1.はじめに
株式投資の世界に、勝率100パーセントとなる方法など存在しません。しかし大損を出してマーケットから退場を余儀なくされる人には、共通点がいくつか見受けられます。その代表的な共通点を、本コンテンツで3つご紹介します。
2.損切りできない
株式投資の世界では、一般的にポジションのエントリーよりもポジションを解消(現物買いであれば売却、空売りであれば買戻し)する方が難しいと言われています。特に難しいのが、自らの判断でポジションを解消し損失を確定させる「損切り(ロスカット)」 なのです。
なぜなら、株式に限らず投資を行う人間に共通する心理は「損したくない」です。客観的に見て、これ以上ポジションをホールドしていたとしても損失が拡大するのは必至なのに、敢えて自ら損失を確定させることは自ら「負け」を認めることと同義との固定観念から損切りをすることに少なからず抵抗を感じてしまうものなのです。
そのため、「このままホールドしていれば、いずれ値を戻すのではないか」という楽観的心理も作用し、ズルズルと損失を拡大させ続けることになります。このように、損切りの難しさは自分自身の甘い考えとの戦いにあるのです。
3.ナンピンに走る
ナンピン買いとは、保有している銘柄が当初の予想に反して買値よりも下落してしまった場合に、買値よりも安くなっている価格で買い増しして、一株あたりの買値すなわち平均取得価額を引き下げることにより一株あたりの含み損を薄め、将来の価格反転を狙うものです。信用の売りのポジションの場合は、買いポジションと逆の行動を取ります。
しかし、現実はなかなかうまくいきません。損切りの難しさにも通じることですが、負けを認めたくない思いといつかは値を戻すだろうという根拠の無い楽観的な思い込みにより、冷静さを失って無計画にナンピン買いを入れてしまうものなのです。
株価が下落することには、何らかの理由があるはずです。
最近の例であればスルガ銀行株のように、長期的にも株価回復を見込むのが難しい下落傾向の銘柄に対してはナンピン買いなど全くの愚策です。下がる一方の「落ちるナイフ」を自らつかむことで、余計に損失を拡大させる結果となるのです。
また、無計画にナンピン買いを繰り返し、株価が反転しないまま限られらた資金をひとつの銘柄に集中させてしまった結果、損失を抱えたまま投資資金が枯渇し、さらに保有株が塩漬けになり新たなポジションが構築できなくなる可能性があります。つまり、単一の銘柄に資金を集中させ過ぎた結果、他の魅力的な銘柄で利益を得るチャンスを失ってしまうことになるのです。
加えて、ナンピン買いを行うことは個別銘柄に集中投資することにつながりかねません。この結果、ポートフォリオに分散投資が為されなくなりリスクが高くなってしまうのです。
4.自分流の方法が見つけられない
株式投資の手法や戦略は、投資家の数だけ存在します。そしてプロと言われる機関投資家に所属しているディーラーやファンドマネージャーに共通している点が、すでに成功体験を積んだ自分流の投資手法を見つけているということです。
そして、このようなプロは自分流の投資手法を崩すことは滅多にありません。これはシステムトレードやアルゴリズム取引にも相通ずる面があります。なぜなら、機械によるトレードはプログラミングされた手法を繰り返しているだけに過ぎないからです。
よって、株式投資初心者の域を脱するためには少額でよいので様々な投資手法を試して、早く自分に合った方法を見つけ自分流の方法に昇華することです。そして、一度「型」が出来たら、なるべくそれを崩さないようにしましょう。
5.まとめ
どんなに運が良く腕の良い投資家であっても、株式投資の世界で損失を被ることは避けられないものです。しかし生き残っている投資家であれば、ナンピンよりもこまめな損切りの習慣を付け、自分流の投資手法を確立させているはずです。是非あなたが本コンテンツを他山の石としていただくことを願ってやみません。
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