はじめに
みなさんは、世界一の投資家の名前をご存じでしょうか。それは、オマハの賢人、ウォーレン・バフェットです。
バフェットの投資手法について、少しご説明したいと思います。
彼の師匠はベンジャミン・グレアムという人物です。グレアムは「割安株に投資すべきだ。そうすればいつかその株は本来の価値で評価される」という考え方でした。
その教えに従い、バフェットは投資当初は割安株ばかりに投資していました。業種についてはあまり考えず、バークシャーハサウェイという繊維工場に投資をしたのです。
しかし、このバークシャーハサウェイという株式は、時代のニーズと全くあっていない繊維会社であったために、ちっとも値上がりしませんでした。
ここで、バフェットははたと気づきます。
「単に割安株を買うだけではだめだ。成長が見込める株式を適正な価格で取得することが大事なのだ」
ここから、バフェットの投資スタイルは変化していきます。繊維会社であったバークシャーハサウェイの繊維事業を廃止し、投資会社に鞍替えし、成長株に積極的に投資していきます。
そして、不況がやってきたときには「人々が買いたいと思っているときには買いを抑え、人々が恐る恐る行動しているときには一気に勝負をかける」という考えで、積極的に投資を行ってきました。
もちろん、このコロナショックの相場においても彼は大きく買い越しているはずです。そう思って、彼の行動を調べてみたところ、なんと彼は株式を売却していました。
以下、彼の行動についてみていきたいと思います。
1.航空会社の株式を売却
バフェットが最近行った動きとしては、航空会社株の売却があります。SECへの提出書類を通じて、バークシャーが過去数週間に航空会社株を売却していたことがわかりました。
提出書類によれば、バークシャーはデルタ航空の約1300万株とサウスウエスト航空の230万株を売却しています。バフェットは、航空会社への信頼を失っているようです。
2.銀行株を売却
バフェットが航空株の一部を売却した数日後、彼はバンク・オブ・ニューヨーク・メロンの株式を約86万株売却しています。彼は、銀行株に対しても後ろ向きのようです。
これは、今後不良債権の積み上がりが予想されるからだと思われます。
3.バフェットは多くの現金を調達
バフェットは、2019年末時点でおよそ1,280億ドルの巨額の現金を保有しています。しかし、バフェットと彼のチームが行っているのは、さらなる資金調達です。
具体的には、バークシャーは海外の債券市場を利用しています。3月初旬、バークシャーは総額11億ドル近くの米ドル建ての債券をヨーロッパで発行しています。ヨーロッパの非常に低い金利環境を利用し、バークシャーはクーポン0%の5年債を発行しています。
4.バフェットのしたいこと
おそらく、バフェットはこの機会を何年も待ち続けていたのでしょう。割高だったために買うことができなかった株式の大量購入を計画しているものと思われます。
まとめ
今回のコロナ相場は、100年に一度の相場であり、バフェットの残り短い人生を考えた時には、本当に最後のチャンスになるかと思います。
彼のポートフォリオにおいて一番の占率を占める保有銘柄はアップルであり、彼は「アップルのすべてを買いたい」と述べています。このチャンスを活かして、アップル株式を大幅に買い越すのではないでしょうか。
また、彼はコカ・コーラのような安定して成長し、配当をだす銘柄も好みます。コカ・コーラ株も大幅に買い越されるのではないでしょうか。