はじめに
年収が上がれば、さまざまな欲望を満たせるために、幸福感をより味わえるのではないか?
そう思い、お金持ちになることを夢見る方がたくさんいます。
そこで今回は、年収と幸福度の関係性や、世界幸福度ランキングの日本の順位について紹介します。
世界幸福度報告とは?
世界幸福度報告とは、国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する幸福度調査レポートです。
本レポートにおける幸福度の段階は、0から10に分けられ、「自分がどの程度幸福度を感じているか?」について世論調査をもとにまとめています。
幸せの感じ方は人それぞれですが、世界幸福度報告では、下記の6つの説明変数を用いて回帰分析し分析しています。
・GDP
・社会的支援
・健康寿命
・人生選択の自由度
・社会的寛容さ
・腐敗の認識
これらを総合的に判断し、国別にランキング化したものを毎年発表しています。
世界幸福度報告は2012年4月にはじめて出版され、日本の順位は、2010年前半ずっと40位台をキープしていました。
ちなみに、データ上では150以上の国や地域を対象としているため、比較的上位に位置づけていると考えて良いです。
幸福度と年収の関係
幸福の感じ方は人それぞれであり、ランキングに左右されるものではありません。
しかし、より幸福になりたいと貪欲に生きるのは人として当然ですね。
幸福の感じ方はやはり人それぞれですが、『お金=幸福』に直結という考え方も間違いではありません。
お金があればさまざまな欲望を叶えられますし、欲求が満たされれば幸福度は上がることでしょう。
しかし、不思議なことに年収が一定額を超えると、幸福度が上がらないという研究結果が出ています。
平成26年2月14日のバレンタインデーに、内閣府が公表した資料『人々の幸福感と所得について』では大変興味深い結果が出ました。
年収200万円未満から1,400万円以上まで200万円単位で、幸福度点数を付けた表です。
年収200万円未満の幸福度は一番低く、5.5点でした。
それから年収の増加に伴い、幸福度が上昇し続け、1,000万円~1,200万円では、約7.3点でした。
ところが、1,200万円~1,400万円、1,400万円以上と、点数が下がり続けているのです。
(参考︰人々の幸福感と所得について
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/0214/shiryou_03.pdf)
お金はあればあるだけ幸福だと思っている方も多いでしょうが、実際はそうでもないのかもしれません。
2019年日本人の平均年収は、441万円であり、1,000万円を超える所得を得ている人は、全体の4~5%であると言われています。
「お金を持っていれば幸福感を得られるわけではない。」
ということについてわかったうえで、次に2019年の世界幸福度報告について見ていきましょう。
世界幸福度ランキング2019 日本の順位は?
2019年で7回目となる世界幸福度ランキングは、世界の156ヶ国を対象に行われました。
そして、日本は2018年の54位から順位を4つ下げ、2019年は58位という順位になりました。
過去から見れば徐々に下がり続け、過去最低の順位となってしまいました。
しかし、世界的に見れば上位に位置づけていることは間違いありません。
ちなみに、2019年世界幸福度ランキング1位に輝いたのは、フィンランドでした。
フィンランドという国は、最大で24%もの消費税を徴収しますが、非常に手厚い社会保障が魅力です。
日本国内で消費税率24%にまで引き上げられれば、ものすごい反感を買うことでしょう。
しかし、世界幸福度ランキング1位のフィンランドは、社会保障の充実があるために、だれも文句を言わない国でした。
まとめ
今回は、世界幸福度ランキングについて紹介しました。
幸福感は人それぞれですし、ランキングで何ら変わるものはありません。
しかし、日本は年々順位が下がり続けています。日本人全体の幸福感が著しく低下していることを意味しています。
日本のランキング低下の足を引っ張っているのは、人生選択の自由度や社会的寛容さであると言われています。
今回発表されたランキングをもとに、日本人それぞれが意識改革を行ってみても良いかもしれません。