株式市場へのアクセスについて
前回までで、株式市場の意義と役割等をお話してきました。株式は近代資本主義の最大の発明ともいわれるほど、その存在感は大きなものがあります。
個人としての資金運用の手段としても、こうした社会経済的役割に参加するという思いをもつことで、ギャンブル類との違いを意識なさると良さそうです。
個人として株式市場にアクセスするには様々な方法があります。個別銘柄を買いたい、という基本的な市場参加方法を実現する為には、証券会社に出向き(あるいはPC上でネット証券のサイトを開き)、口座を開くところから始まります。
その後、株式の売買が可能になります。(勿論、投資に必要な余裕資金をご用意下さい。)証券会社が証券取引所の“会員”であり、正確に言えば、これら会員が証券取引所において売買をしているのであって、個人投資家はその会員たる証券会社に売買注文を委託している、という形になっているのです。
証券会社はこうした投資家からの注文を取り次いでいる形になるので、古い本などでは、“仲買人”あるいは“ブローカー”といった表現もされています。
個人として株式の銘柄選択をするのが困難、あるいは多くの銘柄に一度に投資をする効果を狙いたい、あるいは、外国株式に投資をしたい、○○分野の関連株式の成長性に期待したい、といったニーズをお持ちの方であれば、そうしたニーズに沿った投資信託を購入するという手段でも株式市場にアクセスすることができます。
一般的には、運用の専門家であるファンドマネジャー(運用会社に所属)が、その投資信託の趣旨に合致した銘柄を選択して、ポートフォリオと呼ばれる銘柄の組み合わせを構築してくれます。
一方で信託銀行が投資家の資金を分別して管理し、実際の出納業務を行うことで、投資信託全体としての安全性を確保しています。また、投資信託の購入・売却は販売を専門に行う販売会社にて扱います。この販売会社は、銀行や証券会社、保険会社など様々な金融機関が名を連ねていますので、比較的利用しやすくなっています。
投資信託の種類は実に様々で、株式へのアクセスに限らず、債券や為替、外国証券、商品相場、不動産、デリバティブ等、投資家のニーズに合うような多様な商品が設計されています。
逆に、種類があり過ぎて迷うこともしばしばですので、投資家としては、自身の運用目標と場合によっては損失にどの程度耐えられるか等々を予め明確にしておくことが非常に重要です。販売会社の店頭に出向いて、「何か良い投信はない?」という安直な質問はしないようにいたしましょう。
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(本稿は一般の皆様に、資産運用に必要な基礎知識を学んでいただく目的で長期連載いたします。 ”今すぐ儲かる有望銘柄30選”といった内容ではないことをご承知おき下さい。)