目次
はじめに
IFAは投資家に客観的なアドバイスを提供し、金融商品の売買を仲介します。また、富裕層が資産を運用する際のポイントについてもサポートします。この記事では、2億円を持っている富裕層の守りの資産運用方法や、ポートフォリオ最適化について解説していきます。
IFA(資産運用アドバイザー)とは?
IFAとは特定の金融機関に所属せず、独立して投資家に資産運用のアドバイスを行う専門家です。日本ではまだあまり知られていませんが、最近はIFAが増えています。IFAは客観的で中立な立場から、投資家に最適なポートフォリオを提案し、金融商品の売買を仲介します。手数料は金融機関に支払われた売買手数料の一部を受け取りますが、自社の商品を販売する必要はありません。IFAは、投資だけでなく住宅ローン、保険、預金など、さまざまな金融商品についての情報提供も行います。IFAは海外では一般的で、医師や弁護士と同様に尊敬される職業です。
2億円を持っている人は守りの資産運用を行っている
2億円を持っている人は、「富裕層」と呼ばれています。富裕層の定義は明確に決まっているわけではありませんが、野村総合研究所では「純金融資産保有額1億~5億円」を「富裕層」と定義しています。
出典:野村総合研究所
富裕層は一度に大きな損失を出すリスクを避けるために、複数の金融商品に分散して資産を保有していることが多いです。これが「分散投資」と呼ばれる考え方で、投資対象を複数に分散させたり、投資のタイミングを分けたりすることで、価格変動リスクを抑えつつ、安定的なリターンを得ることができるのです。
投資には、「1つのかごに卵を盛るな」という相場格言があります。卵が一度に割れてしまわないように、資産運用でも、運用がうまくいかなかった場合を考えて、異なる値動きをする複数の商品に分散して保有することが重要です。分散投資は、投資家にとってリスクを抑え、安定した運用を実現するための有効な方法です。
SBI証券「リスクを減らすために」
2億円の資産運用シミュレーション
投資には「複利」の効果があり、長期的な投資期間で利益がさらに増えます。投資期間が長いほど、複利効果も大きくなり、安定した収益が期待できます。
以下の図は、2000万円を年率5%で運用した結果です。単利とは、元本に対して一定期間ごとに固定された利率で利息を加える利息計算の方法のことを指します。複利とは、元本に加えて利息が加算され、その利息も利息の対象となることで、元本と利息の合計が次々と増加していく利息計算方法のことを指します。複利は、利率が同じ場合でも単利と比べて、利息が増えるため長期的に見てより多くの利益を生みだせるのです。
2,000万円を年率5%で10年間運用した場合、単利では3,000万円になりますが、複利では32,577,893円となります。長期になればなるほど、複利で運用する効果が高くなるのです。
2億円を資産運用する際のポイント2選
債券の提案
富裕層は株式よりも債券で運用する傾向があります。富裕層が債券を積極的に活用する理由は、株式投資と比べて、元本が大きく減るリスクがないためです。債券は満期までの間に支払われる利子によって利益を得る金融商品で、短期的に資産を増やすことは難しいものの、長期的に安定的な収益を得ることができます。また、すでに豊富な資産を持っている富裕層にとっては、株式投資によって資産を大きく減らすリスクを負う必要はありません。債券投資で一定以上の利回りを得れば、利息だけでも生活費を賄える可能性があるからです。
WEALTH JOURNAL 「債券カテゴリー記事」
資産から最適化提案
資産運用ではポートフォリオが大切です。ポートフォリオとは、保有する資産(投資信託、株式、不動産、預貯金など)を、最適な組み合わせで運用することで、リスクを最小限に抑え、収益を最大化する組み合わせです。
IFAは顧客にポートフォリオの提案を行います。提案の過程では、顧客の資産状況や目的、リスク許容度を評価し、その情報を基に最適なポートフォリオを組み立てるのです。ポートフォリオは、投資対象となる資産を複数に分散することで、リスクを均等に分散し、長期的に見て安定的な収益を得ることができます。最適なポートフォリオによって、顧客は適切な資産運用ができ、資産形成に成功する可能性が高まります。
株式会社ウェルス・パートナー「IPBサービス」
まとめ
IFAは投資家に最適なポートフォリオを提案し、資産運用の成功に導くプロフェッショナルです。富裕層が資産運用を行う際には、分散投資や複利効果を活用し、安定したリターンを目指すことが重要です。また、債券投資を行うことで、リスクを抑えつつ利益を得ることが可能です。最適なポートフォリオを構築することで、資産運用のリスクを軽減し、資産形成に成功する可能性を高めるようにしてください。
一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。