はじめに
2020年歴史の1ページになるであろう世界的危機、新型コロナウイルス感染症が大流行しています。
世界的な危機が起これば需要が高まる安全資産“金”について、高騰する理由と現在の価格について紹介します。
新型コロナで金の価格が高騰
現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、金の需要が増しているため、金の価格が高騰しています。
そもそも金は、安全資産とも言われており、世界的に経済危機が訪れた際には、価格が高騰します。
2020年4月末日での金の価格は6,521円/gとかなりの高額で、4月13日には40年ぶりの高値を更新しました。
しかし、金の価値が高騰する反面、価格が大暴落しているものもあります。
それは、原油です。最近では、ガソリンスタンドで入れるレギュラーガソリンの価格が100円台のところも珍しくはありません。
軽油や灯油などの燃料に関しては、100円を切るほどの価格で販売されています。
しかし過去には、原油価格と金の価格は、特別な相関性があるとも言われていました。
つまり、金の価格が高騰すれば、原油の価格も高騰するし、金の価格が下がれば、原油価格も下がるというものでした。
しかし現在は、金は高騰しているにも関わらず、原油価格は暴落しています。
そもそも、2014年後半以降から金と原油価格の相関性が薄れてきていました。
その原因として考えられるのは、2014年後半以降に起きた原油価格の急落です。
2014年の原油価格の急落に伴い、金の価格も下がりはしましたが、限定的なものでした。
この頃から相関性は薄れていき、現在では、相関性は一切なくなっています。
金の価格が高騰する理由
では、原油価格は下がっているにも関わらず、金の価値が高騰している理由は何でしょうか。
結局は“需要”の問題です。
新型コロナウイルス感染症の影響により、原油に対する需要が少ないため、価格が下がっています。
反対に、世界的な経済危機である現在は、金の需要が高騰しています。
結果として、金の価値は上がり、原油の価格は下落しているということになります。
また、金の特徴として“現物資産”であることも、価格高騰の一因です。
金は保有していても、利息などは一切付きません。
しかし、債券や現金とは異なり、金そのものに価値があるため、たとえ国が破綻しても金の価値は残ります。
金は、“安全資産”であるがゆえに、戦争や自然災害など、世界的経済危機が発生すると需要が増す傾向にあります。
金の値段と他の貴金属の値段
金と同じく、銀やプラチナなどの貴金属も“安全資産”と言われています。
金の価格は、先程も紹介したように4月末日時点で6,521円/gでした。
では、銀やプラチナの価格はどのように推移しているのでしょうか。
4月末日時点 銀の価格 60.28円/g
4月末日時点 プラチナの価格 3,036円/g
銀の価値はほとんど変わらず、プラチナの価値は下落傾向にあります。
新型コロナウイルス感染症の渦中、安全資産と言われる銀やプラチナの価値が高騰しない理由は何でしょうか。
そもそもプラチナは、ほとんどが工業用と使用されているため、“好景気”に上昇する傾向にあるためです。
銀についても、使途のほとんどが工業用であるため、コロナ渦中では高騰しません。
ただし、銀に関しては金と同じ方向に動く性質を少なからず有しています。
コロナ渦中で極端な値下がりがない理由も、相関性が関係しているのかもしれません。
まとめ
今回は、新型コロナウイルス感染症で高騰する金について紹介しました。
金は、世界的に認められている安全資産であるため、新型コロナのような危機があれば価格は高騰します。
しかし、プラチナは金とは相反し、好景気時に価格が高騰し、不景気時には値段が下がりやすい傾向にあります。
銀については、金とプラチナの両方の変動要因を有しています。
独自の要因がなくても、動く可能性がありますので、注目しておきたいところです。