「プライベートバンクにすべて任せている」
「富裕層はプライベートバンクに相談すればいい」
このように考えている富裕層の方も多いのではないでしょうか。
プライベートバンクでは、一定以上の金融資産を持つ方に対して特別な商品やアドバイスを提供する体制が整っているのは事実です。しかし実際には「期待していたほど満足できない」「本当に自分のための提案なのか?」という声も少なくありません。
本記事では、実際に当社のお客様からご相談いただいたプライベートバンクに不満を持っている方が共通して抱えている課題や背景、そしてその解決策として近年注目されているIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の活用まで、詳しく解説していきます。
目次
プライベートバンクに感じやすい6つの不満
プライベートバンクを利用している方の中には、さまざまな不満を抱えるケースも多いようです。
ここでは、よく聞かれる不満点を6つ紹介します。
担当者がすぐに変わる
プライベートバンクでは、信頼していた担当者が突然異動・退職するケースが少なくありません。関係性が築けた矢先の担当変更に、不信感を抱く方も多いようです。
お客様の不満 : 「金融機関の都合で人がコロコロ変わって、信頼して預けている意味がなくなる」(資産5億円・50代経営者)
「営業都合」を感じる提案内容
「この商品が今、おすすめです」という提案が、実は金融機関のノルマ達成のためだった──そうしたケースは珍しくありません。自分の資産や目的に合った提案というより、「売りたい商品ありき」と感じる方もいるようです。
お客様の不満 : 「連絡をもらう度に、新商品を勧められる。本当に私に合った商品か疑問に感じる」(資産3億円・60代元会社経営者)
手数料の透明性がない
「提案内容が良さそうだと思って買ったのに、手数料が成功報酬型で、思っていた以上だった」という不満もよく聞きます。手数料体系が複雑かつ見えにくいため、顧客が納得感を持てないケースもあります。
お客様の不満 : 「手数料体系が分かりにくく、後で成功報酬型と知った。もっとしっかり説明して欲しかった」(資産10億円・40代現役勤務医)
本音で相談できない雰囲気
担当者が金融機関の社員である限り、どうしても「この人に全部話していいのか?」「何か売られるんじゃないか?」という懸念が残ります。資産や家族の話など、深い相談がしづらいという声も聞かれます。
お客様の不満 : 「夫が亡くなり、一人で資産を管理してるので何かと不安。すべて話をして、資産運用を任せてよいか悩んでいる」(資産15億円・70代富裕層未亡人)
商品が限られている
プライベートバンクで扱える商品は、自社グループが関与している金融商品が中心になりがちです。結果として「もっと選択肢があればいいのに」という不満が出ます。
お客様の不満 : 「プライベートバンクなので、もっと商品が豊富だと思っていた。自社グループの商品も多く、やや商品内容が不満だ」(資産3億円・30代経営者)
資産全体の視点に欠けている
資産の一部だけを預けて運用しても、全体の戦略としてはミスマッチになりがちです。国内の金融資産だけでなく、不動産・海外口座・家族が保有する資産など、資産全体を把握した助言が得られないことに不満を抱く富裕層もいます。
お客様の不満 : 「不動産も多く保有しており、相続や資産承継についてもアドバイスが欲しい。担当者が金融資産にばかり目を向けている気がしている」(資産20億円・元会社経営者)
プライベートバンクの仕組みと限界
プライベートバンクは金融機関であり、「利益を出すこと」が根本にある以上、顧客の利益と自社の利益が完全に一致するとは限りません。担当者は自社商品を優先して販売するケースもあり、ノルマ達成のプレッシャーもあります。
また、プライベートバンクが顧客に提案する商品は、すでに「自社にとって収益が確保できる構造」のものが多く、投資家にとって最適かどうかは別問題となりがちです。
このため、プライベートバンクができる提案とサービスには、限界があると考えてよいでしょう。
不満の先にある「本当に求めているサービス」とは
プライベートバンクに不満を持つ方々が本当に求めているのは、以下のようなポイントです
- 長期的に信頼できる担当者との関係
- 自分と家族の人生設計に合った資産戦略
- 資産全体(法人・不動産・海外資産を含む)を俯瞰した助言
- 透明性のある手数料体系
- 必要なときにすぐに相談できる距離感
- 金融商品に偏らない中立的なアドバイス
上記のとおり、プライベートバンクに不満を持つ方々は、「長期的に信頼できる関係を築きたい」「柔軟に相談に応じて欲しい」「資産に関わる問題を幅広く相談したい」と考えていることが分かります。
これらを満たすのは、実はプライベートバンクよりも「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)ではないか」と感じている方が増えています。
新たな選択肢──IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)という存在
最近、富裕層の方々の間で話題にのぼる機会が多いのが、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の存在です。
IFAとは何か?
IFAとは、金融機関から独立して中立的な立場で顧客の資産運用をサポートするアドバイザーのことです。日本では少しずつ広まりつつありますが、欧米ではすでに主流の存在です。
IFAは資産運用のプロであると同時に、不動産投資や資産承継、相続対策まで、富裕層が抱える問題や悩みも解決します。
IFAの特徴
- 金融機関の社員ではないため、ノルマに縛られない
- 手数料体系を明示しやすく、納得感がある
- 顧客との関係が継続しやすく、担当者が頻繁に変わらない
- 顧客の目的からスタートし、商品ありきではない提案ができる
- 特定の金融機関に依存せず、多様な商品・サービスを提案可能
IFAは金融機関とお客様の中立的な立場にあるため、お客様に最適な提案を行える点が特徴です。
また転勤がなく、お客様と長期間にわたって信頼関係を築ける点も特徴です。
プライベートバンクとの違いを比較表で確認
プライベートバンクとIFAは、ともに富裕層向けに資産運用のサポートを行いますが、以下のとおり大きな違いがあります。
視点 | プライベートバンク | IFA |
形態 | 外資系
国内銀行や証券会社のPB部門 |
独立系のアドバイザー |
商品の幅 | 自社グループ中心 | 複数社・さまざまなな選択肢 |
担当者の変更 | 異動が多い | 原則変更なし |
目的 | 自社の収益確保が前提 | 顧客利益の最大化が前提 |
手数料 | 複雑で見えづらい会社もある | 明示的でわかりやすい |
対応範囲 | 金融商品の提案中心 | 相続・法人・不動産まで網羅 |
また、プライベートバンクとIFAでは、口座を維持するための最低預入金額も大きく異なります。
最低預入金額は公表されていませんが、国内プライベートバンクは、数千万円〜1億円程度、海外のプライベートバンクは日本円で1.5億円〜3億円といわれています。
一方、IFAの最低預入金額は会社によって大きく異なります。一般的に、数千万円程度〜1億円程度としているIFAも多いですが、最低預入金額を設けていないIFAもあります。
実際の移行事例:プライベートバンクからIFAへ
プライベートバンクを利用していたものの、何らかの理由によってIFAに相談を持ちかける富裕層の方々は決して少なくありません。
ここでは、プライベートバンクからIFAへの実際の移行事例を紹介します。
ケース1:資産8億円・60代経営者
プライベートバンクで仕組債を勧められ、大きな損失を抱えてしまった事例です。IFAに乗り換え、低リスクの高格付け債券中心のポートフォリオに切り替えました。結果として利回りは3.5%程度ながら、「安定したインカムゲインを獲得できるようになって良かった」「何よりシンプルで分かりやすい商品に投資できて良かった」と喜びの声をいただいています。。
ケース2:資産5億円・50代女性
担当者が異動になり、引き継ぎ後に一気に信頼感が下がった事例です。IFAに乗り換え、家族構成や相続をふまえた長期戦略の提案を受けました。「IFAは長期的なサポートが受けられるので心強い」という声をいただいております。
不満を感じたら「相談先の見直し」を
大切な資産を預ける金融機関に少しでも違和感や不信感を覚えたら、それは立派な「相談先見直しのサイン」です。相談先を見直すことで、資産の成長も心理的な安心感も、まったく違うものになります。
相談先を見直す際は「現在どんな不満を抱えているか」をまとめ、不満を解決できる金融機関を探すことが資産運用の成功につながります。
まとめ:信頼できるパートナーと資産を守る時代へ
プライベートバンクは決して悪い選択肢ではありません。ただし、利用するうえで「本当に自分のための提案かどうか」「信頼できる相手かどうか」を見極める必要があります。
もし少しでも不満や違和感を覚えているなら、一度IFAへの相談を検討してみてください。あなたにとっての「最善の選択肢」が、きっと見つかるはずです。
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