目次
はじめに
河野太郎行政改革・規制改革相が行政手続きのはんこ廃止を呼びかけたことが話題になっています。
河野氏は2020年10月1日に報道各社のインタビューに応じて、800もの行政手続きではんこを廃止する見通しを発表しました。
行政手続きで押印を廃止できない場合は、なぜ廃止できないのか理由を求めるのだとか。
日本人が慣れ親しんだはんこ文化がこの2020年に急速な動きを見せています。
はんこ廃止は富裕層にもメリットがあるのか、行政手続きの脱はんこの動きから考えてみましょう。
日本のはんこ文化の歴史とは
日本最古のはんこは歴史の教科書にも登場する「漢倭奴国王」の金印だといわれています。
はんこは政治の支配者や行政として仕事をする人たちに使われ、やがて平安時代や鎌倉時代になると個人の印章としても使われるようになりました。
明治に入ると法律に従ってはんこが管理されるようになり、やがて印鑑登録制度が導入されるにいたりました。
世界的に見ると、はんこは非常に古い歴史を持っています。
はんこの起源は古代メソポタミア文明だといわれており、粘土板に押して使っていたそうです。
その後、エジプトやローマなどにはんこが伝わりましたが、今日の欧米諸国でははんこは使われていません。
欧米諸国では主にサインが使われています。
日本で使われているはんこ文化を辿っていくと、5,000年以上前のメソポタミアにたどり着くということです。
はんこ廃止は富裕層にもメリットがあるのか
古くから使われていたはんこは、富裕層にもなじみ深いものです。
不動産の購入や売却でもはんこは登場します。銀行での手続きなどでもはんこが必要です。
富裕層の中には会社の経営層の方も少なくないでしょう。
会社の取締役会議事録などでもはんこは必要になりますし、会社間の取引や手続きでもはんこは重要な役割を果たします。
行政手続きの脱はんこの動きに連動して各種の手続きでも脱はんこの動きが強くなる可能性があるはずです。
はんこが廃止になると、富裕層にもメリットはあるのでしょうか。
メリット①はんこの管理が楽になる
脱はんこの動きが強くなれば、手続きの中に占めるはんこの重要度は下がります。
そして、今まではんこが必要だった手続きもはんこ不要になる可能性があるのです。
富裕層は銀行口座や不動産を多く所持しているケースが少なくありません。
それぞれの手続きに使うはんこが不要になれば、はんこの管理が格段に楽になるはずです。
はんこの管理場所を考える必要もなくなるかもしれません。
メリット②会社を含めて諸手続きが楽になる
脱はんこの動きが強くなれば、今まではんこが必要だった会社間の取引や手続きにもはんこが不要になるかもしれません。
会社のはんこに気を回さなくて済むということです。
また、はんこが不要になれば、はんこを押すために管理職が出社しなければならないという煩わしさもありません。
新型コロナ禍の中では「はんこを押すためだけに出社しなければならない」というはんこの煩わしさが問題になりましたが、脱はんこの動きが強くなると、このような煩わしさからも解放される可能性があります。
はんこを押すために出社せずに済めば、会社役員や管理職なども在宅ワークが容易になる可能性があるのです。
メリット③申請などの手続きスピードがアップする
事業を営んでいると補助金などを申請する機会もあるのではないでしょうか。
補助金などは申請後に月単位の時間がかかることも珍しくありません。
今回の脱はんこの動きに合わせて行政の事務処理スピードも上がれば、会社経営などに必要になる補助金や助成金などが支給されるスピードもあがる可能性があります。
まとめ
河野太郎行政改革・規制改革相の発言を受けてはんこ廃止の動きが強まっています。
行政手続きではんこが廃止されれば、企業やサービスの方でも追従する動きが出る可能性があります。
はんこと手続きの関係は今度どうなるのか、チェックしておきたいものです。