目次
はじめに
運用資産のバリエーションを増やそうと考えている方にとって、米国債投資は魅力的な選択肢といえるでしょう。しかし、経済動向を見ながら最適な投資戦略を実現することは容易ではありません。そこで重要となるのが、資産運用のプロであるIFA(資産運用アドバイザー)の専門的知識と経験から得られるアドバイスです。この記事では、IFAを活用した米国債投資のメリットとデメリットを解説し、資産運用に役立つ情報をお届けします。
IFAとは?米国債投資のパートナー
IFA(Independent Financial Advisor)とは、独立した立場から資産運用の計画立案やアドバイスを行う金融のプロフェッショナルです。米国債投資をはじめ、資産運用に関する深い知識と豊富な経験を持っています。IFAは、投資家の個々の投資目標とリスク許容度、資産背景に合わせて、米国債のポートフォリオを作成し、マーケット状況に応じたタイムリーなアドバイスを行います。IFAを利用することで、効率的な米国債投資が可能となり、はじめての方でも安定したパフォーマンスを得られるようになるでしょう。
IFAの役割と投資家へのメリット
IFAは、顧客のニーズに合わせた投資計画の立案や資産運用のアドバイスを行う金融の専門家です。米国債投資においてIFAは、市場の分析、リスクの評価、投資ポートフォリオの最適化を行い、顧客が最適な投資判断を下せるよう支援することにあります。IFAを活用するメリットとしては、専門知識や経験を活用することで、市場の変動に対する適切な判断が可能となり、少ないリスクで最大のパフォーマンスを目指すことが可能です。IFAを活用することにより、長期にわたる安定した資産成長を見込むことができるでしょう。
IFAを選ぶ際の重要なポイント
IFAを選ぶ際には信頼性が重要なポイントになります。まず、公的な資格や認可を持っているか確認しましょう。
IFAとして金融商品の仲介を行うには、金融商品仲介業者として内閣総理大臣の登録を受け、日本証券業協会の外務員登録を受けなければいけません。
また、IFAの経歴や実績を確認することも大切です。IFAの公式サイトから、所属IFAの経歴や実績、実際の相談事例や顧客の口コミなどを確認することが大切です。
https://wealth-partner-re.com/about/member/
https://wealth-partner-re.com/service/case/
IFAを通して投資をする場合の手数料
IFAを通して米国債に投資する場合の手数料は、IFAが行うサービス種類や内容、および管理する資産の額によって異なります。
固定料金制、時間単位の料金、または資産額に基づく従量制(パーセンテージ料金)のいずれかが適用されることがほとんどです。
資産額に基づく従量制料金の場合は、管理する資産額の一定の割合(例えば1%)を手数料として支払います。
このため、証券会社から直接米国債へ投資する場合に比べて、ややコストがかかりますが、プロのアドバイスを受けられたり、ポートフォリオを構築してもらえるため、コスト以上の運用成果が期待できるでしょう。
また、劣後債(※)などリスクの高い債券などは、IFA経由でしか購入できない場合もあります。
※劣後債 : 社債のうち、デフォルト時の元利金支払い順位が劣る債券。リスクが大きい分、高い利回りが得られる。
米国債の基礎知識
米国債とは、米国政府が発行する債券であり、安全性と高い利回りから魅力の大きい投資対象です。
アメリカ経済の強さを考えると、長期にわたり安定した高いパフォーマンスを期待できるため、「資産運用に手間をかけたくない」という方に向いています。
米国債とは何か?その種類と特徴
米国債は、米国政府発行という信頼性と高い収益性が魅力です。特に現在(2024年7月前半)では、10年債利回りが4%台前半という高い水準にあり、絶好の投資タイミングといえるでしょう。
米国債は、利息の受け取り方によって「利付債」「ゼロクーポン債」の2つの種類に分けられます。
画像引用元 : https://kabu.com/kabuyomu/money/495.html
利付債とは償還までの間、決まった利率で定期的に利息が支払われる債券のことです。
一方、ゼロクーポン債とは、利息相当額が割り引いて販売され、満期時に額面金額が支払われる債券です。
利付債は定期的に利息収入を得たい方、ゼロクーポン債は定期的な利息収入は不要なものの、資産を増やしたい方に向いています。
米国債のリスクとは?
米国債は安定した収益を狙える魅力的な投資対象ですが、以下のリスクがあるため、投資の際は注意が必要です。
【米国債のリスク】
・為替変動リスク
・信用リスク
・価格変動リスク
為替リスク
円高に振れた場合に為替差損が生じるリスクです。
為替が米国債券(米ドル債券)に与える影響は次の動画で解説していますので、ぜひご覧下さい。
信用リスク
債券発行体の財務状況によって、利息や償還金の一部またはすべてが支払い不能(デフォルト)となるリスクのことです。
米国債は安全性の高い資産ですが、それでも信用リスクがないわけではありません。
価格変動リスク
債券投資では、市場金利が上昇すると高い金利で発行される新しい債券が有利となるため、既存の債券は価格が下がります。
通常、債券は満期まで保有すると額面額で償還されますが、中途で手放す場合は時価での売却となるため、金利上昇時には元本割れとなる可能性があります。
2024年に注目すべき米国債の動向
現在(2024年7月前半)かなり高い水準にある米国債利回りですが、2024年9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利下げ開始の可能性が高まっており、直近の予想では年内2回の利下げが見込まれています。
このような現状から、2024年夏以降の米国債の動向と投資ポイントをまとめると、次の通りです。
米10年国債利回り4%以上は2024年夏頃までか
現在(2024年7月前半)、米10年国債利回りは4%台前半という高い水準を維持しています。2024年9月のFOMCで利下げの可能性が高いため、4%以上の利回りは2024年夏頃までとなるのではないでしょうか。
2024年12月末の着地は米10年債利回り3%後半か
直近の予想では年内2回の利下げが見込まれています。このため、12月末の米10年債利回りは3%台後半になる可能性が高いといえます。
格付け間の利回り差が小さい状況は継続
現在、米国債券は格付け間の利回り差が小さい状態が続いています。アメリカの景気が良く、企業の倒産リスクが小さくなっているためです。アメリカ経済は堅調であるため、今後しばらくは格付け間の利回り差も小さい状況が続くものと予想されます。
金利低下を見越して米ドル債券への投資が急増
ここまで紹介してきたとおり、2024年後半は米国債の金利低下が避けられない見込みとなっています。このため、今後は金利低下を見越した米ドル債券への投資が急増するものと思われます。
実際に、私たちウェルス・パートナーでも、米ドル債券投資に関する相談やお問い合わせが急増しています。
2024年夏以降の米国債投資のポイントをまとめると、次の2点が重要になるでしょう。
夏以降利下げが開始され、年内2回の利下げが見込まれる
利下げ後、現在と同じ金利水準を求めるのであれば、米国債だけでなく一部普通社債や劣後債の組み入れも必要になる
2024年夏以降の米国債の動向と投資ポイントは、次の動画で詳しく解説しています。ぜひ、併せてご覧下さい。
IFAを通じた米国債投資の活用事例
IFAを通じた米国債投資の活用事例を紹介します。
ご相談いただいたのは70代後半、富裕層未亡人のお客様です。相続資産4億円のうち外国株式が2億5,000万円と極端に偏ったポートフォリオ設計となっていました。
お客様方のご要望
・毎日資産が大きく変動し不安になる
・証券会社の担当者から短期売買を提案され困っている
・安定的な運用で平穏な日々を過ごしたい
・毎年ある程度の利息収入を得たい
・2次相続の相続税負担が重いと聞いたので相続税対策も行いたい
提案内容
そこで、私たちウェルス・パートナーがご提案した内容は次の通りです。
・米国債と一部米国普通社債を中心にインカムゲインの安定運用を行う
・外国株式はすべて売却
・2次相続対策として相続税評価額を下げるために国内不動産へ投資
外国株式中心から米国債中心のポートフォリオへ変更したことで、資産額の変動を気にすることなく安定した運用が可能となりました。債券全体から年間約1,000万円の利息収入、賃貸不動産から数百万円の家賃収入が得られるようになりました。
お客様からは「何よりも毎日、資産額を気にする不安から解放されたのがうれしい。もっと早く相談すれば良かった。」と喜びの声をいただいております。
こちらのお客様に限らず、米国債は「安定運用をしたい」「一定のインカムゲインを得たい」「手間やリスクを極力避けた運用をしたい」という方におすすめの投資対象です。
また、「もう少し高いリターンを得たい」という方であれば、ポートフォリオへ普通社や劣後債を組み入れて利回りの底上げを行うことも可能です。
ウェルス・パートナーでは、実績豊富なアドバイザーが米国債投資の無料相談を承っておりますので、ぜひ気軽にご相談ください。
無料相談はこちら
まとめ
IFAを活用した米国債投資について解説してきました。米国債は安全性の高さと安定した高利回りが魅力です。インカムゲイン中心の安定運用を好む方には最適な投資対象といえます。ただし、2024年後半には利下げが見込まれているため、うまく投資タイミングを見極めることが大切といえるでしょう。
なお、「はじめての米国債投資なので不安だ」「米国普通社債や劣後債にも興味がある」という方は、IFAを通じた米国債投資を検討するのも良いでしょう。
本記事がこれから米国債投資をはじめる方の参考になれば幸いです。
株式会社ウェルス・パートナー
ポートフォリオマネージャー
早稲田大学商学部卒業後、SMBC日興証券株式会社へ入社。富裕層、会社経営者向け資産運用コンサルティング業務に従事。証券会社では顧客に寄り添った提案ができないと思っていたときに代表の世古口と出会いウェルスパートナーの創業に参画。資産1億円以上の富裕層向けに資産保全・管理、相続・事業承継対策等のアドバイスを行っている。富裕層や資産形成層向けのセミナー講師としても活動中。