トンチン年金とは?長生きすればするほど得をする年金保険って本当?!

はじめに

トンチン年金とは、その昔17世紀のイタリアの銀行家であるロレンツォ・トンティが考案したと言われています。

この年金は、特定の年金保険の商品名ではありません。「トンチンが考案した仕組みを使った年金保険」という意味です。

トンチン年金は「長生きすればするほど得をする年金保険」です。

1つのお財布にみんなでおカネを入れ、そこから年金を支給するわけですが、先に亡くなった方の支払った保険料の残額はそのままお財布に残るので、生き残った方の年金財源となる仕組みです。

死亡保障はなく、解約時あるいは死亡時の払戻金を低くおさえ、終身年金の財源としています。

1.具体的な商品内容について

それでは、具体的な商品内容を見ていきましょう。

業界最大手の日本生命のホームページには「グランエイジ」というトンチン年金の事例が掲載されています。

この例によると、「50歳の男性が60歳までの『10年間月々10万1,886円』を保険料として払い込めば、60歳から『毎年44万2000円』の終身年金が確保できる」とあります。

この50歳の男性が10年間で支払う保険料総額は1,222万6,320円です。万が一60歳時点で死亡あるいは解約をすると、払い込み保険料のおよそ67.7%が払戻金となります。いわゆる死亡保険のような、大きな死亡保障はありません。

この年金は「5年保証期間付終身」ですから、仮に62歳で亡くなるとトータル5年分の年金221万円のうち、未受給分がご遺族に支払われます。つまり、「最初、確実に受け取れる額(=5年分)は、支払い保険料のわずか18%」です。

2.「元が取れる」のは87.7歳以上

この年金の損益分岐点は何歳かというと、27.7歳分、つまり87.7歳でようやく元本回収となります。そして、それ以降は利息を受取り続けるという設計となっています。

「人生100年時代」、もし100歳まで生きれば1768万円の受け取り額となり支払った額の1.45倍の受け取り額となります。

この年金保険に加入したい人の人物像としては、亡くなったときに家族におカネを遺さなくてもいい人、たとえば遺族の生活に必要なおカネは別途用意してある、あるいはおカネを遺すべき家族がいない方が挙げられます。

また、長生きすることが前提の人も挙げられます。何しろ90歳くらいまで生きないと元がとれないわけですから、長生きが大前提です。

しかし、この保険は「50歳から毎月10万円強の保険料の払い込みが必要」です。現実問題として月10万円、年金保険の保険料として支払いが可能な方はそう多くはないでしょう。

さらに受け取れる年金は月換算すると「3万7000円程度」です。たとえ100歳まで生きたとして、月4万円程度の年金があっても、住居の確保と基本的な生活資金の確保が伴わなければ、これだけで生活をするわけにはいきません。

それよりも、投資信託の積立運用の方が老後の備えになるのではないでしょうか。

3.投資信託の積み立て運用

トンチン年金と同額の「月10万円、50歳から10年間の積み立てが可能」だとすれば、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用し、投資信託でおカネを準備した方がよいと思われます。

投資信託の評価で定評があるモーニングスター社の「つみたてNISA総合ガイド」を使うと、つみたてNISAの投資対象となっている投資信託のつみたてシミュレーションを見ることができます。

今回はモーニングスターの評価で5つ星を獲得している「セゾン資産形成達人ファンド」で試算してみます。

過去の実際データをもとに「月々10万円を10年間積み立てた場合の資産残高は2,658万9,000円」と出ました。

NISAやiDeCoなどの非課税制度をうまく使えば、非課税メリットの恩恵をうける分、手元に残るおカネが増えますのでもっと大きな資産を作ることができます

では、この2600万円を、先ほどのトンチン年金の「年間44万2000円」と比べてみましょう。

もし、60歳から毎年この額を取り崩していくとすると、単純な割り算ですが2300万円あれば、52年間分もおカネがもつことになります。

60歳から受け取りを始めても、十分100年時代を生き抜くことができます。もし100歳までの40年間でこの資産をすべて取り崩すとすれば年間57万5000円と使えるおカネが増えるわけですから、老後のプラスアルファの資金としては、先ほどのトンチン年金より余裕が生まれます。

4.まとめ

しかし、今回のコロナショックで相場が急落したように、投資信託は過去の実績通りに利益が出るとは限りません。

株式相場は、過去の実績からいうと10年に一度は大暴落が来ます。その大暴落に60歳の時にあたってしまったら悲惨です。

ですから、一律に投資信託での運用がよいとは言えません。資産運用に自信のある方は、投資信託での運用、自身のない方はトンチン年金を選択されてはいかがでしょうか。

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