2020
05/26
経済・マーケット

はじめに

新型コロナウイルスの克服に、世界中の科学者達が取り組んでいます。

まずは効果的な治療薬を開発すること、そして最終的にはワクチンの開発を目指しています。ワクチンが開発されるまで、旅行やレジャー産業が元の状態に戻ることはありません。

ワクチンが開発されるまでは、新型コロナウイルスの治療薬により何とか対処していくしかないのです。

1.ワクチンはいつ完成するのか

ほとんどの専門家は、ワクチンが完成するのはおよそ18か月後とみています。ワクチンが完成するまでの対処療法として、多くの人々は、米国の大手製薬会社ギリアド・サイエンシズのレムデシビルに期待しています。

日本では富士フィルムのアビガンが効果的と言われていますが、世界的な視点で見た場合にはアビガンは無名であり、レムデシビルに注目が集まっています。

日本では5月7日、厚生労働省が薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会をweb会議形式で開催し、レムデシビルを特例承認しました。

ギリアド・サイエンシズは12日、レムデシビルの生産拡大に向け、後発薬メーカー5社とライセンス契約を結んだと発表しました。後発薬各社は新興国を中心とした127カ国向けに同薬を供給します。ギリアドは当面ライセンス料を徴収しない方針であり、各国での販売価格は後発薬各社が決めるとしています。

レムデシビルは確かに効果的かもしれませんが、新型コロナウイルスに対する唯一の解決法ではありません。

ワクチンが完成するまで、コロナウイルスの治療に役立つかもしれない2つの新しい方法が、最近明らかになりました。

2.新型コロナウイルスのクローン抗体

一つ目の新しい治療法は新型コロナウイルスのクローン抗体です。

中国の研究者らは、回復した新型コロナウイルス患者から、クローン抗体の製造に成功したとするレポートを発表しました。このクローン抗体は、新型コロナウイルスが試験管の細胞受容体と結合するのを防ぐのに成功したとのことです。

この治療法は、新型コロナウイルスから回復した患者の血漿を使用し、それを新しい患者に注入するというものです。この治療法は期待できるかもしれませんが、新型コロナウイルスから回復した人の人数はそれ程多くないため、現在感染している多くの人々に投与するための血漿を十分に得るのは難しいかもしれません。

また、この実験は、実際の患者を対象としたものではありません。あくまでも研究室での実験です。

研究はまだ初期段階にあり、合成抗体がヒトに有効かどうかはまだわかりません。また、クローン抗体は比較的新しい治療法であり、クローン抗体の製造に莫大な費用がかかる可能性があります。

それでも、クローン抗体が今年後半にヒトの治験で有効であることが判明した場合、政府、財団、および民間企業が、この潜在的な治療薬の製造に多額の投資をすることは確かです。

3.紫外線

による対応
「紫外線で新型コロナウイルスを治療できる」とトランプ大統領は主張しています。

実際、紫外線が公共スペースにおける空気中のウイルスを中和できるという考えには一定の支持があります。もしこの事実が証明されれば、多くの人々が参加するスタジアムやアリーナを開放するのに役立ちます。

サイエンティフィック・レポートの2018年1月の論文によると、エアロゾル化されたH1N1インフルエンザの95%は、UVCライトにより中和することができます。しかし、紫外線は皮膚や目に害を及ぼす可能性があるため、これまで人々が密集した環境では使用されていませんでした。

しかし、研究によると、波長が207から222ナノメートルのUVCライトは、目や皮膚に害を与えることなく細菌を効果的に不活性化することができました。

論文には「紫外線の光は人間の皮膚や目の外層さえも透過できないが、バクテリアやウイルスはマイクロメートル以下の大きさなので、UVCライトはそれらを透過して不活性化できる。私たちは、エアロゾル化されたH1N1インフルエンザウイルスの95%以上を不活性化することに成功した」と書かれています。

同論文はさらに「屋内の公共の場所にあるUVCライトは、ウイルスの蔓延を減らすための有望で安全かつ安価なツールである」と結論づけています。

4.まとめ

最近の株式市場は、新型コロナウイルスに対する有望な医療ニュースと希望的観測の消滅のはざまで揺れ動く傾向にあります。

マーケットには、各国の金融緩和によりマネーが余っています。しかし、新型コロナウイルスの先行きが不透明なため、そのマネーが投資に回っていない状況にあります。あの世界一の投資家ウォーレン・バフェットでさえも様子見を続けています。

もし、これらの新型コロナウイルスの治療法がうまくいき、ワクチンの開発が成功すれば株式相場は一気に上昇するはずです。

旅行、レジャー、または航空会社の株式を、相場の底で買おうとしている方は、レムデシビルとこれらの新しい治療法の両方の動向を注視する必要があります。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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