目次
はじめに
富裕層や資産保有者にとって、プライベートバンクという言葉自体は馴染みのあるものかもしれません。プライベートバンクは、一般的な銀行とは異なるサービスや利点を提供する金融機関であり、高額の資産を保有する個人やその家族に向けた特別なサービスを提供しています。
この記事では、プライベートバンクの利用条件や特色について詳細に解説します。資産を効果的に管理するための1つの手段として、ぜひ参考にしてください。
プライベートバンクの概要と特徴
プライベートバンクは、数千万円や数億円以上の資産を保有する富裕層を対象に、資産管理や運用などの総合的なサービスを提供する金融機関です。スイス発祥の銀行形態で、資産の増大や保全を目的としています。
他の金融機関とは異なるプライベートバンクの有用性について、以下の視点から紐解いていきましょう。
〈プライベートバンクの特徴〉
・豊富な金融商品で運用できる
・金融分野に分類されないサービスも充実している
・手数料は預かり資産の1%程度
豊富な金融商品で運用できる
プライベートバンクでは株式や債券などの従来の金融資産はもちろん、ヘッジファンドなどのオルタナティブ投資も取り扱っています。
オルタナティブ投資とは?
オルタナティブ投資とは、従来の投資とは異なる、新しい運用手法を採用した金融商品のことです。商品・先物・オプションなどが主な投資対象になります。
中でもヘッジファンドは相場が上がっても下がっても利益を出すことを目指している商品なので、リスクヘッジしつつも利益も狙えます。
金融分野に分類されないサービスも充実している
銀行形態を採用するプライベートバンクですが、そのサービスは金融分野だけに限られません。むしろ資産基準を満たした富裕層だけが利用できるサービスとして、需要が高まっている状態です。
具体的には、以下のようなサービスを利用することができます。
〈プライベートバンクで利用できる非金融サービスの例〉
①ブラックカード発行
ゴールドやプラチナを凌ぐ最高ランクのクレジットカードが発行できる
②オークション代行
ジュエリーなどの宝飾品や絵画のオークション代行を任せられる
③ゴルフ場紹介
限られた富裕層だけが利用できる高級ゴルフ場の紹介
④旅行あっせん
最高ランクのホテル宿泊などを含めたオーダーメイドの旅行プランを作成してもらえる
⑤教育サービスの紹介
子や後継者の育成として、以下の教育サービスが受けられる
・受験のサポート
・留学の案内
・経営者教育の案内
⑥医療・介護サービス紹介
高級医療施設・高級介護施設を紹介してもらえる
手数料は預かり資産の1%程度
プライベートバンクの手数料は、預かり資産に対して一定の割合をかけることで算出されます。企業によって異なりますが、おおよそ1%程度と考えて良いでしょう。
この手数料算出方法は、金融商品の売買ごとに手数料がかかる銀行や証券会社とは異なるものです。何の取引もしていなくても手数料がかかるデメリットはありますが、担当者の提案が顧客本位なものになりやすいメリットがあります。
売買を繰り返さなくてもプライベートバンクに報酬が入ってくる仕組みなので、手数料稼ぎをするインセンティブが働きにくいからです。
プライベートバンクの利用条件
富裕層のための特別なサービスを提供しているプライベートバンクのサービスは誰もが利用できるわけでなく、口座を開設するには以下の2つの条件を満たす必要があります。
〈プライベートバンクの利用条件〉
・資産額の基準を満たしている
・プライベートバンクの審査に通過できる
資産基準を満たしている
プライベートバンクを利用する絶対条件として、各企業が定める資産基準を満たしていることがあります。代表的なプライベートバンクと、その資産基準は以下の表にまとめています。
プライベートバンクの審査に通過できる
資産基準を満たしていることに加え、プライベートバンクを利用するには審査を通過しなければなりません。審査の詳細な内容は公表されていませんが、保有資産額以外にも、以下のような要素でも判断されていると考えられます。
〈プライベートバンクの審査に影響を与える要素〉
・職業
・年収
・家族構成
・人脈
・金融資産以外の資産
特に意外なのは、人脈かもしれません。自分自身は資産の基準を満たしていなくても、他の富裕層などと繋がりがあってプライベートバンクに多数紹介できる場合などは、それがアドバンテージになる場合があります。
また、不動産などの実物資産も考慮されます。近々不動産を売却する予定があれば、その不動産の売却益に当たる資産はいずれ現金などの金融資産になると見込まれるからです。
プライベートバンク利用のメリット
プライベートバンクの利用にはさまざまなメリットがありますが、主に以下の3点はプライベートバンクならではのものでしょう。
〈プライベートバンク利用のメリット〉
・オーダーメイドのサービスが受けられる
・税務や法務なども含めたさまざまな側面から資産形成をサポートしてもらえる
・金融分野以外にも人生のさまざまなタイミングで相談ができる
顧客それぞれに担当のプライベートバンカーがつくプライベートバンクでは、提供するサービスも顧客ごとに異なります。単に金融資産の運用で資産を増大させるだけでなく、法務や税務の面から資産を守る取り組みに力を入れることも可能です。
経営者など、意外にも身近な相談者がいない富裕層にとっては、人生のあらゆる問題を相談できる相手がいるのは心強くもあるでしょう。
プライベートバンクを有効活用しよう
プライベートバンクは資産管理や運用において重要な役割を果たす金融機関であり、富裕層にとって有益なサービスを提供しています。利用にあたっては条件を理解し、メリットを最大限に活かすことが重要です。あなたの資産を効果的に管理し、将来の安定を築くために、プライベートバンクの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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