、定期的にIFAのアドバイスを受けておくことをおすすめします。
外国債券の購入後には流動性リスクにも注意する
外国債券の購入後には、流動性リスクを考慮することも欠かせません。
市場の流動性が低いと売却したい時に必ずしも希望の価格で売却できるとは限りません。市場状況を常に把握し、適切な市場タイミングで売却を行うことがリスク管理の一環として有効です。このように多角的な視点からリスクを理解・管理することで、外国債券投資の成功率を高めることができるでしょう。
リスク管理のためにも、IFAとこまめに連絡を取っておくことが重要です。
異なる地域や性質の国の外国債券に分散投資する
分散投資の概念も重要です。異なる地域や通貨で発行された債券を組み合わせることで、特定の経済や市場の影響を軽減できます。この戦略により、たとえばある国の経済が不調になっても、他の国の債券が支えることでポートフォリオ全体の安定性を保てます。
また、外国債券を組み込む際のリスク分散戦略としては、複数の通貨による投資が挙げられます。複数の通貨建ての債券を保有することで、為替変動による影響を抑えることができます。
外国債券購入後に知っておきたいすべきことは?|まとめ
外国債券購入後は償還日を待つことや、利金の入金を待つことが基本です。ただ、それ以外にも、発行体の情報収集や為替相場のチェックなど、やるべきことは多々あります。
外国債券の中には償還日までの期間が長いものも多いので、定期的に国自体の情報を集めることや、IFAへの相談などを行うことも重要だと言えます。
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よくある質問(FAQ)
Q.外国債券の利金はどれくらいの頻度で入金されますか?
→ 年1回や半年ごとなど、発行体により異なりますので購入時に確認しましょう。
Q.償還金を受け取る方法は?
→ 通常は証券口座に自動的に振り込まれます。こちらもスケジュール確認が重要です。

株式会社ウェルス・パートナー
ポートフォリオマネージャー
成蹊大学法学部卒業後、三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ入社。富裕層と会社経営者を中心とした資産運用のコンサルティング業務に従事。 証券会社では金融資産に対しての提案しかできないことに違和感を感じ、金融資産だけでなく実物資産や相続対策を含めた資産全体の最適化提案がしたいと思い株式会社ウェルスパートナーに入社。富裕層、会社経営者の資産配分最適化。 具体的な金融資産の投資実行サポート。 資産管理会社設立から相続対策など税務最適化。 超富裕層のインターネット企業創業メンバーに特化した新規顧客開拓。