ドル円150円突破!円安をチャンスに変えるには?〜円安のメリット、デメリットについても解説〜

はじめに

円安が進行しています。10月13日には1ドル147円を付け、年初の113円に比べて30%の円安となりました。

なぜ、円安がここまで進んでしまったのでしょうか。また、今後の円ドル相場はどうなるのでしょうか。ここでは、円安に伴うメリット(良い影響)、デメリット(悪い影響)をマクロ経済面及び企業活動の面から整理してみました。

物事はどのようなことであれプラス面、マイナス面がありますが、短期的な行き過ぎはファンダメンタルズ(経済の基礎的要因)にショックをもたらすこともあります。

円安進行の背景とは

為替相場は様々な要因によって動いています。第1は金利格差、第2は経済力、そして第3は政治や社会情勢ということになります。勿論、為替相場はこのほかにも様々な要因によって動くことになります。

昔から言われているのは「有事のドル買い」、「有事の円買い」等です。有事のドル買いとは、戦争や紛争の勃発や経済危機のような場合、基軸通貨であるドルを選好することからきています。また、有事の円買いとは、リーマンショックのように米国が危機に陥ったとき、世界最大の対外純資産国である日本円が買われるということを意味しています。

今回の場合、米国の金利引き上げによって日米金利差が開いてきたため、円を売ってドルを買うという動きが継続的な円安に繋がってきたのではないでしょうか。

今後の円ドル相場の見方

今後の円ドル相場については、いろいろな見方があります。日米金利差から引き続き円安が進み、1ドル150円を突破し、160円に向かうといった見方です。もう一つは、あまりに円安が進むと輸入物価上昇等を通じて日本経済が大きなダメージを受けてしまうので、国際協調によって円安に歯止めを掛けて、一定程度の水準を維持するといった見方です。

米国は金利引き上げ・金融引き締め政策を維持する一方で、我が国は低金利・金融緩和政策を続けるとみられているので、前者すなわち一段の円安に向かうとの見方が大勢です。後者の見方は少数派ですが、米国にとっても同盟国である日本の経済が大きく損なわれることは歓迎しないと思われます。したがって、円高方向に反転しないまでも現状水準からの円安方向を容認しない可能性があります。

また、来年4月は、黒田日銀総裁の任期満了となります。後任が誰になるかも為替相場にとっての大きな関心事となるでしょう。

円安によるメリット

円安が進むと輸入物価が上昇し、人々の生活が苦しくなるといった意見が聞かれます。

確かにその通りなのですが、一方で円安によるメリットも考えられます。まず、円の価値が下がることによって、海外の投資家・富裕層・企業が「日本の不動産は割安だ」、「日本企業は割安だ」と判断して、日本の不動産や日本株を購入する可能性が高くなると考えられます。

海外投資家・富裕層・企業は、投資(購買)判断として、自国通貨ベースで考えることが多く、現状の円安水準は投資(購入)の絶好のチャンスであると捉えられています。

また、円安進行で外国人観光客や出張に伴う入国者が増えると予想されています。このため、ホテルの稼働率が高まり、飲食・サービス・交通系企業の売上高増大が予想されます。我が国では10月11日より、入国制限を大幅に緩和しました。既に、観光地には外国人観光客が押し寄せており、街なかでは「爆買い」も起こっているようです。

円安のデメリット

それでは、円安のデメリットはどうでしょうか。円安進行によって、物価が上昇し、金利上昇圧力が強まるため、国内景気が後退し、企業の設備投資抑制、個人の住宅購入マインド低下といった現象が起こります。

賃金上昇を伴わない物価上昇か続くと、人々は生活防衛のため消費を抑制し、さらに景気が冷え込むという負のスパイラルに陥ってしまいます。

また、日本の不動産が海外投資家・富裕層に買い占められてしまうことによって、文化の軋轢(あつれき)が起こってしまうかもしれません。こうなると、日本は外国の属国となってしまい、日本文化の良さが失われてしまいます。

円安をチャンスに変えるには

円安は輸出産業・企業にとってはビジネスチャンスとなります。

我が国の場合、輸出産業と言えば、自動車・同部品、半導体等の電子部品、鉄鋼、半導体製造装置等となっています。勿論、国際競争力のあるこうした製品の輸出に注力することは必要ですが、新たな市場開拓を進めることも大切です。

我が国の農産物、食料品は国際的にみても高品質であり、海外市場を開拓する余地は非常に大きいとみられています。

円安に伴って、今まで見過ごされてきた新たな成長分野を発掘するといった視点が求められることになるのではないでしょうか。

(2022年10月14日記)

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