バリュー投資とグロース投資の違いは?メリット・デメリットについても解説します!

はじめに

株式投資の際にポイントになるのは、銘柄選びです。
皆さんは、銘柄を選ぶ際にどのような基準で銘柄を選びますか?

「製品やサービスなどを利用していてその会社をよく知っている」という理由もあるでしょうし、自身が勤めている業界のナンバーワン企業やニッチで技術力がある企業といった選び方もあるかも知れません。

今回ご紹介するバリュー投資とグロース投資は、個人というよりはどちらかというと年金やヘッジファンドといった機関投資家の銘柄選びではメジャーな手法となります。

日本の株式市場のメインプレイヤーは機関投資家です。主力の大型株が売買される東証1部の銘柄の株式のおよそ8割以上は外国人投資家を含めた機関投資家が保有していると言われています。

そのため、主力株の値動きは、機関投資家が左右しているという構図のため、機関投資家の銘柄選びの手法について知っておくことは、今後の投資に役立つと思います。

1.バリュー株(割安株)投資とは

バリュー株投資とは、バリュー(お値打ち)という言葉が示すとおり、株式市場の時価に比べて割安に放置されている銘柄を投資の対象とする手法です。

何をもって割安とするかは決まっていませんが、一般的には企業の利益や純資産額に対して株価が割安な銘柄をバリュー株と定義し、そのような銘柄に投資する運用スタイルをバリュー投資としています。

企業の純資産とは、保有する資産額から返済すべき借金などを除いたネットの資産の額を指します。
株主の権利は、経営に参画する議決権、利益の中から配当などを受け取ることが出来る利益配当請求権、そして残余財産分配請求権の3つです。

残余財産分配請求権とは、投資先の企業が解散した時に借金を返済して残った財産を保有する株式数に応じて分配を受けることが出来る権利のことです。企業の純資産を発行済株式数で割り算した一株あたり純資産を株価が下回っている状況を「解散価値」を下回っているといい、割安な状況を示すひとつの目安となります。

一般的な傾向として、バリュー(割安)株に分類されるのは、トヨタ自動車、デンソー、ホンダといった自動車関連の株、三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンクや地銀株、保険株などの金融株、鉄鋼や海運株などの景気敏感の株などの有力企業はバリュー株に分類されることが多いです。

2.グロース株(成長株)投資とは

グロース株投資とは、グロース(成長)という言葉が示すとおり、売上高や利益など企業の業績が成長すると期待される銘柄を投資の対象とする手法です。

業界全体が成長している、世の中の変化で新たな需要が急増している、競争力のある製品や画期的なイノベーションに関わる技術などを持っているなど様々な理由により業績やシェアが伸びている、もしくは伸びることが期待される企業に投資します。

最近の株式相場では、わかりやすいグロース株とされるのは、IT株やハイテク株などのテクノロジー関連の株です。米国ではアマゾン・ドット・コムやフェイスブック、グーグルなどのIT大手がこれにあたります。

日本では、例えば医療関係者向けサイト運営のエムスリーや半導体の製造装置・検査装置を手掛ける東京エレクトロンやアドバンテスト、レーザーテック、アパレルの製造小売のファーストリテイリングといった企業は近年の株式相場でもグロース株として買われていました。

さらに新型コロナの感染拡大でテレワークや在宅時間が増えたことによるあらたな成長株なども登場しています。家具の製造小売のニトリや業務用スーパーの神戸物産、ドラッグストアのマツモトキヨシホールディングスなどは郊外・衛生品、巣ごもり消費といった消費者の新たなニーズを捉えて業績や株価の伸びが続いています。

3.バリュー投資株、グロース投資株のメリットとデメリット

バリュー株投資のメリットは、割安という言葉どおり株価が安い局面で買いを入れることが多くなるので結果として高値づかみのリスクが少なくなる点です。

また、配当利回りに着目した投資の際も買値が安くなればなるほど配当利回りは高くなりますので、配当狙いの投資とも相性が良いです。

デメリットは、安いと思って買いを入れたものの業績が悪化してしまいさらに値下がりしてしまう可能性もあることです。よくあるケースとして純資産からすると株価は割安であるものの、業界が縮小している、製品やサービスに魅力がないなどの理由で業績の悪化が続き、株価も低迷してしまうケースです。株価が安いというだけの理由で買いを入れるのは、控えるべきでしょう。

グロース株投資のメリットは、業績の拡大する初期の場面で買いを入れることが出来れば大きなリターンを得ることが出来る点です。デメリットは、グロース株全般に言えることですが、株価は値上がり傾向になっていることが多いため、場合によっては高値づかみとなってしまう点には注意が必要です。

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