2018
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最終更新日:2018/12/03

ここ最近、テレビやネットのニュースで「仮想通貨」という単語を見ない日はありません。大規模な通貨流出でも話題になりましたが、投資家にとってまったく新しく魅力的な市場であることは間違いないでしょう。

世界中での盛り上がりはもはや流行と言っても差し支えありません。今さらですが、仮想通貨はどうしてここまで浸透したのでしょうか?

便利さと価値は全世界が認めたものの、仮想通貨にはリスクがつきものです。このコラムでは、仮想通貨がどうしてこんなに流通したのか、投資家にとって仮想通貨とはどんな魅力があるのかを改めて考えていきます。

仮想通貨の特徴は「自由」

日本のお金は円、アメリカのお金はドルといったように、各国には法定通貨が存在します。国に管理されたお金にはそれ相応の信頼がありますし、安定した価値があるのでどこでも使えますね。

それに対し、仮想通貨はまったく新しい発想で、その価値も国に縛られません。全世界共通の価値を持つので「円高ドル安」などの格差は生じませんし、仮想通貨の価値を決めるのは一人一人の持ち主の投資行動です。

後述しますが、デメリットも多い反面、法定通貨にはない自由な変動性を持っています。少額から投資した結果、億万長者になれる可能性もあるわけです。すべて自己責任ですが、その自由さが仮想通貨の最大の特徴と言えるでしょう。

メリットとデメリット

仮想通貨には、「投資」としての価値と「実際に使用すること」としての価値があります。仮想通貨がこれほどの大流行をしたのは、主に投資としてのメリットが大きかったからでしょう。

法定通貨は一定の価値があることにこそ意味がありますが、仮想通貨は価格変動が激しく、利率が非常に高いのが特徴です。有名な仮想通貨「ビットコイン」を例にとると、取引開始直後にビットコインを1万円分投資購入した人は、計算上2017年3月時点で2億円を軽く超える資産になっているのです。10万円、100万円単位で所持していれば、とんでもない価値になります。

その他、海外に送金した時に両替の必要もなくスピーディーな決済ができる、為替ルートの変動を受けない等々、メリットはたくさんあります。デメリットは暴落して価値が下がると取り返しがつかない点でしょう。極端ですが、1億円分購入した仮想通貨の価値が、翌日には1万円になっている可能性もあるということです。

流行した理由は「将来性」

投資の側面から見れば、仮想通貨は大きなリスクもはらんでいるはず。それでもこんなに流行したのは、仮想通貨には大きな将来性があるからでしょう。実際に使う目的で保有している人は、活発に海外と取引をする通販業者や一部の人のみのようです。ほとんどの保有者が投資目的で仮想通貨を保有しています。

仮想通貨はまだまだ日本国内で実際使用する場が限られますが、将来的には世界通貨として「法定通貨か仮想通貨か」を選べるようになるでしょう。さらに、どの仮想通貨を保有するかは個人のセンスに委ねられます。投資家はその将来性にロマンを感じてしまうようです。

また、2017年4月には「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律案」が成立し、日本国内で仮想通貨への法整備が着々と進んでいます。

【参考】
金融庁 第190回国会における金融庁関連法律案
https://www.fsa.go.jp/common/diet/190/

また、三菱UFJなど国内でもよく知られた銀行が独自の仮想通貨を発行し、一般購入が出来るようになったり、名の知れた大企業が続々仮想通貨市場に参入しています。このことからも、日本で仮想通貨が主流になる将来性を感じることができます。

仮想通貨元年を経た今、冷静に仮想通貨を考えよう

投資家の間で2017年は「仮想通貨元年」と呼ばれています。億万長者が続々とうまれ、「億り人(おくりびと)」というシャレにならない呼び名まで流行しました。

注意したい点は、やはり仮想通貨がハイリスクハイリターンであるということです。自由な変動が最大の魅力とはいえ、その変動は一部の投資家やFXトレーダーによって操作されている感も否めません。

仮想通貨は2018年現在世界で1500種類を超え、日本国内の仮想通貨取引所に上場している物だけでも14種類あります。国内で上場されている仮想通貨は詐欺のリスクや極端な脆弱性が少ないものの、その選択は自己責任。もし投資をお考えの方は、じっくりとその価値を見定めてからにしてください。

【参考】
仮想通貨の種類一覧とおすすめ銘柄ランキング【2018年最新】
http://vtuka.jp/ichirann

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
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超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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