2026
07/29
不動産 不動産投資 富裕層 融資 投資事例

目次

はじめに

皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回のテーマは、「【2026年最新】富裕層が実践する不動産投資戦略」です。

前編では、2026年の不動産市況と、富裕層が重視する物件選定の考え方について解説しました。
後編ではその続きとして、不動産投資の成果を大きく左右する「融資戦略」と「保有後の管理戦略」に焦点を当てていきます。

前編はこちらから

不動産融資戦略

世古口「ここからは融資戦略についてお話しします。」

日本の政策金利の推移

世古口「具体的な融資戦略をお伝えする前に、大元となる日本の『政策金利』の動きを確認しておきましょう。」

世古口「長らくゼロ金利やマイナス金利が続いていましたが、2024年からの約2年間で政策金利は約1%まで上昇しました。直近では2026年6月にも0.25%の利上げが行われたばかりです。大元の金利が上がっているため、不動産融資の借入金利も上昇傾向にあるのは間違いありません。

今後の見通しとしても、あと2回ほど利上げが実施され、ここ2年ほどの間で政策金利は1.5%程度まで引き上げられる可能性があると見ています。」

金融機関の融資条件比較

世古口「これを踏まえ、富裕層が利用する金融機関ごとの最新融資条件や特徴を見ていきましょう。」

中武「金融機関は、都市銀行・地方銀行・信用金庫・ノンバンクと大きく4つに分類されます。」

都市銀行

中武「まず1つ目の『都市銀行』は、借入比率が50%~70%程度と一番厳しくなります。しかし借入金利に関しては、6月の政策金利上昇を受けたうえでも1.0%~1.5%の間に収まるため、最も安く抑えられるでしょう。借入期間は30年がメインですが、一部物件によっては35年も対応可能です。審査のポイントは年収ではなく『資産背景』の強さであり、資産規模によって融資額が決まるという印象です。」

地方銀行

中武「2つ目の『地方銀行』は、借入比率が60%~90%と、都市銀行に比べてかなり大きくなっています。最大で物件価格の9割まで融資を受けることが可能です。金利は都市銀行より0.5%ほど高く、1.5%~2.0%の水準です。期間は多くの地銀が35年で設定しています。審査のポイントは、資産背景重視、あるいは年収重視と、その銀行によって異なるため、当社ではお客様の状況に合わせてアドバイスしています。」

世古口「借入比率や借入金利は、1年前からアップデートされているかと思いますが、金利に関しては政策金利の上昇分が反映された形でしょうか。」

中武「はい。1年で0.5ポイントずつ上昇しているので、そのまま推移したイメージです。」

世古口「都市銀行の金利が1年前からほぼ据え置かれているのに対し、地銀は利上げの影響が出ているように見えます。これはどう捉えればよいですか。」

中武「都市銀行は昨今最高益を更新しているニュースからも分かる通り、収益力が高く、政策金利の上昇コストを銀行側である程度吸収しているケースが多く見られます。例えば0.5%上がったとしても、顧客への提示は0.2〜0.3%の上昇に留めるといった調整です。」

世古口「なるほど。一方、地方銀行はそこまでの収益力がなく、利上げの影響がそのまま借入金利に出やすい傾向にあるということでしょうか。地方銀行の借入比率は、1年ほど前は60%~80%でしたが、直近では最大90%まで向上させています。この点はどう考えればよいですか。」

中武「富裕層向け部門に注力する地銀が増えています。元々、不動産融資は住宅ローンがメインでしたが、投資用不動産に関しては、富裕層が投資するケースが多くなっています。一般のサラリーマンでも一定程度の年収があれば投資自体は可能でしたが、現状ではそちらを絞り、富裕層向けに広げようとする動きがこの1年で見られます。金利は少し高くても、借入比率を高くするという有利な融資戦略を組める銀行が登場しています。」

世古口「なるほど。『金利の都銀、借入比率の地銀』という棲み分けが明確になってきているのでしょうか。」

中武「はい、その実感はあります。」

信用金庫

中武「3つ目の『信用金庫』は、借入比率が60%~80%程度、借入金利1.0%~2.0%程度、期間35年という条件です。審査において資産背景や年収はもちろん大事ですが、それよりも重視されるのは『取引実績』、つまり『お付き合いの長さ』です。いわゆる『一見さん』は基本的にお断りされることが多いです。ご自身で事業をされていて地元の信金と長く付き合いがある場合などは、都市銀行以上の好条件を引き出せるケースがあります。」

ノンバンク

中武「4つ目が『ノンバンク』です。借入比率は70%~90%と、かなり有利に組むことができます。しかし借入金利は金利上昇の影響をもろに受けて、2.0%~3.0%程度と高くなっています。借入期間は35年が目安で、審査の基準は資産背景よりもその方の『年収や勤め先の与信』を重視します。そのため、一般的な高年収の会社員・サラリーマンの方にとっては、ノンバンクが一番の選択肢になってくるのではないでしょうか。」

世古口「金融機関によってかなり特徴が異なりますね。自身の資産状況や収入状況、あるいは希望する条件が借入比率なのか金利なのか期間なのかキャッシュフローなのかによって、メインに検討すべき銀行は変わってきますね。」

不動産融資戦略まとめ

世古口「不動産融資戦略のポイントを4つにまとめます。」

ポイント1)金融機関の不動産融資姿勢は全体的に積極的

中武「全体として金融機関の不動産融資への姿勢は積極的であると考えます。金利が上がった分、銀行も収益性が上がっています。」

ポイント2)借入金利は上昇するもゼロ金利時代から+0.5%程度

中武「政策金利は上昇しているものの、ゼロ金利時代からは+0.5%程度に収まっており、米国ほど大幅に上昇しているわけではありません。銀行がコストを吸収している側面もあるので、特に都市銀行などではまだ1%前半での融資が可能です。」

世古口「政策金利が2024年から1.0%ほど上昇していますが、全体平均では+0.5%程度、都市銀行などではコストを吸収することにより、+0.2~0.3%程度というイメージですね。」

ポイント3)一部の地方銀行の借入比率が上昇傾向

中武「そして一部の地方銀行で、富裕層向け部門を新設するところもあり、借入比率を上昇させる融資戦略を組むことも可能となるでしょう。」

世古口「いい流れですね。インフレ局面で、お客様からの引き合いもあるのでしょう。」

ポイント4)より有利な金融機関を選ぶ融資戦略が重要な時代

中武「お客様の考え方、資産背景、年収、年齢などを総合的に判断し、より有利な条件を引き出すための融資戦略が極めて重要な時代になっています。全ての金融機関にあたることは難しいので、我々のような専門家にお問合せいただければ、適切にアドバイスいたします。」

購入後の物件管理戦略

世古口「物件を購入した後の管理戦略についてです。空室対策や家賃交渉、修繕といった物件管理のポイントを解説します。」

ポイント1)都内の賃貸需要は高く、空室リスクは低い傾向

中武「都内の物件に関しては、賃貸需要が高く、空室になるリスクは低い傾向にあると感じています。管理会社にリサーチすると、適切な管理を行っていれば入居率は97%~98%を維持できる傾向にあります。そのため、最初の立地戦略が何より重要となります。」

世古口「都内の賃貸物件は増えている傾向にあるようですが、それ以上に流入が多いのか、お客様の物件を見ていても空室の話はあまり聞かないですね。」

中武「都内に関しては、自然増というよりは社会増が多いと見ています。現状で2050年頃までは人口増が続くと国もデータを出しています。」

世古口「特に単身者が増えているため、単身者向け物件の空室リスクは低いという印象があります。」

中武「そうですね。適切に修繕や管理を行えば、かなり空室リスクを減らすことは可能となるでしょう。」

ポイント2)賃借人入替・契約更新時は家賃値上げを検討

中武「これまでは管理会社から『家賃を少し下げて募集しましょう』という提案が一般的でしたが、今は逆で『家賃を上げましょう』という提案が多くなっている印象です。入居者が入れ替わるタイミングはもちろん、2年に1回の契約更新時も交渉のチャンスといえます。数千円単位の値上げを検討することや、主導的に値上げへ動いてくれる管理会社を選ぶというのも選択肢の一つとなるでしょう。」

世古口「例えば、4〜5年ずっと同じ家賃で一度も値上げをしていないケースでは、次の更新時に何%の値上げ交渉が可能でしょうか。また入れ替えの場合、何%くらい値上げして募集できるものでしょうか。」

中武「立地の良い都内の資産性重視型やバランス型の物件の入れ替えであれば、前の家賃から5%~10%アップを打診するケースが多いのではないでしょうか。」

世古口「なるほど。更新時はドラスティックに上げられないケースが多いようですね。」

中武「そうですね。ファミリー向けは一度入ると10年、20年と長く住まれる方が多いですが、単身向けは3〜4年で退去が発生しやすいため、インフレ局面においては、かえって単身向けの方が『インフレに家賃を連動させやすい』というメリットがあります。」

世古口「インフレ下で家賃が上がっているタイミングでは、確かに単身者向けがいいかもしれないですね。」

ポイント3)修繕費用上昇傾向、株式等での修繕費積立も有効な手段

世古口「原油・ナフサの価格高騰などを背景に、修繕コストも上昇傾向にあります。家賃収入から諸経費やローン返済を引いた残りのキャッシュは、ただ預金として置いておくのではなく、その一部をインフレに強い株式などの資産で積み立てて運用することを検討するとよいでしょう。

修繕積立金は預金にしておくのが一般的ですが、株式等の資産であれば、インフレ局面で上昇することが期待できます。10〜15年後の大規模修繕のタイミングで資金が必要になった際、インフレによる修繕費の上昇率を上回る形で資産が成長している可能性が高いため、株式等での積み立ては有効な手段の一つといえるでしょう。」

中武「そうですね。選択肢の一つとして非常に合理的な方法だと思います。修繕費用は上昇傾向であるため、手元の資金を現金で置いておかずに、一部を積立に充てることを検討される方が増えている印象です。」

ポイント4)複数物件所有する場合のアプリ等を活用した一括管理

世古口「所有物件が2つ、3つと増えていくと、管理会社がバラバラになりコミュニケーションコストや承認の手間がかかり、ストレスが増えてしまいます。特にお忙しい経営者や富裕層の方であれば、複数の物件を一元化してスマホアプリ等で一括管理できる体制を整えるのがベストといえるでしょう。

私自身が保有している物件も、アプリで一元管理しています。空室時の入居者募集の条件承認や修繕の決済なども、すべてアプリ上で完結できるため重宝しています。」

中武「そうですね。3棟以上持たれる場合は、特に管理窓口を一本化してストレスフリーな体制を作るとよいでしょう。当社でもそのあたりの一括管理のセットアップをお手伝いできますので、ぜひお気軽にご相談ください。」

国内一棟不動産投資の最新投資実例

世古口「それでは、実際に直近の2026年上半期に当社がサポートさせていただいた、具体的な最新投資実例を3つご紹介します。」

実例①:三県一棟木造アパート(収益性重視型)

中武「まずは埼玉県さいたま市の一棟木造アパートの事例です。購入されたのは40代の、年収が高く資産もお持ちの方です。年齢と年収のバランスが良く、借入比率を高めることができました。」

物件概要

中武「埼玉県さいたま市の最寄り駅から徒歩約10分の立地で、構造は一棟木造アパート、築年数は1年です。物件金額は1億3,000万円で、内訳は土地が5,000万円、建物が8,000万円となっており、土地40%、建物60%という割合です。」

借入条件

中武「物件金額1億3,000万円のうち1億円の借入を行いました。融資比率としては80%程度となります。金利は直近の6月の利上げ後を想定して1.9%、期間は融資上限の35年から築1年を差し引いた34年です。」

自己資金

中武「諸費用を含めて3,500万円となりました。」

利回り

中武「表面利回りは6.5%、実質利回りが5.6%です。」

自己資金対比実質利回り

中武「自己資金に対する資産の増加率、つまり年間キャッシュフローである約250万円に、ローンの元本返済分による純資産の増加分を合わせた割合は、自己資金3,500万円に対して15.4%という非常に高い数値になりました。」

世古口「三県一棟木造アパート投資のモデルケースといえるような実例ですね。」

中武「2026年の2月~3月の実例ですので、より現在の数値に近い物件といえます。借入は1億円ですが、キャッシュフローが250万円程度出ているので、収益性を重視した不動産投資といえるでしょう。」

実例②:都内一棟RCマンション(収益性重視型)

中武「2つ目は東京都荒川区の一棟RCマンションです。オーナー様は50代で、会社売却後の資産運用の一環として投資されました。」

物件概要

中武「東京都荒川区の最寄り駅から徒歩6分の立地で、構造は一棟RCマンション、築年数は2年です。物件金額は4億円で、内訳は土地が1億8,000万円、建物が2億2,000万円となっており、土地45%、建物55%という割合です。」

借入条件

中武「金額2億8,000万円を都市銀行から調達し、融資比率は70%となりました。金利は1.3%、期間は30年です。先ほどの物件と比較して金利が低く設定されていますが、どこの金融機関であっても、投資物件の立地によって金利が異なる傾向にあります。つまり、好立地であるほど金利は安くなります。逆に立地条件が悪ければ金利は高くなりますが、利回りが高くなるというメリットがあります。」

自己資金

中武「諸費用を含めて1億4,000万円となりました。」

利回り

中武「表面利回りが4.6%、実質利回りが4.0%です。」

自己資金対比実質利回り

中武「先ほどと同様の手法で計算した自己資金対比の実質利回りは5.94%という数値になっています。」

世古口「都市銀行としては借入比率が7割と高いですね。」

中武「ある程度利回りが出た方が、銀行としては貸しやすいのかもしれません。」

世古口「物件の収益性の高さと、会社売却をされたオーナー様の属性の強さが噛み合った結果といえますね。」

実例③:都内一棟RCマンション(資産性重視型)

中武「最後は新宿区、山手線の内側エリアという抜群の立地にある、資産性を極めて重視した一棟RCマンションです。オーナー様は70代、潤沢な資産をお持ちの方で、主に相続税対策を目的に購入されました。

物件概要

中武「新宿区の最寄り駅から徒歩7分の立地で、構造は一棟RCマンション、築年数は1年です。物件金額は5億円で、土地と建物の比率は半分半分の割合となっています。」

借入条件

中武「借入額が2億7,500万円、金利が1.2%、期間が30年です。」

自己資金

中武「諸費用を含めて2億5,000万円となりました。」

利回り

中武「表面利回りが4.1%、実質利回りが3.5%です。

自己資金対比実質利回り

中武「先ほどのように算定すると5.7%という数値になりました。自己資金を多く準備できたため、投資が可能となったケースです。このように資産性重視型の物件に関しては、自己資金を多く求められるケースが一般的です。」

世古口「その方の資産背景や求める物件のクオリティなどによって、投資判断をしていくということですね。」

まとめ

世古口「最後に、今回のテーマである『【2026年最新】富裕層が実践する不動産投資戦略』をまとめます。」

ポイント1)東京23区は価格・家賃はともに今後も堅調な見通し

世古口「東京23区は価格・家賃ともに上昇傾向にあり、今後も堅調に推移する見通しです。」

ポイント2)やや低下した利回りは家賃上昇で回復する可能性

世古口「特に資産性重視型やバランス型の利回りはやや低下しているものの、時間をかけて家賃上昇していく傾向があるため、利回りは徐々に回復していくのではないかと見ています。」

ポイント3)2027年以降、個人の相続税評価減は購入5年経過後

世古口「2027年以降に個人で不動産を購入する場合、相続税評価軽減効果を得るには、購入後5年を経過した後でないと適用されないルールへと改正されます。そのため、ご高齢の方や相続対策目的の方は、税制改正を踏まえた計画的な準備が必要となるでしょう。」

ポイント4)インフレ・相続対策の不動産投資は計画的な検討が必要

世古口「インフレ対策、および税制改正を見据えた相続対策の観点からも、不動産投資の検討は先延ばしにせず、ゆとりを持ったスケジュールで情報収集や準備を進めていただくのが望ましいと考えています。」

本日は「【2026年最新】富裕層が実践する不動産投資戦略」という内容でお届けしました。

当社では無料の個別相談を承っております。不動産投資に限らず、資産配分全体の見直し、金融資産の運用についてお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

本記事の著者

中武洸星
中武洸星 プライベートバンキング本部
不動産投資アドバイザー
プロフィール
早稲田大学商学部卒業後、大和ハウス工業株式会社へ入社。富裕層・地主に賃貸住宅での土地活用ソリューション提案に従事。東急リバブル株式会社にて投資用不動産の売買仲介を経験後、株式会社ウェルスパートナーに入社。
当社での役割
顧客の不動産ポートフォリオ構築を支援。
不動産の調査、分析、セカンドオピニオン、売買仲介業務全般を担当。
多くの銀行、不動産管理会社とネットワークを構築しファイナンス、管理会社の最適化もサポート。
このアドバイザーに相談

<ご注意事項>

  • 当社の所属金融商品取引業者等は株式会社SBI証券、東海東京証券株式会社、エアーズシー証券株式会社です。
  • 当社は所属金融商品取引業者等の代理権は有しません。
  • 当社はいかなる名目によるかを問わず、その行う金融商品仲介業に関して、お客様から金銭および有価証券のお預かりを行いません。
  • 各商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

[金融商品仲介業者]

商号等:株式会社ウェルス・パートナー

登録番号:関東財務局長(金仲)第810号

[所属金融商品取引業者]

商号等:株式会社SBI証券

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人資産運用業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人日本暗号資産等取引業協会

商号等:東海東京証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:東海財務局長(金商)第140号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人資産運用業協会、一般社団法人日本STO協会

商号等:エアーズシー証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第33号

加入協会:日本証券業協会

無料個別相談