目次
はじめに
相続税は条件さえ当てはまれば各種の控除や特例の利用が可能です。
相続税の特例・控除を使うことで、相続税を減税でき、支払いの負担を軽減できる仕組みになっています。
相続税がふくらみがちな富裕層は、利用できる特例・控除は忘れずに使うことが重要です。
この記事では、相続税の特例・控除の中でも知っておきたい代表的なものを7種類ご紹介します。
相続税を減税できる7つの控除・特例とは
相続税の控除・特例は賢く使えば相続人の相続税負担を減らせるのです。
相続税の控除・特例によって減額できる幅や条件などが異なっていますので、相続税時に使える代表的な控除・特例を7つ順番に解説していきます。
配偶者控除
相続税の控除の中でも大きな控除です。
相続財産は配偶者の今後の生活の基盤にもなることから、配偶者に対しては大きな控除枠が認められているのです。
配偶者には以下の金額の多い方の額まで相続税はかかりません。
・配偶者の法定相続該当額
・1億6千万円
贈与税額控除
贈与をおこなっている場合に使える可能性のある控除になります。
相続のときから3年以内におこなわれた贈与については、相続税の課税価格に含めるルールです。
ただ、贈与税を既に払っているのに相続税の課税価格に含めてしまうと、贈与税と相続税の二重課税になってしまいます。
すでに払った贈与税については、相続税から控除可能です。
未成年者控除
未成年者がいる場合に使える控除です。
未成年者が20歳になるまでの年数に10万円をかけた金額が控除の対象になります。
たとえば子供が15歳なら50万円が控除金額です。
障害者控除
障害者がいる場合に使える相続税の控除になります。
障害の度合いと障害者の年齢に応じて相続税額から一定の金額を控除可能です。控除金額は以下の計算式で求めます。
10万円×(85歳-相続開始時の年齢)
特別障害者の場合は10万円が20万円になります。
外国税額控除
外国税額控除は、海外の国と日本の相続税の二重課税を防ぐための控除になります。
海外の国で支払った相続税額を上限として一定額を控除できる仕組みです。
外国税額控除の計算は複雑なので、海外資産があり相続が発生した場合は、海外の税金や相続にも知見のある税理士に計算や手続きをサポートしてもらうことをおすすめします。
相次相続控除
相次相続とは、立て続けに相続が発生することです。
たとえば父親が亡くなり相続が発生し、母親と息子が相続人になり、相続税を納めました。
手続きが終わったころに、今度は相次いで母親が亡くなり、再び相続手続きと相続税の申告や納税が必要になりました。
このようなケースが相次相続といいます。
相次相続控除とは、立て続けに相続が発生したときに受けられる控除です。
10年以内に立て続けに相続が発生した場合は、2回目の相続税のときに一定額を控除して相続税負担を軽くすることが可能になっています。
連続で相続が発生すると、相続税の負担や準備が大変だからです。
小規模宅地等の特例
被相続人の住んでいた宅地や事業を営んでいた土地、貸していた土地など、相続財産の中でも土地に使える相続税の特例になります。
小規模宅地等の特例には土地のよって細かな利用条件がありますが、利用条件さえ満たせれば、相続税を大きく軽減できるため、土地の相続のときによく使われている特例でもあるのです。
小規模宅地等の特例では、土地について最大で80%の減額を受けられます。
まとめ
相続税の負担を軽減する方法には被相続人の生前の相続税対策がありますが、その他には控除・特例の利用があります。
相続税の控除・特例は代表的なもので7種類あり、それぞれ控除金額や使える条件が異なっているのです。
相続税の控除・特例を使うことで相続人の相続税負担が軽減できるので、控除・特例の内容を確認して、使えるものは忘れずに使うことが重要です。
税理士に相談すれば、使える控除や特例は使ってもらえます。基礎知識を固めて、相続税対処をしましょう。