はじめに
“スーパーシティ法案”この言葉を聞かれたことがある方は多いはずです。
SNSを中心に多く拡散され、若い世代からの注目度も高い話題であると言えるでしょう。
そんなスーパーシティ法案について今回は、そもそもどういった法案なのか、なぜ反対されているのかなどについてお伝えしていこうと思います。
スーパーシティ法案とは
2020年5月27日に衆議院本会議で成立したスーパーシティ法案。SNS上では「スーパーシティ法案に反対します。」「スーパーシティ法案に抗議します。」などの声が多く寄せられていました。
そもそもスーパーシティ法案とは、国家戦略特区法改正案のことであり、正式には「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案」です。この法案で何を行おうとしているのか、それは国家特別戦略区域に関する法律の“特例に関する措置”を追加しようという法案です。
そもそも国家特別戦略特区と聞けば少し物騒なイメージをされる方もいるかもしれませんが、まったく異なります。国家特別戦略特区とは、“世界で一番ビジネスをしやすい環境作り”を目的とし、ある定められた区域のことを指します。
国家特別戦略特区では、大胆な規制や制度の緩和、税制面での優遇などを行う規制改革制度です。2014年度に初めて特区が指定されて以降、2019年3月時点で10区域が指定されています。
北は北海道から南は沖縄県まで、幅広い区域が指定されているのが特徴であり、さまざまな恩恵を受けている方も少なくはありません。そんな国家特別戦略特区に関する法律の特例に関する措置を追加しようとする法案が、スーパーシティ法案ということでした。
スーパーシティ法案の問題点
なぜスーパーシティ法案が抗議の対象となってしまっているのか。
それは、“情報の一本化”が問題視されているからです。スーパーシティ法案の成立によって、近未来的なまちづくりが行われることとなりました。ところが、近未来的なまちづくりによって懸念すべきことは「個人情報の取り扱い」ということになります。
例えば、既存の病気情報や住所などの情報、家族などの情報、犯罪歴の情報など、人それぞれさまざまな情報を所有しているはずです。そしてこれらの情報はあくまでも各関係機関のみで保存されている情報です。
既存の病気に関する情報であれば、その病院で情報を保存していますし、住所などの情報は役所などで管理を行っています。ところが、近未来的なまちづくりを行うことで、利便性が向上する反面、情報の一本化が進むと考えられています。
他にもたくさんの問題点が指摘されているスーパーシティ法案ですが、一番の問題点は、情報の取り扱いに関すること。ということでした。
スーパーシティ法案成立で日本はどう変わる
スーパーシティ法案の成立によって、一言で言えば「2030年の暮らしがすぐにでも訪れる」ということでしょう。
キャッシュレス決済や自動運転、ワンスオンリー化などあらゆる分野で「デジタル化」することで、人々の暮らしが豊かになります。2030年には、あらゆる分野でのデジタル化が進んでいるとされていますが、それらの暮らしが前倒しになると考えられています。
まとめ
今回、スーパーシティ法案についてお伝えしてきました。
スーパーシティ法案は、SNS上などで多く拡散されていたり、報道番組でも多く報道されたりしていたため、見聞きしたことがある方も多いはず。しかし、情報の一本化や監視されているような構想によって、多くの批判を集める結果となりました。
スーパーシティ法案は衆議院本会議で成立してしまいましたが、近未来的な生活がすぐそこに来ているのであれば、悪くもない話ではないでしょうか。