目次
はじめに
こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回、証券担保ローンを扱っている金融機関と縁があり、はじめて「証券担保ローン」を使ってみました。
投資自体は昔からやっており、不動産を担保にしたローンなどは過去に利用した経験があります。ただ、有価証券を担保にしたローンを利用するのは今回がはじめてです。
自分で実際に証券担保ローンを使ってみてどうだったのか、感想や実際の審査、利用時の金利などをご紹介します。証券担保ローンの利用を検討している方の参考になればと思います。
▼今回の内容はYouTubeでご覧いただけます
証券担保ローンとは?
証券担保ローンとは「株式や債券などの有価証券を担保にしてお金を借りるサービス」です。
富裕層は株式などの有価証券を多く保有しています。
そのため、有価証券を担保にした証券担保ローンは富裕層向けのローンだと言えるでしょう。
証券担保ローンの具体的な内容やメリット、デメリットに関しては、当社が別記事にまとめています。
「証券担保ローンとは?」「どんなメリットがあるの?」という方は、まずはこちらの記事を読んでいただくとこの記事の内容に入りやすいはずです。
URLが指定されていません。https://wealth-partner-re.com/wealthjournal/loan-3/
証券担保ローンを借りてみた!借入額・担保・金利など
今回使った証券担保ローンでの借入額は2,000万円くらいです。
担保にした有価証券は約4,000万円の米ドル建ての社債です。格付けが高めの社債を担保にしました。
金利は年利1.9%です。
金利は半年に1回見直しされる契約だったので、1.9%はスタート金利です。
金利については「やや高めの設定だな」と感じました。
証券担保ローンの金利が高めに設定されたのは、今回の借入額がやや小さい額だったからかもしれません。
もっと多い金額を借りると金利を下げてもらえたのではないかと思います。これが5,000万円やもっと高額の借入であれば、1.5%くらいまで下げてもらえたかもしれません。借入可能額の上限まで借りると、さらに金利は下がっていたかもしれません。
- 担保や借入額に対して金利がやや高い
- ただ、現在の米ドル建て債券・社債の利回り(4%~5%)を考えると妥当感もある
以上が借入額・担保・金利に対する感想です。
証券担保ローンを借りてみた!審査や契約について
証券担保ローンを借りる場合、原則的に証券を担保にお金を貸してくれる証券会社などとおつき合いが必要です。そして、証券担保ローンを扱っている証券会社に「この有価証券を担保にお金を借りたいです」と申し入れる必要があります。
私も今回ご縁をいただいた証券会社に「これも経験だ」と思い、ローンを申し込みました。
証券担保ローンの審査と面談はどうだった?
申し込みの後はどうするのかと言うと、日付を決めての面談があります。面談は証券会社に足を運ぶのではなく、リモートです。自宅のネットを使って証券会社の担当の方と話しました。
面談で話したのは次のような内容です。
- 現在の資産状況は?
- どの金融機関にどのような資産、どれくらいの資産があるか?
- 法人はあるか?
- 法人の決算
- 確定申告書ベースの収入について など
不動産融資担保の場合、金融機関の担当と「資産はこのくらいある」など残高を実際に見せて話すなど、面談の際は厳格です。対して今回の証券担保ローンはリモートということもあり、不動産担保ローンの面談より緩い印象でした。
証券担保ローンは借入先の証券会社にすでにある有価証券を担保にするので、証券会社側は「現物がある」「担保が確かにあることを理解している」という状況です。だからこそ不動産担保ローンより面談・審査の面で緩さがあるのかもしれません。
証券担保ローンの提出書類はどうだった?
直近の決算書や確定申告書類の提出を求められました。
逆に言うと、このくらいしか提出を求められませんでした。
不動産担保ローンの場合は「謄本を出せ」「不動産の契約書を出せ」などと言われるのですが、証券担保ローンの場合は「あれを出せ」「これを出せ」という面倒なことも言われず、楽でした。
証券担保ローンの契約には電子契約が使える
証券担保ローンの契約には電子契約が使えました。これがとても便利でした。
印紙代もかかりませんし、リモート面談に対応していることもあり、金融機関に何度も足を運ぶ必要もありません。契約はとても楽でした。
審査の面談が終わってから1週間ほどで結果が出る
面談が終わって審査結果が出るまでは1週間ほどかかりました。
1週間後くらいに連絡がきて、それから借入という流れでした。
証券会社に口座を作ってからお金を借りるまでの期間
証券会社に口座を作って証券担保ローンを申し込み、面談・審査を経てお金を借りる。
ここまでの流れ全体で2カ月くらいかかりました。
ただ、私は2カ月で借りられましたが、今はもっと時間がかかる可能性があります。証券会社の担当の方が「実は申し込みが多くて」と話していたので、たとえば今申し込むと3カ月~などもっと時間がかかってしまうかもしれません。
申し込みを検討している富裕層の方は、事前に申し込み先に確認しておいた方が安心かと思います。
証券担保ローンの借入で「面倒だな」と感じたところ
証券担保ローンの借入で「面倒だな」と感じたのは契約書の読み合わせです。
契約の際に契約書の冒頭から末尾まで担当の方が読みながら内容について確認が入ります。契約書を読んでくれるのを聞いているだけなので、苦にならない方は苦にならないかもしれません。
自分の場合は、40分〜50分くらい、最初から最後まで契約書の読み上げをずっと聞いているのがとても辛かったです。
じっと耐えて聞く。今回のサービス利用の中で一番疲れたポイントかもしれません。
証券担保ローンを借りてみて「これは便利だ」と感じたところ
証券担保ローンは何度も金融機関に足を運ばなければならないということもなく、リモートで面談・審査ができ、さらに電子契約に対応していました。
提出書類に関しても「あれを出せ」「これを出せ」ということもなく、主に手続き面が便利で借りやすいと感じました。この便利さなら今後も使ってもいいなと感じました。
まとめ|証券担保ローンを借りるなら日本の金利に注意したい
証券担保ローンを実際に借りてみて、
- 金利はやや高め(ただし借りる金額が少なかったので高かった可能性あり)
- 電子契約やリモートでの面談・審査ができて手続き自体は楽
- 提出書類も少なく、とても楽
- ただし契約内容の確認の時間(契約書を読み上げられる時間)が苦痛だった
- 証券会社の口座開設から借入完了まで2カ月ほどかかった(今はもうちょっとかかるかも)
以上が私の感想でした。
証券担保ローンを利用する上で注意したいのは、今後の日本の金利の動向です。
日本の金利が上がってくると、証券担保ローンの金利も上昇する可能性が高いと言えるでしょう。借りるときの金利がどうなるか。このポイントについては、注視した方がいいかと思います。
証券担保ローン自体は手続きが楽で、使いやすいローンだと感じました。今後も機会があれば使っていこうと思います。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中