目次
はじめに
ファミリーオフィスは欧米で盛んに利用されていましたが、近年はアジアで急増傾向にあると言われています。欧米が中心だったファミリーオフィスがなぜアジアで増加しているのでしょう。
ファミリーオフィスの歴史やアジアで増加している理由について解説します。
ファミリーオフィスとは
ファミリーオフィスは「究極のプライベートバンク」「一族や同族のための専用プライベートバンク」と呼ばれる資産運用や資産管理のサービスです。
富裕層の一族が自身や一族にあわせて資産運用や資産管理、生活から医療、教育まで幅広い専門家やサービスを集めて作る「その富裕層一族のためにサービスを提供するためのオフィス」がファミリーオフィスです。
富裕層はそれぞれ歴史があり、所有している資産の比率も異なります。一族の根幹になる考え方や事業内容なども異なっているわけです。富裕層の場合、自分や家族、一族の事情や繁栄、事業にあわせて資産の管理や運用をしたいというニーズがあります。
ファミリーオフィスは、その一族の事情や事業、方針に特化した資産運用や資産管理、教育や医療、生活などのサービスを提供します。
ファミリーオフィスの歴史
ファミリーオフィスは欧米ではじまり、発展したと言われています。
ファミリーオフィスはプライベートバンクと同じような意味合いで使われていましたが、発展の過程で差別化が進みました。
ファミリーオフィスの歴史を欧米、アメリカ、日本と、順を追って説明します。
欧米
ファミリーオフィスは欧米で発展し、成長しました。
ファミリーオフィスに近い概念が生まれたのは貴族の時代だったのではないかと言われています。貴族が自分のビジネスや財産を管理するために、自分のファミリーに特化した銀行など金融機関を作りました。自分の一族に特化した金融機関を作れば、一族の事業や考え方にあった財産管理やビジネスがしやすかったからです。
やがて他の金融機関も富裕層ファミリー特化型のサービスを取り入れ、提供するようになりました。現在のプライベートバンクのようなサービスが生まれ、富裕層を中心に利用するようになったわけです。
アメリカ
ファミリーオフィスとプライベートバンクは長らく混同状態でしたが、1980年代になるとアメリカの資産家が専門家集団を集めた明確なファミリーオフィスを作りました。
アメリカで作られたファミリーオフィスが近年のファミリーオフィスのさきがけのような存在だと言われています。
ファミリーオフィスの概念自体は欧米や西欧の各国にありました。ただ、近年のファミリーオフィスという言葉が意味する形態については、アメリカが発祥だと言われています。
日本
欧米では数千のファミリーオフィスがあると言われています。対して日本では、ファミリーオフィスという仕組みはあまり知られていませんでした。
日本でファミリーオフィスが注目されたのは2021年に起きたアルケゴス事件が原因です。ファミリーオフィスであるアルケゴスがリスクのある投資をして多額の損失を出したことにより、世界の金融機関にも影響が出てしまった事件になります。日本では野村ホールディングスなどが打撃を受けました。
日本ではこの事件でファミリーオフィスが注目されるようになり、富裕層を中心にファミリーオフィスによる一族に特化した資産運用やサービスの管理などを検討する人が増えたと言われています。
アジアでファミリーオフィスの文化が急増する理由
アジアでは欧米や西欧ほどファミリーオフィスは利用されていませんでしたが、急増の兆しを見せているとして注目されています。
アジアでファミリーオフィスが急増している理由のひとつが「ファミリーオフィスは事業承継や相続時のトラブル対策にもなるから」です。
ファミリーオフィスは資産運用や資産管理、富裕層の生活や医療、教育などのサービスを提供するだけではありません。富裕層の一族のビジネスや相続時のトラブルも見越して、必要なプランやリスク回避方法を検討することもファミリーオフィスの役目です。
ファミリーオフィスの仕組みを活用することにより、資産運用やサービスの管理、事業承継や相続時の対策などを自分の一族にあわせてできるため、アジアでさらに注目されることになりました。結果、アジアでファミリーオフィスが急増の兆しを見せているわけです。
ファミリーオフィスの市場で、資産を増やすために必要なこと
ファミリーオフィス市場で資産を増やすために必要なことは「自分や一族に合っているか見極めること」です。
ファミリーオフィスは一族に特化したプライベートバンクのような存在ですが、一族に合わせたサービスの提供のために専門家を選び、サービスも管理しなければいけません。そうすると、やはり相応の資金が必要になってしまいます。
金融機関が提供しているプライベートバンクや、プロフェッショナルであるIFAの利用なども考えられるため、自分や一族が必要としていることは何か、そして今後必要になることは何か把握し、ニーズに合ったサービスを選ぶことが必要です。
まとめ
アジアで急増していると言われているファミリーオフィスですが、増えているからといってすべての富裕層のニーズに合致するわけではありません。
資産運用や資産管理、事業承継や相続などについて考える際は「増えているから」ではなく「自分や一族のニーズに合致しているか」が重要ではないでしょうか。
よりニーズに合ったサービスを選ぶためにも、各種サービスを比較して選ぶことをおすすめします。
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