アルゴリズム取引とは?仕組みと種類を解説

はじめに

株式や為替のマーケットでは、アルゴリズム取引の存在感が高まっています。アルゴリズム取引とはどのような取引なのか、個人投資家としてどのように対応していけばいいのかについて解説します。

アルゴリズム取引とは

アルゴリズム取引とは、株式市場や外国為替市場で、あらかじめ決められた条件に従ってコンピュータプログラムが、自動で売買のタイミングを決めて注文を繰り返す取引。たとえば、日経225先物を10分ごとに1枚ずつ購入する取引を自動的に行った場合などは、アルゴリズム取引になります。

また、株価が上昇するタイミングを推定して株式を購入し、株価が下がるタイミングを推定して売却することを、あらかじめ構築されたプログラムで行うこともアルゴリズム取引となるのです。

アルゴリズム取引は、「自動売買」、「システムトレード」、「コンピューター取引」など様々な呼び方をされていますが、ディーラーやトレーダーなど人による取引に比べ、売買は高速になります。1990年代ごろから、海外の機関投資家を中心に広まったとされています。

アルゴリズム取引を主に手がけるのは、商品投資顧問(CTA)といった投機筋。市場のトレンドに追随し、淡々と売買を繰り返す取引を得意としています。ニュースの見出しや要人発言、中央銀行の公表文からキーワードを取り出し、売買を仕掛けるアルゴリズム取引もあります。

アルゴリズム取本引の種類

アルゴリズム取引は、売買手数料やマーケットインパクトなどの取引コストの削減を狙うアルゴリズムと、収益機会を狙うアルゴリズムに大きく分けられます。取引コストの削減を狙うアルゴリズムは、「アイスバーグ」などの執行系のアルゴリズムと、「VWAP(売買高加重平均価格)」などのベンチマークを目標に執行するベンチマーク執行アルゴリズムに分類できます。取引を細く分けることで、自分の取引全体の執行数量を市場からわかりにくくするなど、取引コストの増加を抑えるものです。

一方の収益機会を狙うアルゴリズムは、マーケット・メイキング・アルゴリズム、裁定アルゴリズム、ディレクショナル・アルゴリズムに分類できます。マーケット・メイキング・アルゴリズムは、市場に買い注文と売り注文の両方をだし、その価格差を収益源とします。

裁定アルゴリズムは、同一の価値をもつ金融商品が異なる価格で売買可能なことを発見・利用して収益を狙う取引です。

個人でできるアルゴリズム取引

楽天証券の「マーケットスピードⅡ」を使えば、機関投資家が使う高度なアルゴリズム取引を個人投資家でもできるようになりました。


出典:楽天証券

楽天証券で条件を登録すると、システムが登録した条件を満たすかどうか監視を行います。登録した条件に合うと、自動的に取引所に注文が執行されるのです。登録した条件を楽天証券のサーバーで管理するので、マーケットスピードIIからログアウトしたりパソコンの電源を落としたりしても、自動で注文が執行されます。

楽天証券で可能なアルゴリズム取引は、以下の5つです。

アイスバーグ注文

アイスバーグ注文とは、一つの注文を少しずつ小分けにして発注できる機能。たとえば1万株を1000株ずつに分けるなど、大口注文を自動で分割してくれます。氷山(アイスバーグ)の一角のように注文の一部しか他の投資家に見えないため、板の薄い銘柄の取引や大口注文を目立たせなくない場合に有効です。

スナイパー注文

スナイパー注文では、指定した価格の気配が表示されるまで発注せずに待機し、表示された瞬間に発注する機能。未約定部分があれば取り消し、再度待機状態になります。自分の注文を他の投資家に見せなくできるので、あまり取引が活発でない銘柄を売買する場合に有効です。

トレイリング注文

逆指値注文(損切りライン)を設定しつつ、株価が自分にとって有利な方向に動いた場合、逆指値価格を自動で修正する注文。損失を最小限に抑えながら、利益を伸ばせます。

リザーブ注文

株価や日時を指定して発注できる注文。30営業日先まで設定できるので、実質的に約1ヶ月半先まで設定できます。経済指標や決算発表に合わせて取引する場合などに便利。あらかじめ注文をだすタイミングの予約ができるので、発注タイミングを逃さないというメリットがあるからです。

リンク注文

最大10個の注文を続けて登録できる機能。前の注文が約定したら、次の注文を自動で発注してくれます。相場や約定結果を見ていなくても取引できるので、平日忙しい人でも、土日などに気になる銘柄をまとめてセットしておけば大丈夫です。

個人投資家はアルゴリズム取引に対してどう向き合えばいいのか

アルゴリズム取引が個人投資家を食い物にしているように書かれることもありますが、それは間違いです。アルゴリズム取引は、これまで金融機関のディーラーやトレーダーが人の手で行っていた業務の自動化および高速化です。ですから、個人投資家を罠にはめて収益をかすめ取るような取引ではありません。

東京証券取引所の約7割はコロケーションサービスを利用した高速取引で占められていますが、そのほとんどはマーケット・メイキング・アルゴリズムおよび執行型のアルゴリズムで、個人投資家を狙い撃ちするような仕組みは備えていないのです。

2010年の米国株式市場におけるフラッシュクラッシュのように、数秒間で株が叩き売られて暴落すればアルゴリズム取引の影響が疑われますが、当時と比べてアルゴリズム取引の流動性供給量は増えています。ですから、市場の動揺は緩和されています。アルゴリズム取引によって、流動性が高まるというプラスの面も考えるべきです。

まとめ

株式や為替市場では、アルゴリズム取引の存在感が高まっています。ただ、そのほとんどはマーケットメイキングや執行系アルゴリズムで、相場をかき乱すものではありません。個人投資家でも、楽天証券などでアルゴリズム取引を実行することができるようになったので、うまく利用するようにしましょう。

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