こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回は富裕層の方が実際に投資している4タイプの不動産を比較しながら説明します。
この記事を、ご自身はどの不動産に投資すればいいのかの目安にしていただければと思います。
目次
4タイプの一棟不動産比較
では、さっそく4タイプの一棟不動産を比較していきます。
まずは4タイプの富裕層の方の不動産投資をまとめた表がこちらになります。
世古口「表にはいろいろな項目がありますが、まずこの表について簡単に教えていただけますか?」
中武「表の一番左が、その方の求めている投資の方向性です。その右隣が立地の部分ですね。1つの区はかなり大きいので、主要な駅から徒歩10分くらいを目安にしています。次が収益性、表面利回りで表しています。その次が物件の種類や構造で、さらに見事なりが投資金額です」
世古口「タイプというのは富裕層の方が資産性、収益性のどちらをどれくらい重視しているかによって4つに分かれているというイメージでしょうか?」
中武「はい。そのイメージで考えていただいて大丈夫です」
世古口「上にいけば行くほど資産性重視。下にいけば行くほど収益性重視というイメージですね?」
中武「はい」
① 資産性超重視型
世古口「では、さっそく各タイプごとの特徴などを見ていければと思うのですが、まずは一番上の資産性を特に重視している資産性超重視型から説明をお願いいたします」
中武「まず立地は東京3区と言われる千代田区・港区・中央区、23区の中でも山手線の内側の本当に一番真ん中のところです。そこがいわゆる資産性超重視型の立地になっています。表面利回りの目安としては3%台くらいです。種類・構造は一棟RCマンションになっています。金額の目安としては8億円以上です。もちろんブレはあると思いますが、ひとつの目安として見ていただければと思います」
世古口「かなり限定的な立地の不動産にはなりますが、今ものすごく価格が上昇しているのはタワマンとかだと聞きますけど、こういった物件はそこまでではないという感じでしょうか」
中武「そうですね。収益性の一棟ものの物件は、いわゆるタワマンとかそのあたりの物件よりは値上がりはしていなくてですね、あちらは実需と言われるご自身が住む用の物件なわけです。あとは投機用というイメージでしょうか。ですがこちらは収益を生みながら保有していくというタイプです。タワマンは5、6年前と比較して2倍くらいになっていると思います。ですが一棟ものは2倍まではいっていないかと思います。理由としては、一棟ものに関してはやはり利回りベースで価格が基本的には決定されていきます。経済合理性に沿って価格が形成されていくと。対して自分が住む用の実需の物件は、欲しい、住みたいという欲望的なところで価格が決定されていくところがあります。もちろん資材の高騰やインフレなどいろいろな要因もありますが、収益性で値段が決定されていくというところから、2倍まではいかなくても、1.5倍くらいまでで留まっているかなという感覚です」
世古口「そういうところは利回りにも現れていますね。タワマンの利回りは今だと2%台ですよね」
中武「投資しようと思ったらそうですね」
世古口「一棟マンションだと東京3区でも表面利回り3%くらいはまだあるということですね」
中武「はい。あるケースが多いと思います」
世古口「ただ、物件金額8億円以上となると、すべての富裕層の方が投資できるわけではなくて、かなり限定的にはなりますよね」
中武「はい。実際に投資している方ですと、資産数十億円以上とかの資産クラスの方が多いイメージです」
世古口「こちらがひとつ目のタイプ、資産性超重視タイプになっています」
② 資産性重視型
世古口「次に資産性を重視している資産性重視型はどうでしょうか」
中武「上の東京3区より若干劣るイメージではありますが、それでもすごく有名な駅であったり、有名な立地であったりする場所です。それが東京7区ですね。新宿区や渋谷区、文京区、目黒区、世田谷区、豊島区、品川区、これが表面利回りざっくり4%前半くらいが目安になっています。同じく構造は一棟RCマンションで、金額の目安としては4億円以上になってくるかなと思います」
世古口「資産性超重視型よりは取り組みやすいイメージですね」
中武「そうですね。金額としても4億円くらいから投資できますし」
世古口「資産性超重視型が数十億円以上の資産背景の方が主な投資家だとすると、資産性重視型はどうですかね。10億円くらいの方でも投資できるイメージでしょうか」
中武「資産規模でいくと10億円前後の方が一番投資されているなという印象です」
③ 資産性・収益性バランス型
世古口「その下の3行目、資産性・収益性バランス型ということで、資産性と収益性を半々くらいで重視しているようなバランスを取ったタイプです。こちらはどうでしょうか?」
中武「立地としては上2件の東京23区外というイメージです。東京13区。具体的には江東区、台東区、中野区、大田区、北区、杉並区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、江戸川区、葛飾区、墨田区です。もちろん各区によって結構差があったりするのですが、ここでは一旦一括りにさせてください。表面利回りとしては4%後半がひとつに目安になっています。このあたりからは、一棟RCマンションは大前提として、一棟鉄骨造マンションも現実的に投資可能です。金額としては2億円以上がひとつの目安ですね」
世古口「かなり親しみが増して、少し下町っぽいですね。ただこういうエリアの物件需要がしっかりした物件であれば、収益も賃料もしっかり取れそうですし、資産性としても悪くなさそうです。まさにバランス型という感じですかね」
中武「この資産性・収益性バランス型の区に投資される方が一番多いと思います。金額の部分もそうですが、4%後半くらいの利回りも取っていきながらですし、このくらいになると借入というところも上2つと比較して大分しやすくなります」
世古口「やはり不動産投資の目的として多いのがインカムゲイン、定期収入を得たいという方が一番多いと思いますので、バランス型は4%後半くらいあるということは、それにもかないそうですね。あとは物件金額2億円以上ということですので、資産背景的に5億円前後くらいまでの富裕層の方でも取り組めそうな感じという理解でいいでしょうか」
中武「そのくらいの資産クラスの方が投資するケースが多いかなと思います」
中武「立地的にも利回り的にも金額的にも投資しやすいということで、一番需要があるのが3つ目のタイプという感じですかね」
④ 収益性重視型
世古口「では最後のタイプ、収益性重視型ということで、こちらは資産性より収益性を重視しているタイプだと思うのですが、こちらはいかがでしょうか」
中武「こちらは東京の中でいくと23区外、他各地の主要都市です。1都3県から愛知までであったりとか、大阪・北海道の物件が該当してくるかなと思います。ただ、一棟RCマンションであればそんなに変わらないところは正直ありますが、目安としては表面利回り5%以上です。このあたりからは一棟RCマンション、一棟鉄骨造マンション、一棟木造マンションなども入ってくるかと思います。金額としては1億円以上です」
世古口「収益性重視型くらいになると、1億円以上になってさらに取り組みやすくなる感じですか?」
中武「はい。種類・構造もいろいろ選択肢があるかと思いますので、たとえば最近、世古口さんが投資された木造アパートであれば利回り6.5%くらいだったかなと思いますし、北海道の一棟RCマンションであれば5%少しくらいの利回りは取れるかなと思います。収益性を重視して、若干、立地を落としている投資種類かなと思います」
世古口「インカムゲインがたくさん欲しいという方であったり、目標リターンが高い方だったりすると、収益性重視型を選ぶ方はそれなりに多いということですね」
中武「はい」
世古口「というのが資産性・収益性のバランスで分けられる4タイプから選ばれる一棟不動産の比較表になります。私たちの富裕層のお客様で実際に投資いただく事例を見て、傾向的にどのタイプの方が多いでしょう?」
中武「圧倒的に資産性・収益性のバランス型タイプの方が多いかなと思っています。物件の金額だと3億円前後くらいのイメージです。もしくは資産性重視型の4億円以上というところ。ここの2つのタイプが非常に多いかなという印象です」
世古口「そうですよね。やっぱり富裕層の方だと立地もそれなりにいい方がいいと思っていますし、収益性、利回りもそれなりにあった方がインカムゲインにもかなうし、投資金額も手頃な真ん中2つのタイプに結構集約されることが多いということですか?」
中武「はい」
世古口「あとはこの表の使い方としては、ご自身がどの立地とか利回りとか、タイプの考え方なのかあたりをつけて、自分が資産性重視型だなと思ったとしたら大体こういった立地で東京7区の中で探して、利回り4%前半とか金額4億円以上とかの基準で考えて、それからご自身が投資されるべき物件を具体的に探していくというイメージでよろしいでしょうか?」
中武「はい。逆に言うとこの表から大幅にお考えであったりとか、狙う物件がずれていると、何年かかっても探せないという状況を招いてしまうのかなと思います。ひとつの目安としていただければと思います」
世古口「港区で超重視型の立地ですが、目標利回りが4%後半とかだと相場とかなりずれているから、そういうふうに探しても絶対に見つからないという話ですよね」
中武「そういうことです、はい」
世古口「そういう場合は投資を諦めるとか、現実とすり合わせて現実的な目標にするとか、そういう調整が必要ですね」
中武「はい」
富裕層が投資する4タイプの一棟不動産を比較|まとめ
世古口「ということで、今回は4タイプの一棟不動産の比較表を使ってお話をさせていただきました。最後に今回のまとめができればと思います」
まとめ①自分にあった一棟不動産タイプを見つける
中武「先ほどの表を目安にしてどのタイプの不動産が自分に合っているかを探していくところが重要だと思います。これは不動産投資の目的によってくるとは思うのですが、純投資として投資されるのか、資産配分の一環として投資されるのか、はたまた相続対策の一環として投資されるのか、というところが大事だと思います。自分にはどのタイプ合っていて適しているのかを見つけていくのが大事かなと思います」
世古口「自分がどういった不動産を求めているのか分からずに探していても、見つかる可能性は低いということですね」
中武「はい。自分がどういうタイプがいいのかをまず決めないとです。たとえばいい物件が出てきましたとなったときに、その物件がいい物件なのかという判断もまったくできないと思います。アドバイザーと相談しながらでもいいですし、ご自身で勉強しながらでもいいと思いますので、ある程度自分の中で目安を見つけて、まずは自分に合ったタイプを見つけるということが大事です」
世古口「確かに。自分が何者なのかをまずは知ってから具体的に物件を探すことが大事ということですね」
まとめ②タイプごとの特徴にあった具体的な物件を探す
中武「今お見せした表に関しては本当に目安です。なので、たとえば〇〇区でもすごく資産性が高い物件もあれば、若干見劣りする物件もあったりします。ここのタイプを決めた後は具体的にこの金額で、この立地で、というところを見ていきながら進めて行くのがいいかなと思います」
世古口「私たちみたいな不動産の仲介会社に物件探しを依頼するのであれば、利回り感はこういう利回りで、東京7区でとか、こういう金額感で物件を探してくださいという感じで依頼したりとか。ご自身で探すのであれば、いろいろなサイトがありますので、区で探したりというイメージですね」
中武「はい」
世古口「それを先ほどの表を見ながら大きくずれがないか確認し、自分に合った物件を探すみたいな感じでしょうか」
中武「はい。具体的なものがないとあまりイメージできないと思いますので、表を目安にして具体的にどういうものがあるのか、こういう探し方がいいと思います」
まとめ③資産性と収益性の天秤から大きく外れた物件はない
中武「先ほども少し触れましたが、表と大きく乖離したご希望がある場合は、どれだけ探しても基本的には見つからない可能性が非常に高いです。なので、探してはいるけど5年とか10年とか買えない方が中にはいらっしゃると思うのですけど、そこは現実と理想の乖離が大きすぎると思いますので、ここはある程度目安をつけてイメージしていきながら物件を探されるといいかなと思います」
世古口「表を作ったのが2025年6月なので、その時点での資産性と収益性の天秤で作られたものです。今の時点ではあれから大きく外れた物件はおそらくないのではないかということですね」
中武「はい」
世古口「あるとすれば特別な理由があるとか、ワケアリ物件の可能性もあるので、逆に注意が必要な可能性もあるかと思います」
中武「そうですね。なので、大きく外れた物件があったとしたら特に注意して調査が必要ということです」
まとめ④多くの富裕層は資産性重視型やバランス型を選ぶ
中武「先ほどの表でいくと真ん中の2つを選ばれる方が多いと思います。これは自分の資産状況、資産背景、投資の目的を兼ね合わせてあのくらいの物件を選ぶというところが多いかなと思います」
当社ウェルス・パートナーは富裕層の方の資産運用をお手伝いしています。
不動産投資の具体的な物件の提案から融資のサポートまでいたしますので、不動産投資のご要望がある方はぜひご相談ください。

株式会社ウェルス・パートナー
リアルアセットマネージャー
早稲田大学商学部卒業後、大和ハウス工業株式会社へ入社。
富裕層・地主に賃貸住宅での土地活用ソリューション提案に従事。東急リバブル株式会社にて投資用不動産の売買仲介を経験後、株式会社ウェルスパートナーに入社。マネー現代など大手メディアでの記事執筆も行う。