はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社ウェルスパートナー代表の世古口です。
本日のテーマは、「事業で成功を収めた会社オーナーの投資先TOP5」です。今回は、会社オーナーで、事業で成功された方がよく投資している投資先をご紹介します。
何を持って「成功を収めた」とイメージしているかというと、事業会社を経営し、毎年数十億円の売があり、利益が数億円残り、その方の個人と法人を合わせた純資産ベースで10億円~20億円を保有し、ある程度成功を収められ、安定した状態になっている会社オーナーをイメージしています。そのような方がどのような資産に投資しているのかをお話しし、皆様の投資の参考にしていただければと思います。
TOP5発表
事業で成功を収めた会社オーナーの投資先TOP5を5位からご紹介しましょう。順位をつける理由はいろいろな考え方があると思いますが、今回は、そのような資産に投資する、資産全体に占める割合で順位をつけました。ですから、資産10億円の会社オーナーが多くいたとしたら、その中で5億円投資するのか、2億円投資するのか、1億円投資するのかによって、私の経験上、その方たちの最大公約数の統計を取らせていただき、金額が多い順に1位から順位付けさせていただいたものを発表します。
5位:ベンチャー企業
ベンチャー企業の株式はどういうイメージかというと、会社を設立して数年~5年以内などできたばかりの会社で、事業・売上・利益がしっかり定着しておらず、どうなるか分かりませんが、投資すると、将来、爆発的に利益が上がり、株の価値が何十倍になったり、上場すると百倍になったりするケースもあるといった感じでしょうか。そのような会社に投資するのがベンチャー企業投資(スタートアップ投資)です。ベンチャー企業投資をされる方は、ご自身の会社の事業で成功を収めた会社オーナーの方の場合、非常に多いと感じています。
やはり、ご自身が事業で成功された方ですので、目利き力があるわけです。「この会社オーナー・起業家であれば成功するのではないか」「このベンチャー企業が行っている事業に将来性がある」という見方や、自分が詳しい分野の可能性もあります。ですから、そのような若い会社や経営者に投資する意味も込めて、その株式に出資するというベンチャー投資をする方はかなり多いと思います。
特に上場会社オーナーに多い傾向です。元々、ご自身が会社オーナー・経営者・富裕層の方から出資を受けて事業を成功させ、会社を上場させて大きなキャピタルゲインを得て、ご自身も数億円~数十億円以上の資産家になっているわけです。過去にそのようにしてもらった経験もあるので、次世代の成功しそうな起業家・企業に投資・出資する方が上場会社オーナーに特に多いと思います。
どれぐらい投資するかという資産配分の割合としては、それほど大きくないことが多いです。やはりリスクが高い投資ですし、ゼロになる可能性も高いです。ですから、数億円を投資するかといったら、1社にそれほど投資はしません。富裕層の方が投資するとしても、せいぜい1,000万円~2,000万円程度が多いと思います。投資の金額的にはそれほど大きくないので、今回は5位となりました。
4位:海外不動産
事業で成功された会社オーナーの方は、海外不動産に投資されることが多いです。海外不動産を投資用の不動産にすることもあれば、実需としてご自身が使われる海外の物件として購入されることもあり、ケースとしてはどちらもあります。
投資の場合は、アメリカの戸建てを保有する方が多いです。実需の場合は、ハワイの不動産を購入する方も多いです。事業で成功を収め、その後海外に移住する方もいますし、趣味で別荘として使うという需要で投資される方が非常に多い資産かと思います。
3位:ヘッジファンド
金融資産のヘッジファンドという、少し特殊なファンドです。普通のファンドは株や債券などの金融資産を購入して保有したままですが、特殊な戦略を持ってファンドごとの戦略で利益を上げ、投資家に返していくものをヘッジファンドといいます。
ヘッジファンドの中には、特殊な運用をするものもあれば、プライベートエクイティファンドのように、会社を丸ごと購入して5年~10年ほどかけて会社を立ち上げて売却するというファンドも含まれます。富裕層の方が、資産全体の1割~2割、多い方では3割を、普通のファンドではないヘッジファンド、オルタナティブ資産ともいいますが、そのような資産に投資する方も多いです。今回は、ヘッジファンドが資産配分の中に占める割合が大きいと思いましたので3位になりました。
2位:外国債券
米ドル債券などの債券を含む、その他の通貨、ユーロ建て・豪ドル建て・スイスフラン建てなどの外貨建ての債券のことを総じて外国債券といいます。このような外国債券に投資する方が多いので2位にしました。
事業で成功を収めた方ですので、資産を2倍・3倍・5倍に増やす必要があまりないと感じている方がいらっしゃいます。それほど資産を増やさなくてよいので、安定的に毎年4%~5%増えていくことや、「インカムゲインが入ってきた方がよい」「安定的に運用したい」というニーズの方が成功者の方の場合は多いです。
また、事業で成功して現在保有している資産は、基本的に円資産が多く、円の資産が中心になります。ですから、「円資産を、流動性を保ったままいつでも売却できる形で外貨に分散したい」という外貨分散のニーズが高いので、資産を外国債券に投資する方が多いのではないかと思います。
1位:国内不動産
資産配分で考えた場合、国内不動産がやはり一番で間違いないと思います。事業で成功して、まず何を購入するかというと、ご自宅(国内にご家族と一緒に住む家)や別荘などを国内に購入するのが基本かと思います。投資金額に占める割合としては、国内不動産が多いです。
事業が成功して時間的な余裕もある方は、投資用の不動産を増やしていきます。また、相続対策の場合に必ず必要になると思いますので、そのような目的もあって、いの一番に「増やしていこう」となるものは国内不動産になるわけです。自宅であれば、都内の一軒家やタワーマンション、投資用の不動産の場合、23区内の駅近の一棟のRCマンションなどに数億円~十億円投資される方が多いです。
投資金額が資産配分上一番多い理由としては、レバレッジが効きますので「借入」です。外国債券・ヘッジファンドなどの金融資産は借入で投資することができませんが、国内不動産の場合、10億円の物件のうち8億円を借入して、手出しの資金2億円で投資できます。ですから、資産額的に大きく膨らみやすいのも、今回1位になった理由ではないかと思います。
まとめ
「事業で成功を収めた会社オーナーの投資先TOP5」をおさらいします。
5位がベンチャー企業の株式に出資する、4位が海外不動産、アメリカやハワイの物件に投資する、3位がプライベートエクイティやヘッジファンド、株を買うだけでなく、空売りなどを組み合わせた高度な運用戦略を取るファンドであるヘッジファンド、2位が米ドル建てを含めた外国債券、1位が国内不動産となっています。
本日は「事業で成功を収めた会社オーナーの投資先TOP5」という内容でお届けさせて頂きました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中