無視してはならないピーター・リンチからの9つの投資のヒント

はじめに

1980年代に最も成功した投資信託の1つは、フィデリティのマゼランファンドです。当ファンドは、世界最高の投資家の一人であるピーター・リンチによって運営されていました。1977年から1990年にかけて、マゼランファンドは年間平均で約29%のリターンを記録しました。これは、S&P 500インデックスファンドのリターンのほぼ2倍でした。

普通の投資家が1年間で29%のリターンを達成することは困難です。そして、それを長年にわたって継続することはほぼ不可能です。
幸いなことに、リンチは自分の投資に対する考えを秘密にしていません。彼は多くの人に古典と見なされている、いくつかの素晴らしい本を書きました。
それは「One Up on Wall Street」、「Beating the Street」、「Learn to Earn」です。これらの本を1冊以上読むことをおすすめしますが、その前提としてリンチの9つの教えをご紹介したいと思います。

1.株式市場で最も重要なのは精神的タフさです。頭脳ではありません

過去数か月の株式市場のボラティリティは、ピーター・リンチのこの言葉が真実であることを証明しました。ボラティリティを望まず、かつボラティリティを処理できない人は、株式市場から退場すべきです。

しかし、株と同じくらい効果的に長期にわたって富を構築できる資産はほとんどありません。リンチはまた、次のように述べています。

「毎日鏡を見て自分に問いかけてみてください。市場が10%下落したらどうしようか?20%下落したらどうしようか?売却しようか?株式投資をやめようか?そんな弱気があなたの結論であるなら、あなたは株式保有を減らすべきです」

市場の落ち込みでパニック状態に陥った場合や、市場の急上昇により株式が過大評価された場合、感情は邪魔になることが多いといえます。最高の投資家は、普通の人々の反対の行動をします。ウォーレン・バフェットが言うように「他の人が恐れているときは貪欲であり、他の人が貪欲なときは恐れる」べきです。

2.自分が理解できる株式を購入すること

自分が理解できる企業の株にのみに投資することも重要です。例えば「この企業は抗がん剤を作っている」という程度の理解では不十分です。

その製薬会社が市場でどのような薬を販売しておりどれだけ売れているか、どのような薬が開発段階にあり、どのくらいで市場にリリースできるのかを知る必要があります。また、競合他社が市場で販売している薬や開発段階にある薬についても知る必要があります。

リンチは「会社に投資する場合は、小学5年生が理解できる簡単な言葉で、彼らが飽きないような速さで投資の理由を説明できなければなりません」と述べています。

3.怖がらないこと

株式投資は数学を使うため、投資を躊躇してしまうかもしれません。確かに、数学を使います。しかし、その内容はそれほど複雑ではありません。たとえば、PERは単なる比率で、株式の現在価格をEPSで割ったものです。配当利回りは、単に株式の年間配当を現在株価で割ったものです。リンチはこう述べています。「誰もが株式市場をフォローできる頭脳を持っています。小学5年生の数学さえマスターしていれば、全く問題ありません」

4.投資先の研究をすること

多くの人々は、新聞記事で投資先のことを少し読んだだけで投資します。さらに悪いことに、友人や知人から少し聞いただけで株を購入する人もいます。最良の結果を得るには、投資先の財務諸表を調べて、現金と負債の状況、利益率の大きさ、売上と利益が増加しているかどうか、などの数値を確認する必要があります。

理想は、有望な投資候補先のいくつかを研究し、どの企業が最も投資に値するかを確認することです。ピーター・リンチは「徹底的に研究する人がゲームに勝つ。そしてそれが常に私の哲学です」「会社の利益見通し、財務状況、競争力、拡張計画などについて確信を得られるまでは、どの会社にも投資してはいけません」と述べています。

5.投資にはグレーな領域があることを理解すること

リンチは「株への投資は科学ではなく芸術であり、すべてを厳密に定量化するように訓練された人々は過ちを犯す可能性がある」と述べました。重要なのは、投資は数値と数学だけではないということです。たとえば、ロングタームキャピタルマネジメントはノーベル賞受賞者によって運営されていました。しかし、1998年に破綻し、数十億ドルで救済されなければなりませんでした。

個々の株式への投資には、企業がどのように機能するかについて、自らが持つ知識に基づいた分析を行うことが求められます。何人かの賢くて才能のある人々が同じ会社を研究する場合、さまざまな見方が生まれます。熱狂的な支持者と批判者がいる自動車会社テスラは、その良い例です。

6.物事の裏を見ること

ピーター・リンチはこう述べています。
「ゴールドラッシュの間、ほとんどの鉱山労働者はお金を失いました。しかし、ピック、シャベル、テント、ブルージーンズ(リーバイス)を販売した人々は素晴らしい利益を上げました。今日に置き換えて考えると、インターネット網から間接的に利益を得るインターネット関連企業を探すことが重要です」

明らかに有望な株価のアイデアを探すのは簡単です。しかし、多くの人々はすでにそれらに気づいており、株価を押し上げてしまっています。多くの場合、他の多くの企業が影でそれらの企業をサポートしています。たとえば、アップルは非常に成功していますが、同社だけではこれ程の成功を収めることはできなかったはずです。ユニバーサルディスプレイなど、ハードウェアの多くの部品サプライヤーがアップルを支えています。eコマースが成長していますが、それを支えるFedExやUPSなどの運送業者を、投資先として検討すべきです。

7.投資信託を検討すること

投資先の研究をしない人は投資をしてはいけない、ということはありません。あなたは研究を行うための時間、興味、またはスキルを持っていないかもしれません。

しかし、それでもまったく問題はありません。投資信託に投資すればよいのです。そもそも、マゼランファンドは投資信託であり、年間リターンが29%であったことを思い出してください。

ただし、そのような驚くべきレコードを達成できる投資信託は非常にまれです。基本的には、低い手数料でS&P 500に連動するインデックスファンドを選択することをおすすめします。実際、インデックスファンドのリターンは、他のほとんどのアクティブファンドを長期間にわたって上回っています。ピーター・リンチは「投資信託は、自分で研究せずに株を所有したい人々にとって完璧なソリューションです」と述べています。

8.損失を想定すること

投資する際に損失を想定しておくことも重要です。投資家の能力が優れているか否かは関係ありません。また、個別株式、アクティブファンド、インデックスファンドに投資しているかに関係なく損失は発生します。ウォーレン・バフェットでさえ、損失を被ることがあります。ピーター・リンチも「投資においては、10のうち6成功すれば良い方です。10のうち9成功することはないでしょう」と述べています。

9.辛抱強くなること

最後のアドバイスは「辛抱強くあれ」ということです。なぜなら、株式市場からの莫大な富は何十年もの期間にわたって築かれるからです。バフェットやピーター・リンチも、莫大な資産を築くのに相当の時間がかかりました。ピーター・リンチは「優れた会社の株式を所有し、辛抱強く長い期間保有してください」と述べています。

10.まとめ

上記で説明したピーター・リンチの教えは、当たり前のようですがなかなか実践できないものです。

1日1回は彼の教えを思い出すために、本稿を読み直すことをおすすめいたします。また、ピーター・リンチの投資に関する本を、少なくとも1冊は読んでみてください。

彼の著作は非常に読みやすく、彼の教えはあなたが莫大な富を築くのを助けてくれることでしょう。

関連記事

ご相談はこちらから
第一希望日*
ご希望のお時間*
第二希望日*
ご希望のお時間*
面談場所
お名前*
お名前カナ*
電話番号*
メールアドレス*
大まかな保有資産額を教えてください。*
ご年収を教えてください
ご相談を希望するアドバイザー
当社を知ったきっかけ*
ご相談内容
利用規約*
個人情報のお取り扱いについて
下記でご入力いただく内容は、当社からの連絡や情報提供などに利用するためのもので、それ以外の目的では使用いたしません。
また、その情報は、当社以外の第三者が利用することはございません。(法令などにより開示を求められた場合を除きます)
詳しくは、個人情報規約をご覧ください。
https://wealth-partner-re.com/policy/