目次
はじめに
外国債券とは、発行元や市場、通貨が海外である債券のことを指します。外国債券は、為替差益や高金利が期待できる一方で、為替変動リスクや価格変動リスクも存在します。ですから、IFAなどの専門家のアドバイスを受け、リスクマネジメントを行いながら投資することが重要です。
この記事では、外国債券の仕組みやメリット、リスクについて解説します。
IFA(資産運用アドバイザー)とは?
IFAとは、独立したファイナンシャルアドバイザー(independent financial advisor)の略称で、特定の証券会社に縛られることがなく、顧客の利益を最優先に考えたアドバイスができる専門家のことを指します。
IFAは、特定の会社に所属しない独立したアドバイザーなので、会社の利益ではなく顧客の利益を最優先に考えたアドバイスができます。また、IFAは資産運用アドバイザーであり、長期的な視点で資産運用を考えることができます。そのため、世代を超えて投資について相談することもでき、信頼関係を築くことができるアドバイザーとして知られています。
外国債券とは?
債券の中でも、発行元や市場、通貨が海外であるものを「外国債券(外債)」といいます。この中でも、払い込みや利払い、償還金の支払いが外貨(米ドルやユーロなど)で行われるものを「外貨建て債券」といいます。また、日本国内市場で円建てで発行される債券は、海外の発行元によるものを「サムライ債」、国内・海外の発行元によるもので、日本国外で円建てで発行されるものを「ユーロ円債」と呼びます。
SBI証券「外国債券とは」
外国債券のメリット
外国債券のメリットは、主に以下の2つです。
為替差益が狙える
外国債券のメリットは、円安になると為替差益を得られることです。円安とは、外貨に対して日本円の価値が下がることで、逆に円高とは日本円の価値が上がることを指します。例えば、為替レートが「1ドル=100円」から「1ドル=120円」に変化した場合、外国債券を購入していた場合に1ドルあたり20円の為替差益を得ることができます。
高い利回りが狙える
外国債券を運用するもう一つのメリットは、高金利という点です。発行国によって金利が異なりますが、低金利が続く日本と比べると、外国債券の金利は高い傾向があります。高金利の外国債券を購入・保有することで、高い利回りが期待できるのです。
各国の金利一覧
※2023年3月時点
出典:外為替どっとコム
知っておくべき外国債券のリスクと対策
外国債券の主なリスクについて解説します。
為替変動リスク
外国債券を購入する場合、為替差益が期待できる一方で、為替レートが変動することで為替差損が発生する恐れもあります。また、日本円で受け取る利子や償還金、売却益において、為替相場の変動によるリスクもあります。これを「為替変動リスク」と呼びます。為替レートは、政策の変化や経済・政治状況などの影響を受けて大きく変動することがあるため、注意が必要です。
価格変動リスク
債券を購入して償還日まで保有している場合、額面金額を受け取れます。額面金額とは、債券の発行時に設定された金額で、利息や償還金の計算の基礎となる金額のことです。しかし、償還日前に売却する場合、その時点での市場価格で売らなければなりません。その際に、価格が下がっている場合は、額面金額よりも低い金額で売ることになり、元本割れになる可能性があります。これを「価格変動リスク」と呼びます。
IFAが教える外国債券と他の資産運用の違い
外国債券は、投資家が元本と利息を受け取るという形でのクーポン(利回り)が主な収益源であり、相対的にリスクが低く、安定した収益が期待できます。一方、株式や投資信託は、主に株価や投資信託の基準価額の値動きによって利益を得ることができ、リスクが高い代わりに高い収益が期待できます。
まとめ
外国債券のメリットとしては、円安時に為替差益を得られることや、高金利が期待できる点がありますが、為替変動リスクや価格変動リスクも存在します。
投資には必ずリスクが伴うため、ポートフォリオの構築には慎重に取り組むようにしてください。
一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。