目次
はじめに
皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
今回のテーマは、「医師が米国債に利回り4%以上で投資できるチャンスがしばらく続く可能性が高い理由」です。
これまでもこのチャンネルでお伝えしてきたように、米国債の利回りが4%以上となる局面は、大きな投資のチャンスと考えられます。ただし、そのようなタイミングは頻繁に訪れるものではありません。そのため、そうした機会が訪れた際には、迷わず投資することをお勧めしています。
現在、米国債の利回りが4%以上という状況がしばらく続く可能性が高いと見られています。今回は、この利回りがしばらく続く理由について、詳しく解説していきます。
▼今回の内容はYouTubeでご覧いただけます
米10年国債利回りの推移(過去3年)
まず、こちらのチャートをご覧ください。このチャートは、米10年国債利回りの過去3年間の推移を示しています。米国債への投資を検討する際に、利回りを判断する上での参考データです。
このグラフを見ると、2024年以降の動向、特に右側に注目すると、今年4月に利回りが最も高い4.7%に達したことが分かります。しかし、その後、アメリカ経済の失速懸念が広がった影響で、金利は急激に下がり、9月16日には最低値の3.6%を記録しました。その後、約2ヶ月かけて金利は回復し、現在は4.5%まで戻っています。このような状況こそ、米国債利回りが4%以上となり、投資に適したタイミングと言えるでしょう。
では、なぜ米国債の利回りがここまで回復したのでしょうか。その一因として、アメリカの大統領選挙が影響を与えた可能性が挙げられます。2024年11月7日現在、昨日(11月6日)に実施されたアメリカの大統領選挙において、ドナルド・トランプ氏が再選を果たしました。
トランプ氏は過去にも大統領を務めており、再びその座に戻った形です。彼の特徴的な政策として、個人や法人の税金の削減、大規模な国債発行を通じた経済への資金投入、高い関税の導入などが挙げられます。これらの積極的な経済政策が再び実行されることで、インフレ懸念が高まり、物価上昇が続く可能性があると予想されています。
そのため、インフレ懸念が再燃し、金利が予想以上に下がらないとの見方が広がっています。この高金利の状況を背景に、現在の金利は4.5%まで上昇しています。トランプ大統領が就任したばかりでこの状況であることから、米国債の利回りがしばらく4%以上の水準で推移する可能性が高いと考えられます。
ただし、トランプ大統領の政策が実行され、経済の数値(結果)に反映されるまでには、一定の時間が必要です。その間は、トランプ大統領への期待値だけでも、米国債の利回りが4%以上を維持する可能性が高いでしょう。経済政策の効果が具体的な数値として現れるのは、2025年後半頃になると予想されます。
その際、もしインフレが予想以上に進行しなかった場合、金利が下がる可能性もあります。一方で、インフレが予想以上に進行すれば、金利がさらに上昇する可能性もあり、どちらに転んでも金利が高止まりするリスクが存在します。
とはいえ、少なくとも2025年後半までは、米国債の利回りが4%以上を維持する可能性が高いと考えられます。そのため、この期間は米国債の利回りが4%以上で投資できるチャンスが続くと見ています。
米10年国債利回りの推移(過去20年)
さて、そもそも「米国債利回りが4%以上という状況が本当にチャンスなのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、過去20年の米国債利回りの推移を示したチャートを確認してみましょう。
こちらがそのチャートです。4%以上のタイミングは薄い赤色で示されています。ご覧のとおり、過去20年の間で利回りが4%以上となった時期は非常に限られていることが分かります。
特に、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を原因とする金利の急激な上昇を除けば、過去20年間で米国債利回りが4%以上となった時期はほとんどありませんでした。たとえば、2007年のリーマンショック前には一部で4%以上の利回りが見られましたが、それ以降、2007年から2020年までの15年間で利回りが4%を超えることは一度もありませんでした。
私自身、2005年に証券会社に入社した当時、一時的に4%の利回りを目にした記憶がありますが、その後15年間、利回りが4%以上になることはありませんでした。そのため、4%以上の利回りが実現する状況は非常に稀であり、むしろ「ラッキー」だと考えていました。
ここ数年、ロシアによるウクライナ侵攻や資源価格の高騰の影響で、4%以上の利回りが見られる状況が増えてきました。しかし、過去20年間を振り返ると、4%以上の利回りは依然として非常に珍しく、滅多に訪れない貴重なチャンスであることが分かります。
まとめ
では、今回のテーマ、「医師が米国債に利回り4%以上で投資できるチャンスがしばらく続く可能性が高い理由」をまとめます。ポイントは4つです。
ポイント1)トランプ氏の大統領再選の影響で利回り上昇
トランプ氏の大統領再選が米国債利回りの上昇に大きく影響していることは間違いありません。トランプ氏の再選が確定する前から、その影響を織り込む形で利回りは上昇していました。元々4%弱だった利回りは、トランプ氏の再選によって約0.5%上昇し、現在の水準に達したと考えられます。トランプ氏の政策が期待通りに進むかは不透明ですが、当面の間、この利回り水準が維持される可能性が高いと見られます。
ポイント2)2025年後半まで利回り4%以上が続く可能性高い
「利回り4%以上の状況がいつまで続くのか?」という点については、あくまで予想となりますが、少なくとも2025年後半までは4%以上が維持される可能性が高いと考えています。
その理由として、トランプ氏が進める減税や拡張財政、高関税、株価上昇を促す政策が挙げられます。これらの政策はいずれも、インフレや物価上昇、そして金利の高止まりを引き起こす要因となっています。さらに、これらの政策への期待感だけでも、2025年後半までは利回り4%以上が続くと見られます。
その後については、発表される経済指標やインフレ率、GDPの動向次第で変動する可能性がありますが、現時点では少なくとも2025年後半までは4%以上の利回りが維持されると予測されています。
ポイント3)医師には高利回りでの米国債投資のチャンス
4%を超える利回りが続く状況は、医師の先生方にとって、米国債への投資チャンスが再び訪れていると言えるでしょう。特に、高い利回りが一定期間維持されると予想される現状では、比較的余裕を持って投資を検討し、実行することが可能です。
ポイント4)残存期間長い20年以上の米国債がオススメ
せっかく米国債に投資するのであれば、現在の高い利回りを活かし、残存期間が長い米国債、特に20年以上や30年ものの債券に投資することをオススメします。これにより、高い金利を長期間にわたって固定できるため、安定した収益を確保する大きなメリットがあります。
本日は、「医師が米国債に利回り4%以上で投資できるチャンスがしばらく続く可能性が高い理由」という内容でお届けさせていただきました。
当社ウェルス・パートナーではお医者様の資産運用の無料個別相談も承っております。ぜひお気軽にお申し込みください。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中