【専門家インタビューNo.2(教育)】幼少期からの教育プランと教育資金プランの立て方とは?

「子育ては世育て」。4人の子育てを経験し、NPO法人横浜子育て勉強会を主催する藤崎達宏氏の言葉です。自己肯定感をもった人間に育てて世に送り出してやることが親の役割であり、そうして巣立った子どもたちがよい世の中をつくっていくのだと。

モンテッソーリ教育に基づくアドバイスや、0歳から大学卒業まで一貫した教育プランの立案など教育サポートの分野で活躍している同氏にお話を聞きました。また、このほど「教育プラン診断士」の資格を立ち上げ、後進の育成にも力を注がれています。

幼少期から大学卒業までの教育プランを立てよう

-藤崎先生には先日弊社で教育セミナーを行っていただきました。

そうですね。子育ての理論だけではなく、教育資金つまり”お金”のこともよく考えてもらうというのが私のポリシーです。
教育者はお金の話をタブーにしがちですが、親としてはお金の話は絶対必要な要素です

セミナーは金融機関がらみのものが多く、御社の場合もそうですが、父親の参加者たちがお金の話も含めて真剣に話を聞いてくれるのが嬉しいですね。

また、私の教育論に取り入れている「モンテッソーリ教育」は、子どもが生まれる前に出会うのが一番いいのです。ですから、これから子どもをもちたいと思っている子育て予備軍の人たちの参加も大いに歓迎です。

Q.それでは、現在の活動内容を教えてください。

「親の子育てをお手伝いする」というのが活動の土台にあります。

0歳から6歳までの子どもを育てている親には、幼児教育法として日本でもよく知られているモンテッソーリ教育の考え方を取り入れたアドバイスが好評です。

その延長線上に、小学校、中学校、高校、大学…と続いていきますので、一貫した教育プランを立てるお手伝いをして、その全体をコーディネートしていくのが私の役割だと思っています。

また、10年前から横浜・都筑区に「サロン・ド・バンビーノ」という子育てサロンを開設しています。ここでモンテッソーリ教育の教具に触れてもらうこともできますし、月1回の父親勉強会を開いたり、不定期で通ってくる子どもたちもいます。

セミナーなどの機会がない親御さんは、サロンに気軽にアクセスしてください。

Q.どのような親が相談に来られますか?

もともと教育の意欲が高いご家庭で、経営者や役員などそれなりの資力があって、小学校受験、中学校受験を考えたいという方が多いです。また、医師の方は、お子さんが医学部入学を目指すにはどうしたらいいかと、全国から相談に来られますね。

小学校受験、中学校受験に関して親御さんのサポートをすることが自然と多くなりますが、受験が最終目的ではなく、その先にある「わが子の幸せ」をゴールとして教育プランを考えることがとても大切です。

その考え方をより多くの人に広めることが急務と考えていますので、ファイナンシャルプランナーに、私が立ち上げた「教育プラン診断士」の資格をとってもらい、ともに啓蒙していければと思っています。

Q.夫婦での相談もありますか?

ほとんどご夫婦でのご相談ですね。ただ、相談に来られた時に、大抵の場合は夫婦間の情報格差がはっきりしています。子育ての中心にいる母親はすでに色々な事情を知っているのに対して、父親の方は話し合えるだけの材料がまだそろっていないという状態ですね。

一気に受験事情がわかるようなものがないかと相談されることがよくあるのですが、その要望にお応えできるように、幼稚園から小学校、中学校、高校、大学までの受験事情を1冊でとらえられるような本をいま執筆中です。1冊読むだけで、ご夫婦の敎育観がある程度まで一致するような本にできればと思っています。

「敎育資金は“聖域”」という落とし穴

Q.敎育者になるのは、大きなキャリアチェンジだったのですよね。

最後に務めたのが外資系金融企業で、20年間働いて、独立しました。営業の仕事でしたので、何とかお客様の役に立ちたいという思いは強かったと思います。

本業以外でも何かお手伝いできることはないかなと。そんな中、富裕層のお客様から「幼稚園を探しているのだけど」と相談を受けることがありました。

そのお客様とは幼稚園探し以外にも子育ての話、受験、思春期の話などをいろいろしまして、そのことをとても喜んでくださったんですね。こんなに喜んでもらえるのだなと、とてもうれしく思ったことを今でも覚えています。

それがきっかけとなり、妻が幼稚園の先生をしていたこともあり、お客様がわが家にいらっしゃって個別の子育ての相談を受けることが多くなっていきました。

こうして2008年に顧客サービスとして子育てサロンを始めたのですが、お客様からの要望もあって、「商品を売ることは他の人に任せることもできる。これからは子育てをサポートすることで世の中に貢献しよう」と、独立することに決めました。

-金融業界から教育者の誕生ですね。

結果的に、お金の話が軸として一本通った子育ての話ができる教育者が生まれました。私がお金と敎育の両方をやってきたからこそ、ほかでは聞けない話ができるのかなと思います。

教育にお金をかけないことに罪の意識をもつ人が中にはいるのですが、その考えは間違いです。

教育資金は、家計の中で侵してはならない“聖域”だから「教育費だけは上限を設けない」という考え方は大変危険です。ご家庭のライフプランの中で、教育費の上限を設けることも大切な決断です。

Q.例えば中学受験をするとしたら、敎育資金についてどう考えたらよいでしょう?

敎育にかけられる資金が潤沢なご家庭でも、中学受験を選択することとなると、塾代がかかってきます。「これが月々10万円を優に超えて」きます! そう考えると、貯金ができるのは、わが子が小学校4年生くらい、つまり「10歳になるまで」となるのです。

ですから、子どもが10歳になるまでに、いかに「貯金の帯」を作っておくかが重要です。例えば、0歳から月5万円の投資信託を始め、10歳ごろに塾が始まったら毎月10万円出ていくわけですから、ここで貯金は「お休み」です。

そこまで貯まっていたお金は教育を終えた頃に増えて返ってくるという「システム」を作っておくのです。

このシステムの肝は、月5万円の貯金の帯をお休みすることにより、月5万円の余裕が生まれるということなのです。

そしてその余力を塾代に充てることができるのです。私はこれを「中学受験迎撃システム」と呼んでおります(笑)

また、中学受験するかどうかは、小学校入学前までには決めたいところです。受験するのであれば、できることなら実力を出し切った、いい受験にさせてあげたいからです。

途中の方針転換はよしとしても、幼児期のうちに大学までの敎育プランを立て、そのための資金をどう構築していくかを夫婦で話し合っておくことを強くお勧めします。

成り行きにまかせず、親が「予習」することが大事

Q.子育て中の親の役割をひと言でまとめると、どうなりますか?

まず親がやるべきことは、早い段階で情報を集めることです。私はこれを子育ての「予習」と呼んでいます。

例えば、私の長男は、お勉強はまるでダメ!(本当ですよ) しかし、人前で話すのは得意なタイプでした。中学の時に横浜市のスピーチ大会があることを知りました。本人に尋ねました。「いまここで死ぬほどがんばってスピーチの練習をするのと、勉強して大学受験するのと、どっちがいい?」と。

そこで彼は猛練習してスピーチ大会に優勝。その結果を携えて筆記試験のない「自己推薦」で大学附属の高校を受験し、希望校すべてに合格しました。

「学力を問う以外にも、わが子の良さが発揮できる受験があるんだ!」といった情報を知り、その中で親が戦略を練ることで、その子に合ったアシストをすることができます。

情報収集は、「子どもの幸せ感を高める」ことにつながるのです。そしてそれができるのは塾ではなく、ご両親だけなのです。

Q.モンテッソーリ教育とは、どんな敎育ですか?

ひと言にまとめるなら、「子どもが本来もっている力を引き出すためのお手伝いをする教育」といえます。

棋士・藤井聡太七段のほか、グーグルやアマゾン、ウィキペディアの創始者、バラク・オバマ、イギリス王室の王子たちなどが幼少期に受けていたことがある敎育として知られています。でも、決して成功者を育てるための敎育というわけではないので誤解をしないでください。

モンテッソーリ教育を受けた子どもは自己肯定感を高くもちやすく、自分でやりたいことを見つけてチャレンジし、成功したら次の目標を立てて‥‥と、自分で自分を成長させるサイクルを獲得できていることが多いのです。

そのため、単に学業で好成績をとるというのではなく、スポーツや芸術、そしてビジネスなど幅広い世界で活躍する人が輩出されやすくなっています。

Q.最後に、子どもをもつ親へのアドバイスをお願いします。

子どもは小さい頃にイタズラやワガママに見えることをたくさんすると思いますが、親が子どもの成長についてある程度学んでいれば、多くの場合は本来人間に備わっている傾向が表に現れているだけだということがわかるはずです。

親を困らせるためにやっているわけではありません。たったそれだけのことを知るだけで、わが子に対する見方は大きく変わるでしょう。

これも情報です。知っているか、いないかで、「イタズラが過ぎて我慢ならない」と腹立たしく思うのか、「成長のステップを踏んでいるところなのだな」と喜ばしく思うのか、大きな分かれ道になるところなので、ぜひ「知ること」を心がけてほしいと思います。

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