2020
10/28
資産運用入門

はじめに

「分散投資」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

1つの投資対象だけに投資するのではなく、様々な種類の投資商品に分散させる考え方です。

資産運用において安定的に資産を増やしていくためには、分散投資の考え方は非常に大切になります。

今回の記事では、この分散投資をするにあたって大きな武器となる「海外ETF」について紹介していきます。

ETFとは?

ETFとはExchange Traded Fundの略で、上場投資信託のことを指します。

通常の投資信託と同じように、ETFを購入することで様々な株式や債券に投資することができます。

投資信託と同じくETFを購入すれば自然と分散投資ができるので、投資経験の少ない方やリスクを避けたい方にはとてもオススメな投資対象になります。

通常の投資信託との違いは、
・ETFは上場しているので、リアルタイムに取引できる
・販売手数料がないものがほとんどなので、投資信託よりも低いコストで購入できる
点が挙げられます。

簡単にまとめると、投資信託よりもコストを抑えて購入できる投資信託です。

ETFの中には様々な種類がありますが、基本的には指数連動型の商品がほとんどです。

指数連動型とは、例えば日経平均株価などの指数の動きに連動するように作られたものです。

日経平均以外にも、不動産や貴金属など、様々な市場価格指数に連動する商品が、ETFとして購入することが出来ます。

そしてこのETFは、国内に上場している商品もあれば、外国株式市場に上場しているものもあります。

下記で、国内と海外のETFの違いを説明します。

国内ETFと海外ETFの違い

指数連動型の商品である点や手数料がかからないものが多い点は、国内と海外のETFと相違ありません。

違いになる部分は、
商品本数の違い
流動性の違い

の2点です。

前者については、国内で取引できるETFの本数は2020年時点で230件ほどですが、海外ETFは約7500件と、大きな市場規模の差があります。

これだけ商品数が違うので、国内と海外のETFとでは選択肢の数が圧倒的に変わります。

後者の流動性の違いについても、このような市場規模の大きさの差が表れています。

流動性とは、その商品に売り手・買い手がつきやすく売買が成立しやすいかどうかのことで、流動性が高いほど、売りたいときに売れて買いたいときに買えるというメリットがあります。

国内のETF商品は日経平均連動型など、国内を投資対象とした商品であれば比較的流動性が高いですが、外国に投資する国内ETFは流動性が低いです。

そのため、日本株などを対象としたETFの購入であれば国内ETFが有利ですが、外国市場に投資したいと考えている方は海外ETFを使うべきです

海外ETFのメリット

上記のように、海外ETFは国内ETFよりも市場規模の大きさに圧倒的な格差があり、投資対象商品の選択肢の広さも格段に違います。

海外ETFに投資するメリットは、
投資対象の選択肢が非常に広い
個人投資家には中々アクセスできない国や商品にも投資出来る

点にあります。

例えばアメリカ株全般に投資するETFだけでなく、アメリカのIT業界に特化したETFや高配当株に特化したETF、高利回り債券に特化したETFなど、様々な商品が海外ETFには存在します。

そのほかにも、インド全体に投資するETFや全世界の株に投資するETFなど、ニッチな国や領域にも投資することが出来ます。

ETFの商品設計が「パッケージ買い」になっていますが、このように様々な切り口からパッケージ買いを実行することが出来ます。

海外ETFのデメリット

デメリットとしては、
外国に投資するので、為替のリスクがある
国内ETFよりも若干手数料が高くなる

点になります。

海外ETFへの投資をするときは円をドルに換金してから購入することになるため、売却して日本円に戻すときにその時のレート次第で換金額が上下することになります。

運悪く円高になってしまうとその分利益が少なくなりますが、換金時に反対に円安になっていれば更に利益が増えることになります。

また、国内のETFを購入するよりも若干手数料が高くなる点はデメリットです。

楽天証券の場合、国内ETFの売買手数料はおおむね0.1%程度ですが海外ETFを購入する場合は約定代金の0.495%がかかります。

例えば100万円分の海外ETFを購入すると、4,950円が手数料としてかかります。

これに加え、円からドルに変換する手数料もかかりますので、国内ETFより手数料負担は多くなります。

なぜ分散投資に海外ETFが有効なのか?

こうしたデメリットを踏まえたうえで、投資初心者の方が海外ETFを購入して分散投資を実現することは有効と考えます。

初心者の方が資産運用をして着実に資産形成をしていくことを考えると、成長株などのような個別株式への集中投資を考えるより、市場全体の成長を確実に拾っていく分散投資をした方が確実です。

集中投資と分散投資の違いはこちらをご覧ください。

【投資初心者必見!】集中投資と分散投資の違いとは?投資としていいのはどっち?

個別株などへの集中投資を行うには、投資先の業界や企業の成長性分析、決算書やIRを読み込んだうえでその会社の将来の成長ストーリーを予想し、かつチャートを眺めてベストなタイミングで投資する必要があるので、知識や経験が不可欠です。

今後集中投資をするにしても、まずは分散投資により着実に資産形成をして地盤を築いた上で行う方が無難です。

これまで幾度と金融危機や恐慌などがあり株価の上下はありながらも、これまでの歴史をさかのぼると世界の株式市場は常に右肩上がりで価格が上昇してきています。

その中心を担うアメリカ市場においても、1980年初頭にはS&P指数(アメリカの日経平均のような指数)が100ドルでしたが、2020年には3,300ドルまで上昇しています。

集中投資のような爆発的なリターンを取らなくても、市場全体の成長を拾っていくだけでも着実に資産を作っていくことが出来ます。

また分散投資をすることで、株式市場が不調になり持っている資産の価格が下がったとしても、分散投資することで債券などのような比較的価格の上下が緩やかな資産を保有し、不況時のダメージを軽減することが出来ます。

株式・債券など様々な海外ETFを組み合わせることで不況時の下落に強い資産形成を実施することができるので、海外ETFの購入は分散投資の実現に必須です。

まとめ

今回海外ETFの特徴やそのメリット・デメリットをお伝えしました。

そのうえで分散投資の重要性、分散投資を行ううえでETFの購入は不可欠だという旨を紹介しました。

大切な資産だからこそ、ギャンブル的な投資ではなく着実に資産形成につながるように投資していただければと思います。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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